令和 3年 12月定例会 本会議令和3年12月6日(月曜日) 議事日程 第3号 午前10時 開議第1 第131号議案から第137号議案まで第2 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件日程第1 第131号議案 決算の認定について(令和2年度
電気事業会計・
工業用水道事業会計・
工業用地造成事業会計) 第132号議案 決算の認定について(令和2
年度新潟東港臨海用地造成事業会計) 第133号議案 決算の認定について(令和2年度
病院事業会計) 第134号議案 決算の認定について(令和2年度
基幹病院事業会計) 第135号議案 決算の認定について(令和2年度
流域下水道事業会計) 第136号議案 新潟県
電気事業利益剰余金の処分について 第137号議案 新潟県
流域下水道事業利益剰余金の処分について日程第2 県政に対する一般質問(楡井辰雄君、小島晋君、秋山三枝子君、青柳正司君、樋口秀敏君、松原良道君) ――
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知事政策局長 小岩 徹郎 君
総務管理部長 森永 正幸 君 県民生活・環境部長 村山 雅彦 君 防災局長 熊倉 健 君
福祉保健部長 松本 晴樹 君
産業労働部長 佐野 哲郎 君 観光局長 妹尾 浩志 君
農林水産部長 小幡 浩之 君 農地部長 登り 俊也 君 土木部長 金子 法泰 君
交通政策局長 佐瀬 浩市 君 会計管理者兼出納局長 綱島 知子 君 病院局長 藤山 育郎 君 企業局長 桑原 勝史 君 教育長 稲荷 善之 君
選挙管理委員会委員長 天井 貞 君
人事委員会事務局長 川上 克也 君 警察本部長 村田 達哉 君
労働委員会事務局長 須貝 幸子 君
監査委員事務局長 山田富美子 君 ――
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△午前10時開議
○議長(佐藤純君) これより本日の会議を開きます。 ――
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△日程第1 第131号議案から第137号議案まで
○議長(佐藤純君) 日程第1、第131号議案から第137号議案までを一括して議題といたします。
企業会計決算審査特別委員長の報告を求めます。冨樫一成君。 〔冨樫一成君登壇〕
◆冨樫一成君
企業会計決算審査特別委員会に付託されました
企業会計決算関係7議案の審査経過並びに結果について、御報告申し上げます。 この7議案につきましては、いずれも去る9月定例会において、継続審査となり、閉会中審査を重ねてまいりましたが、12月3日にその審査を終了したものであります。 以下、審査の過程で述べられた主な意見について申し上げます。 まず、
病院事業会計として 県立病院については、コロナ禍においても安定的な医療提供が求められるので、働きやすい
職場環境づくりによる医療人材の確保や収支改善の取組による経営体質の強化などに一層努めるべきとの意見。 次に、
流域下水道事業会計として
流域下水道事業については、今後の人口減少を見据えた持続可能な経営が求められるので、黒字決算が継続するよう市町村との連携を強化の上、管理業務の広域化・共同化など効率的な運営手法の検討を一層進めるべきとの意見。 以上が、審査の過程で述べられた主な意見の概要であります。 次に、議案採決に先立ち、各党の党議結果並びに無所属委員の検討結果の報告を求めたところ、自由民主党、未来にいがた、
リベラル新潟、公明党、
無所属佐藤浩雄委員、
無所属渡辺和光委員並びに
無所属飯野晋委員からは、全議案いずれも原案賛成。 日本共産党からは、第133号議案については、僻地4病院の市町村への移譲や県立加茂・吉田病院の公設民営化の推進など、県立病院としての役割を守り抜く姿勢が見られないため反対。 その他の議案については、いずれも原案賛成というものであります。 次いで採決を行い、全議案とも原案のとおり認定または可決すべきものと決した次第であります。 以上をもって、報告といたします。
○議長(佐藤純君) これより採決いたします。 まず、第133号議案を採決いたします。 本案の委員長の報告は認定であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(佐藤純君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり認定いたしました。 次に、第131号議案、第132号議案及び第134号議案から第137号議案までを一括して採決いたします。 6案の委員長の報告はいずれも認定または可決であります。6案を委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、6案は委員長報告のとおり認定または可決いたしました。 ――
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△日程第2 県政に対する一般質問
○議長(佐藤純君) 日程第2、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、楡井辰雄君の発言を許します。楡井辰雄君。 〔楡井辰雄君登壇〕(拍手)
◆楡井辰雄君 自由民主党の楡井辰雄です。一般質問は2年ぶりで、大変緊張しているところであります。 まず、農業問題についてお伺いをいたします。 国内の主食用米の需要が減少を続け、また、
新型コロナウイルス感染症の影響によってさらに減少が進む中、本県でも、令和3年産米の生産について、非主食用米等への大幅な転換を目標に据え、需要に応じた米作りに取り組んできたことだと思います。 一方で、2021
年産一般コシヒカリのJAへの仮渡金は、先日、8月の提示金額に県内一律500円が上乗せされたものの、それでも前年比1,300円の大幅減となりました。この価格では原価割れに近く、農業経営を維持できなくなる可能性があります。 県は、2021年産米の取組を検証の上、本県の需要に応じた米作りが的確に進むよう、引き続き取り組むとしておりますが、2022年産米の需給の適正化に向けどのように取り組む方針か、知事の所見をお伺いいたします。 米余り状態での海外輸出を積極的に進めることは大変重要でありますが、県産米の国内需要を拡大するという視点も特に重要と考えます。 過去の一般質問において、米粉用米で米粉パンや米粉麺を作って、学校給食や保育園等での活用を進め、消費を拡大すべきと質問したことがあります。 学校給食における米粉パンや米粉麺の具体的な導入状況について伺います。 また、新潟県産米の需要拡大にどのように取り組む方針か、知事の所見をお伺いいたします。 国によれば、2020年産の主食用米の需給は供給が約20万トン多く、何もしなければ毎年20万トンの在庫が積み上がっていくことになります。 ユニセフなど国連5機関は今年7月、2020年に世界の飢餓が劇的に悪化したことを発表いたしました。その多くは、
新型コロナウイルス感染症の影響によるものと見られます。複数の機関の報告書によると、昨年は世界人口の約10分の1、最大で8億1,000万人が栄養不足に陥ったと推定されております。 そこで、ODA等による資金協力や技術協力と併せて、世界で一番信頼のある安心・安全な日本の米を世界中の食べられない人たちに届けること、海外支援に活用することも国に提案をしてはどうかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 日本における米の需給に実質的に影響を与えるものとして、1993年のガット・
ウルグアイ・ラウンド農業合意に基づき輸入される
ミニマムアクセス米の存在があります。年間実に77万トンに及びます。日本産の米が余る中で、外国の米を輸入しなければならないことは、私ども輸出大国とはいえ、大いなる矛盾を感じております。
ミニマムアクセス米について、我が国の米の需給に与えている影響を含め、知事の所見をお伺いいたします。 本県は、これからの持続可能な農業の在り方として、新潟県
園芸振興基本戦略により、大
規模園芸産地の育成と、県内全域で園芸の裾野を広げるという2つの目標を掲げて取組を進めているところであります。 今、大事な環境対策として、
カーボンニュートラル社会の実現に向けては、施設園芸の脱炭素化を推進すべきと考えます。地中熱など化石燃料を使わない
クリーンエネルギーを使った施設園芸を積極的に推進すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 本県の森林面積は、県土の約7割を占めており、全国で6番目に広い面積を有しておりますが、現状、木を育てるのに必要な間伐等の施業が行われておらず、山の適正な管理ができずに異常気象時の災害や干ばつによる上水道、水田の水不足等により、住居地に大変な影響を及ぼすことが懸念されるところであります。 川上が荒れると川下が荒れるということであり、山の荒廃は、地滑りなどを引き起こし、県民の安全・安心に影響を及ぼすおそれがあります。 また、現在、新潟東港で世界最大級の
バイオマス発電事業が進められておりますが、必要な間伐等を行うことによって、間伐材を安定的に確保できれば
バイオマス発電の燃料として供給することも可能となります。 時代の要請であるSDGsや
カーボンニュートラル社会の実現という新たな視点から、現下の経済状況では大変、即座の導入には慎重でもあるとも考えますけれども、新潟県版の
森林環境税等の森林整備に必要な新たな財源について、将来的にどうあるべきかという議論を、いま一度ゼロベースで考え始めてもいい時期に来ているというふうに思います。知事の所見をお伺いいたします。 農業高校の活性化等についてであります。 農業高校は、バイオ、食育、
スマート農業など、今や最先端の教育を行う場であり、中学生の関心も高いことから入試倍率も高く、農業県である本県としても、その教育環境の整備に一層の努力をすべきとの観点で生徒の学習力や地域に根差した学校、特色ある学校づくりとは何ぞやということを念頭に何点かお伺いをいたします。 来年度から実施される新
学習指導要領では、地域連携の推進がうたわれております。 このたび、
県立海洋高校が文部科学省の
マイスター・ハイスクール事業に指定され、民間企業から管理職として人材を募り、本格的な地域連携、産業教育が推進されると聞いております。 たとえ専門性の高い先生がいたとしても人事異動で転勤すれば、それまでの実績が生かされず生徒にも大変な迷惑をかけますし、安定した
地域連携事業ができなくなってしまいます。 農業県たる本県の農業高校においても、県版の
マイスター・ハイスクール事業などにより、民間人材を積極的に活用した本格的な地域連携、産業教育を積極的に推進すべきと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。 農業高校は、農産物を生産するだけでなく、食品加工など食に関わる分野を担っております。食品として提供する部分、つまり調理に関する学科はありません。従来は家庭科系の学科に設置されていた食物科も今や風前のともしびであり、特に上越地域においては調理師免許が取れる専門学科はもちろん、専門学校すら存在しておらず、地域の食を担う人材の育成に大きな支障があると考えます。 ちなみに、今、
高田農業高校の入学者数の約70%は女性であり、地元就職の割合も60%程度と高くなっており、その教育の充実は
人口減少問題対策にも資すると考えます。 食をトータルに扱う教育を行うことは大変重要であり、農業高校に調理師免許が取れる学科を新設すべきと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。 農業は、一つの方向性として、今後さらに大規模化や企業的経営が一層推進されると思いますが、
農業高校卒業生で自営や農業法人などに就職して、学んだ成果を生かす生徒は実はごく少数であり、これは就職指導の在り方にも課題はあると思いますが、農業法人が農業高校に対して積極的に求人活動をしていない現実もあると思います。 専門性を生かし、未来の新潟県の農業を担う人材を確保するためにも、学校と生徒が
農業法人経営者等との意見交換を積極的に行い、就農する若者の増加に尽力すべきと考えますが、取組の推進に向け教育長の所見をお伺いします。 県は人口減少に伴い、
県立高校等再編整備計画を推進しており、今後、上越地域では高田地区への高校の一極集中が進むと想定され、その周辺部では、過疎化にさらに拍車がかかり、通学の定期代、通学時間、家族の駅や学校送迎の負担等が増加しているという現実があります。 また、計画の推進に伴い、今後、廃校となる高校も出てきますが、その跡地の利用方法については、教育委員会だけではなく、県庁内はもとより、地元の皆様や市町村や民間企業と連携して積極的に検討すべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 次に、豪雪対策について。 昨冬、我が県を襲った豪雪では、12月の関越道の渋滞に続いて、1月7日から豪雪で上越地域でも高速、国道、えちごトキめき鉄道がストップし、大規模な交通障害や家から1週間も出られないという事態が発生いたしました。 少し記憶をたどりますと、3年前の冬にも豪雪がありました。三条地域においての甚大な被害や大渋滞が思い出されます。3年前の豪雪の経験は、昨冬の豪雪への対応に生かされたのでしょうか。 昨冬の豪雪時の混乱を踏まえ、当然、国・県・市町村において対応を考えていることと思いますが、豪雪への対応を検討する際にぜひ想像力を生かし、様々な事態を想定し、国・県・市町村等の関係者が連携の上、あらかじめ対応をシステム化することが重要と考えます。 昨冬の豪雪時の混乱等を踏まえ、本県の
道路除雪体制をどのように改善するのか、知事の所見を伺います。 私どもの地元、
柿崎海岸地域の積雪は毎年20センチ程度であり、通常は長靴を使うこともほとんどありませんが、昨冬の集中豪雪での積雪は、実に2メートルとなりました。もともと海岸沿いで降雪量が少ない地域では、山間部に比べ除雪体制がそれなりに設定されていることもあり、多くの地域で交通障害が発生いたしました。 私自身は、除雪体制や
オペレーター不足自体は、すぐに解決する話ではないことから、ある程度仕方がないものと思っておりますが、除雪の状況を含めて、地域が今どういう状況にあるかということを、県民にしっかりと伝えることはすごく大切だと考えます。 今後、道路除雪の状況をどのように分かりやすく的確に伝えていくのかをお伺いいたします。 次に、豪雪時の情報発信については、国・県・市町村の情報を一体的に発信すべきと考えます。新潟県防災ナビやインターネット、SNS等を活用して自ら情報を取りに行けないお年寄りなど、最も支援を必要とする方々に、的確に一体的に情報を届けるには、市町村の
防災行政無線をいかに有効活用するかが鍵になると考えますが、県の見解をお伺いいたします。 昨冬の豪雪で、1週間家から出られなかった際に、現場で最も困ったことは2つありました。灯油と食料であります。 独り暮らしのお年寄りの場合、灯油は18リットルの
ポリタンク2つぐらいで対応しているケースも多く、暖房器具を一日中ずっと使う場合、1週間はもちません。エアコンは、2メートルの雪が降ると、とても室外機の除雪に行くこともできません。 次に、食料でございます。店が近くにある人はいいのでありますが、遠い場合は買いに行けないという現実があり、困っている人の情報については、ボランティア、町内会長、班長、民生委員などが一番分かっております。支援協力を頂く一方、豪雪時は、行政が全ての除雪ニーズに対応することが困難となり、住民の皆さんの協力が必要となっております。 豪雪時に地域の
自主防災組織が的確に活動できるように、平時から、総力を挙げて行政と町内会長や
自主防災組織が連携し、対応力の向上を図ることが重要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 昨冬の豪雪では、大雪で1週間休診せざるを得なくなった個人医院の方から相談を頂きました。大病院は除雪が入りますが、個人医院については、主要道路の除雪が優先となり、医院の前の道路は除雪がされず、それに伴い、駐車場も除雪できなかったというものであります。 この方は、医師会会報の5月号に、雪も災害であり除雪費用の支援金を国にお願いしてはどうかとの意見を寄せておられます。 豪雪により、かかりつけ医が、1週間も閉鎖を余儀なくされることは、地域医療の維持・確保上も課題であると考えます。 地域医療の維持・確保に向けた優先除雪や個人医院への除雪費用の支給について、県の見解をお伺いいたします。 次に、
アフターコロナの経済対策についてお伺いいたします。
ウィズコロナの経済対策として県が実施した「消費喚起・
需要拡大プロジェクト」応援事業、新
事業チャレンジ支援事業、県民を対象とした旅行商品・宿泊割引等は、感染症の発生状況や現場のニーズを適切に捉え、非常にタイムリーに的確に実施されたと私は思っております。 特に、「消費喚起・
需要拡大プロジェクト」応援事業は、需要に応じて予算を拡大し、また、柔軟かつ弾力的に対応いただくなど、地域の人たちのやる気をすごく引き出したものと思っております。また、知事や各部局の手綱さばきは大変見事であったというふうに私は思います。 一方、
アフターコロナの経済対策については、
社会経済活動が正常化に向かい、観光や飲食の需要も回復する中で、
ウィズコロナと同様の10分の10補助や
プレミアム商品券のような割引政策も重要でありますが、やる気のある人の先進的な事業を支援するような新しいパターンの事業を展開していただきたいと考えますが、
アフターコロナの経済対策をどのように展開していくのか、知事の所見をお伺いいたします。 上越市は、
空き家定住促進利活用補助事業によって、市内の空き家等の有効活用や市外からの移住・定住者など、U・I・Jターンを加速させるため、空き家等のリフォームに係る費用の一部を補助しております。 また、東京から移住した建築士と若者や他の団体、外国人の方を含め大勢の方々が町家再生に取り組んでおられます。このプロジェクトは、空き家対策と地域経済の活性化を一挙に解決する水平思考でなされた取組事例であります。
アフターコロナの経済対策では、例に挙げたような地域経済の活性化につながる前向きな取組への後押しについても検討いただきたいと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、差別問題についてであります。 コロナ禍において、大変残念ながら本県でも、コロナ患者を受け入れている病院に勤める医師・看護師や感染者、その家族への差別や偏見、誹謗中傷が多く発生いたしました。近年、障害者の方々への差別は大分少なくなってまいりましたが、完全にはなくなってはおりません。住んでよしの新潟に向けては、思いやり・優しさ・モラルを基に、本県の差別問題を解消していくことが重要と考えます。 ひきこもりと人権同和問題について、併せてお伺いをいたします。 厚生労働省の定義によると、ひきこもりは、様々な要因の結果として社会的参加を回避し、原則的におおむね6か月以上にわたって家庭にとどまり続けている状態のことをいうと書いてあります。 私は、今、ひきこもりニートの40代前後の男性と半年以上メールのやり取りをしております。その方は、ブログを書いて個人的な意見を公表しておりますし、自分には就職障害があると考えており、ひきこもり歴は約20年にも上ります。 公開されているブログによると、中学3年生のときにいじめ被害に遭い、
専門学校時代は教師ともしっくりいかず就職活動もほとんどしなかったので、卒業だけして実家に戻ってきて、ひきこもりが始まったということであります。 彼は、豪雪のときの避難はどうしたらいいのか、原発事故のときに避難はどうしたらいいのか、ワクチン接種はどうしたらいいのか等の悩みを抱えているということであります。 例えば、原発事故で避難をして、一般の人と一緒だとパニックになってしまうとも言っており、ひきこもりへの対応について、国や県はどう考えているのかといった具体的な質問が来ております。 それでは、一回会いませんかとお誘いをしたのでありますが、残念ながら会えずに、メールでのやり取りが続いているところであります。 9月定例会で、我が党の中村議員がひきこもり支援について質問いたしました。県は、原則令和3年度末までに全ての市町村において、ひきこもりの相談窓口を設け、状況を把握し支援することを求めているとのことであります。 一方で、全ての市町村にひきこもり相談窓口が設置されたとしても、支援対象者がどこに何人いるのかが把握できなければ、ひきこもりの方を支援することはできません。 そこで、県内におけるひきこもりの実態を県としてどのように認識、把握しているのか、お伺いをいたします。 私がメールでやり取りをしているひきこもりの方は、国や社会に見捨てられた被害者という意識があり、ひきこもりを一般的な社会に合わせて考えることがおかしいと訴えているほか、ひきこもりニート向けの避難所整備や遠隔医療など具体的な対応も求めています。 ひきこもり支援の主体となる市町村において、それぞれのひきこもりの方々が置かれている状況を十分に踏まえた上で最善の注意を払い、実効性のある取組が行われるよう、県の積極的な支援に期待をしておりますが、知事の所見をお伺いいたします。 続いて、人権同和問題についてお伺いをいたします。 去る9月27日、東京地裁で「
全国部落調査」
複刻版出版事件裁判の判決が出されました。被差別部落の地名リストをウェブサイトに掲載し、書籍化することは差別を助長する行為であるとの原告の訴えに対し、判決は、出身者が部落差別や誹謗中傷を受けるおそれがあり、プライバシーを違法に侵害すると断じ、
ウェブサイト掲載の削除や出版禁止、損害賠償金の支払いを命じるという画期的なものでありました。 原告団に上越市民をはじめとする県民6名が加わる中での大きな勝利判決であり、地元紙、新潟日報の社説でも、改めて差別根絶の決意をとの見出しで、社会に横たわる差別意識と向き合い、その根絶を改めて誓う契機としたいと広く県民に呼びかけました。 今回の判決を踏まえ、インターネット事業者への削除要請の強化など新潟県の人権同和問題に対する取組を強め、差別を根絶していただきたいと思います。 今後の取組について知事と教育長の所見をお伺いいたします。 上越市教育委員会は、上越地区を狙った被差別部落の情報拡散に関わる取材やインターネット上での記事掲載についての情報を受け、令和元年9月に、上越市の小中学校長宛てに通知を発出し、被差別部落に対する問合せ等への対応について、毅然とした適切な対応の徹底をお願いしております。 同様の取組を全県で進めるべきと考えます。教育長の所見をお伺いいたします。 次に、上越地域の地域医療についてお伺いをいたします。 本年4月、県は、全ての県民が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、将来を見据えながら医療や介護の提供体制を整備することが喫緊の課題であるとして、新潟県地域医療構想を策定いたしました。構想区域内の各地域に合わせた施策の検討が必要ということで、県内7つの区域ごとに、3つの構想が描かれております。 また、本年9月、県は、上越・糸魚川・妙高3市から成る上越医療圏について、病院再編などに国から手厚い財政支援や助言を受けられる重点支援区域への指定を申請し、先日選定されたと報告を受けたところであります。 申請対象は、区域内に8つある公立・公的病院ですが、指定されれば県内では県央医療圏に続き2例目となり、国の指定によって、医療需要の詳細なデータ分析に支援が得られ、また、国と県が積み立てる地域医療介護総合確保基金が優先配分されることになり、上越地域での病院再編議論の本格化につながります。 上越地域では、社会減と自然減が相まって、毎年約2,000人の人口が減少しております。上越地域の医療を維持していくために、県立、厚生連、労災、市民病院等の区別に関係なく、人口減少を踏まえて将来をしっかりと見据えながら、後世に残すすばらしい医療体制と、負の遺産を残さないようにエゴを捨てながら取組を進めるべきと考えます。 そのためには、平場と中山間地を分けて考えるべきであり、まずは県立中央病院を、地域の中核病院として機能強化し、その上で、中山間地域の病院の再編等を進めるべきと考えますが、上越地域の医療再編について、知事の所見をお伺いします。 次に、現在、上越市三和区に訪問診療を専門としたメドアグリクリニックが開設され、家族の皆様からも喜ばれております。 これからの上越地域の中山間地の診療所については、訪問診療等に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。 次に、豪雪地域や過疎地域の医療については、今後オンラインになることも想定されます。一人住まいの高齢者の方々の健康相談等については、タブレット等ICTの活用を検討してはどうかということも考え、県の見解をお伺いいたします。 以上24問であります。 今まさに、個を大事にする多様化の時代、そしてICTの時代だからこそ、説明の重要性と難しさ、そして水平思考をする柔軟な考え方だと思います。また、間違ってはいけないことは、誰のために、何のために、自由とわがままだとも考えます。時代が要望する先見性を持った政策をやらないといけないと思います。 以上、私の一般質問を終わります。よろしくお願い申し上げます。(拍手) 〔知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 楡井議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、2022年産米の需給の適正化についてでありますが、2021年産米の需給調整につきましては、過去最大の作付転換が実現したものの、目標まで及ばなかった背景には、地域によって取組に対する農業者の受け止めに差があったためと認識しております。 米価の安定には主食用米の民間在庫量の適正化を図ることが重要であり、需要に応じた米作りに向けて、オール新潟でもう一段努力する必要があると考えています。 このため、2022年産については、全国需要が見込まれる大豆や飼料用米への転換を中心に、国の支援策や本定例会でお諮りしています県独自の支援策などを最大限活用していただき、各産地において需要に応じた生産が適切に行われるよう、引き続き農業団体と一体となって取組を進めてまいります。 次に、新潟県産米の需要拡大についてでありますが、主食用米と非主食用米を合わせて、新潟米全体での需要拡大を推進していくことが重要と考えています。 まず、主食用米については、消費拡大に向けたキャンペーンを流通事業者等と連携して展開するとともに、激化する産地間競争の中で、米産地としてのイメージを向上させる効果的なプロモーションを、官民一体で取り組んでまいります。 非主食用米については、議員御指摘の学校給食での米粉の活用促進や、県内事業者の商品開発や販路拡大への支援等を行うとともに、今後とも市場拡大が期待できる輸出について、現在策定を進めている新潟県産農林水産物輸出拡大実行プランの中で、米を重点品目に位置づけ、需要拡大に取り組むこととしております。 なお、学校給食における米粉パンと米粉麺の導入状況につきましては、
農林水産部長からお答えをいたします。 次に、米の在庫対策としての海外支援についてでありますが、世界の飢餓人口が増加する中、食糧援助は、我が国の国際貢献につながる取組ですが、その実施に当たっては、政府間の枠組みを定めた食糧援助規約に基づき、被援助国の意向を踏まえるとともに、自立への妨げとならないよう十分配慮して行う必要があるものと認識しています。 我が国においては、既に被援助国の要請を最大限に反映して実施され、引き続き、日本産米による支援のニーズの掘り起こしに努めると聞いており、国際ルールや財政負担などにも留意しながら、適切に取り組まれていくものと考えております。 一方、議員御指摘のとおり、米の民間在庫が大幅に積み上がっており、
新型コロナウイルス感染症の影響による増加分については、農業者等の責任ではない全国的な問題であることから、国において対策を検討する必要もあると考えております。 このため、これまでに全国知事会等を通じて、備蓄米の買入れ数量の拡充などについて国に要望するとともに、県としても、先般、農林水産省に対し、在庫解消に向けた効果的な対策の実施について要望したところです。 次に、
ミニマムアクセス米についてでありますが、
ミニマムアクセス米は、価格等の面で国産米で対応し難い加工用米等の需要を中心に充てられており、主食用米の需給に影響を与えないよう、国において運用されているものと認識しております。 一方で、農業団体と一体となって、危機感を共有しながら米の需給調整に取り組んでいる中にあって、毎年77万トンの
ミニマムアクセス米が輸入され続けることについては、私といたしましても、議員御指摘の点は心情として理解いたします。 しかしながら、この運用は平成5年に決着したガット・
ウルグアイ・ラウンド農業合意において、我が国全体としての経済的利益等を考慮し、米を関税化の対象としない特例措置を受け入れる代わりに、国内消費量の一定割合の数量について輸入機会を提供するとしたものであり、世界の貿易ルール上、やむを得ないものと受け止めております。 次に、施設園芸における
クリーンエネルギーの活用についてでありますが、
園芸振興基本戦略において、作期拡大や通年雇用の確保などを目指して、施設化を推進しておりますが、
カーボンニュートラル社会の実現に向けては、議員御指摘のとおり、施設園芸においても、
クリーンエネルギーを積極的に活用し、化石燃料の使用量を減少させていくことも重要な取組であると考えています。 このため、県では、これまでも越後姫での地中熱利用について実証を行ってきましたが、現時点では導入コストが高く、採算性に課題があることから、
クリーンエネルギーを活用した施設園芸が拡大するよう、空調システムの効率化や低コスト化などについて研究を進めてまいります。 次に、森林整備に必要な新たな財源についてでありますが、森林整備と財源のあり方検討委員会の報告書において、公益的機能の維持・保全の観点から、財源の在り方等が示されておりますが、森林整備に関しては、議員御指摘のとおり、SDGsや
カーボンニュートラル社会の実現という新たな視点も重要と認識しております。 現在、持続可能な社会実現に向けた政策に係る検討委員会において、本県の発展のために進めていくべき新たな施策の一つとして、森林整備についても、森林吸収源対策等の観点を含め、議論を進めているところです。 今後、この委員会において、こうした新たな施策についてさらに議論を深めるとともに、これに必要な財源の在り方等について議論していくこととしており、その中では、御指摘の財源についても選択肢の一つとなるものと考えております。 次に、豪雪対策についてお答えします。 まず、昨冬の豪雪を踏まえた今冬の除雪体制についてでありますが、3年前の三条地域における豪雪対応などを踏まえ、県では、地域ごとに除雪機械の増強や臨時雪捨場の確保などに取り組んできたところです。 しかしながら、昨冬の異常降雪では、関係機関の連携が不十分であったことなどが、課題として浮き彫りになったと認識しております。 このことから、大雪が予想される場合の出控え情報の発信や、道路管理者間の連携を確実に図っていくためのタイムラインの共有、管理者間の垣根を越えた相互応援の実施など、今冬の除雪体制の改善に取り組んでいくこととしております。 次に、豪雪時等における、
自主防災組織の対応力の向上についてでありますが、昨冬の豪雪など、既存の想定を上回る災害の際は、
自主防災組織等地域における多様な主体が連携し、状況に応じて臨機の対応に当たることが重要であり、そのためにはリーダーのスキルの向上をはじめ、様々な課題があると考えております。
自主防災組織の育成や活動支援は第一義的には市町村が担っておりますが、県においても、これまで、組織の立ち上げや活動活性化等に関する市町村の取組を支援してきたところです。また、昨年度からは、地域の防災活動の核となる防災リーダーに指導・助言する防災シニアリーダーの養成に、県自ら取り組んでいるところであります。 加えて、これまで豪雪地帯への支援の充実などを国に要望してきた結果、国の令和3年度補正予算において、除排雪の担い手育成や体制づくり等を支援する交付金の創設や、小型除雪機の地域への無償貸出しが措置されたところです。 今後も、
自主防災組織の対応力向上を支援するとともに、これらの施策を活用し、地域の除排雪体制の強化など総合的な雪対策に、しっかりと取り組んでまいります。 次に、
アフターコロナの経済対策についてお答えします。 まず、コロナ後の経済対策についてでありますが、県では、急激な消費の減退等の中で県内企業の事業継続や雇用維持を図るため、これまで、緊急的にセーフティーネット対策に万全を期すとともに、需要の喚起に取り組んでまいりました。 コロナ収束後においては、議員御指摘のとおり、本県産業の成長につなげていくための支援に軸足を移していくことが必要と考えています。 県といたしましては、県内産業のデジタル化を推進するとともに、起業・創業や新事業展開など意欲ある企業の挑戦を支援し、本県経済のより付加価値の高い産業構造への転換を図ってまいりたいと考えております。 次に、地域経済の活性化につながる取組への支援についてでありますが、県では、新型感染症に伴う社会経済情勢の変化に対応するため、県内中小企業が行う新商品開発や新たなサービスの提供等の前向きな取組を支援しております。 その中では、商店街のビルの再生や体験型農家レストランの開業など、地域経済の活性化につながる取組も行われているところです。 議員御指摘の
アフターコロナに向けては、このような取組の効果も検証した上で、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。 次に、人権同和問題への取組についてでありますが、インターネット上などにおいて、特定の地域を被差別部落であると流布する等の行為は、あってはならないと考えております。 このため、令和元年10月からインターネット上の差別表現のモニタリングを開始し、これまで把握した129件について、人権侵犯事案の調査及び救済を行う法務局に対し、サイトの管理者等へ削除を求めるよう要請を行ってまいりました。 県といたしましては、今後もこの取組に力を入れるとともに、インターネット上で差別的な書き込みを行わないよう、テレビ、新聞、ツイッターなどの広報媒体を通じて県民への呼びかけを強化するなど、人権同和問題に対する取組を推進してまいります。 次に、上越地域の地域医療についてお答えします。 上越地域の医療再編についてでありますが、上越地域も含め、人口構造の変化に伴う医療ニーズの変化や、医師の働き方改革などに対応するため、地域の中核病院の機能を強化するとともに、周辺病院との適切な役割分担により、新たな感染症にもしっかり対応できる、持続可能で質の高い医療提供体制を構築していく必要があります。 そのため、議員御指摘のとおり、上越地域の中核病院である県立中央病院の機能強化は重要であり、加えて、上越地域では、上越市内の人工透析医療の体制確保についても喫緊の課題となっていることから、県が4月に策定した地域医療構想の実現に向けた今後の方向性に沿って、まずはこれらの課題に取り組んでまいりたいと考えております。 失礼いたしました。1つお答え漏れがありました。 差別問題についての問いでありますけれども、市町村のひきこもり対策への支援についてであります。 ひきこもり状態にある方は、それぞれ異なる経緯や事情を抱えており、生きづらさと孤立の中で、日々葛藤されている方も多いと認識しております。 そのため、地域において、時間をかけて寄り添う支援が行われることが重要と考えております。 県といたしましては、ひきこもり支援の主体である市町村において、より相談しやすい体制や安心して過ごせる場所の整備、個々のニーズに応じた支援を行うためのネットワークの構築などが進むよう、ひきこもり対策連絡協議会の開催により取組の横展開を図るとともに、質の高い支援を行える人材を育成するための研修を実施するなど、市町村への積極的な支援に努めてまいりたいと思います。 〔防災局長熊倉健君登壇〕
◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 豪雪時の
防災行政無線の有効活用についてでありますが、
防災行政無線は、屋外スピーカーや戸別受信機を通じて音声で伝達され、文字やデータを送ることはできないため、インターネットやSNS等に比べ、提供できる情報は若干限定されますが、ふだんインターネット等を使わない方々への呼びかけ等に際しては、議員御指摘のとおり、有効なツールの一つであると考えております。 市町村では、昨冬の大雪の際も、インターネット等のほか、
防災行政無線により、降積雪の情報や出控えの呼びかけ等、適宜情報を発信していたと伺っております。 県といたしましては、今冬に向け、大雪に関する情報連絡室会議等の場を通じて、
防災行政無線をはじめ、様々なツールを活用した、効果的できめ細やかな情報発信について、市町村に呼びかけてまいります。 〔
福祉保健部長松本晴樹君登壇〕
◎
福祉保健部長(松本晴樹君) 4点お答え申し上げます。 個人医院への除雪費用の支援についてでありますが、豪雪地域の医療機関の運営においては、都市部等の地域に比べ、不利な面があると認識しており、こうした地域において診療体制を維持していくための取組が必要であると考えております。 このため、県では、市町村等が設置する僻地診療所や、巡回医療等を行う僻地医療拠点病院に対し、財政支援を行ってきたところですが、個人医院等の一次医療を担う医療機関への支援については、市町村との適切な役割分担や連携の下で対応していく必要があるものと考えております。 次に、ひきこもりの実態に関する認識についてでありますが、ひきこもりは、様々な要因の結果として社会的参加を回避し、原則的には6か月以上にわたっておおむね家庭内にとどまり続けている状態と定義されております。 内閣府が推計した調査結果を基に、本県のひきこもり状態にある方を推計すると、約1.9万人となりますが、慢性疾患の自宅療養者なども含まれており、その実態やニーズも様々であると認識しております。 また、議員御指摘のとおり、原則令和3年度末までに全ての市町村において、相談窓口の明確化や周知とともに、実態やニーズの把握を行うことが令和2年度の厚生労働省通知により求められております。 現在、実態やニーズを把握しているのは半数程度の市町村にとどまっており、県といたしましては、ひきこもり対策連絡協議会などにおいて情報提供を行うほか、市町村に対する定期的な取組状況の聴取や個別の働きかけを行い、全ての市町村で取り組まれるよう支援してまいります。 次に、上越地域の中山間地の診療所における医療の在り方についてでありますが、今後、高齢者人口が増加する中、県民が安心して安全に暮らせる県づくりを進めていくためには、地域の医療機関や市町村と役割分担を図った上で、訪問看護ステーションや介護施設等とも連携し、地域医療を守っていくことが非常に重要であります。 このため、上越地域も含め中山間地においては、訪問診療や訪問看護、巡回診療などの充実を図り、地域包括ケアシステムをしっかりと支えていくことが望ましい姿であると考えております。 次に、過疎地域等の医療に対するICTの活用についてでありますが、豪雪地域や過疎地域などの条件不利地域は、医師・看護師等の移動時間が長くなるなどの課題もあり、ICTの活用は、こうした課題に対応するための有効な手段の一つになるものと認識しております。 県では、現在、民間事業者と協力しながら、オンラインによる医療相談など、「ヘルスケアICT立県」実現プロジェクトに取り組んでいるところであり、医療アクセスを補完するため、ICTの活用を積極的に検討してまいります。 〔
農林水産部長小幡浩之君登壇〕
◎
農林水産部長(小幡浩之君) お答えします。 学校給食における米粉パンや米粉麺の導入状況でございますが、県では、市町村教育委員会等と連携しながら、学校給食への米粉パン、米粉麺の導入支援を行っているところですが、これまでの取組の結果、本県においては、米粉パンは給食を実施している学校の約9割で、米粉麺では約8割で提供されております。 近年は、児童生徒数減少の影響もあって、学校給食における米粉の使用量は横ばいとなっておりますが、米粉パン、米粉麺とも、子供たちにおなじみのメニューとして学校給食に定着してきているものと考えております。 〔土木部長金子法泰君登壇〕
◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 道路除雪状況の県民への発信についてでありますが、現在、県ではホームページやツイッター等を活用した規制情報や、ライブカメラによるリアルタイムな道路状況などの発信に努めております。 昨冬の豪雪では、道路除雪の進捗状況の問合せや苦情が多く寄せられたものの、得られた情報の整理と共有が不十分であったことや、発信手段が限られていたため、外部への情報発信の不足等が、課題として挙げられました。 このため、県といたしましては、今冬から全ての除雪機械にGPSを搭載し、稼働状況を迅速に把握するとともに、市町村等と連携した多様な媒体による情報発信やライブカメラを増設していくことなどにより、県民の皆様への的確な情報発信に努めてまいります。 〔教育長稲荷善之君登壇〕
◎教育長(稲荷善之君) 6点についてお答えいたします。 農業高校における、民間人材を積極的に活用した教育の推進についてでありますが、農業のスマート化や六次産業化などが進展する状況において、農業高校の教育にもこうした変化に対応していくことが求められており、今後、専門的な分野での高度な知見や技術を有する外部人材のさらなる活用が必要であると認識しております。 また、国の
マイスター・ハイスクール事業は、民間企業経験者をCEOに登用するとともに、地域の産業界等と連携し、地域の持続的な成長を牽引する人材育成システムの構築を目的としております。県教育委員会といたしましては、この事業における取組を参考に、各農業高校においても、地域の状況や学校に求められる期待を踏まえ、今後予定しているスクール・ミッションの策定と併せ、それぞれの農業高校の教育の在り方の検討を行うよう働きかけてまいります。 次に、農業高校における調理師免許が取得できる学科の新設についてでありますが、調理師養成施設の指定を受けるためには、農業に関する学科とは別に調理に関する専門学科を新設しなければならないことに加え、調理業務経験がある専任教員や助手の確保が必要となります。 また、学科を新設する場合には、1クラス40人を満たす志望者がいるのか把握する必要があることから、今後、ニーズなどを調査した上で対応を検討してまいります。 次に、農業高校新卒者の就農に向けた取組についてでありますが、今春、県内の農業高校を卒業して就農した生徒は4名で、そのうちの1名が農業法人に就職しております。 就農が増加しない要因としては、生徒が労働条件や習得した技術に不安を持っていることや、農業法人が農業大学校等を卒業した即戦力となる人材を求め、農業高校への求人が少ないことなどが考えられます。 今後、こうした課題に対応していくためには、生徒の技術を高める実習の在り方や就農者増加のための条件整備等について話合いが重要であり、農業高校と農業法人などとの意見交換の機会をさらに増やしてまいりたいと考えております。 次に、県立高校の跡地の利用方法についてでありますが、学校の果たしてきた多面的な役割や立地条件、周辺環境との調和などを踏まえ、引き続き地域振興のための公共的な用途として活用することは選択肢の一つと考えており、地元市町村の意向を踏まえて、利用方針や財産処分の進め方等について検討してまいります。 また、必要に応じて、地域活性化の観点から、民間企業等の意見を聞くなどしながら、早期に跡地の利活用が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、人権同和問題への取組についてでありますが、インターネットによる人権侵害等、情報化の進展に伴う様々な人権課題の解決に向け、関係機関が連携し、社会全体で取り組む必要があることから、県教育委員会では、人権教育基本方針を本年3月に10年ぶりに改定し、発達段階に応じた情報モラルや情報リテラシーの指導の重要性を示しました。 現在、この方針の周知を図りながら、校内研修や授業で活用できる手引を作成しており、今年度中に発行する予定です。 今後、この手引等を利用して、部落問題への理解を通じて同和教育を中核にした人権教育に取り組むよう、各学校に働きかけてまいります。 次に、被差別部落に関する問合せ等への対応についてでありますが、上越市は、被差別部落の情報拡散に関わる取材等が差別につながることから、教職員に対して毅然と対応するよう働きかけたものと承知しております。 県教育委員会では、小中学校の人権教育、同和教育主任研修会で、インターネットの普及により深刻化する部落差別の実態を取り上げ、人権教育の意義や教職員の役割を強調するとともに、現代的な人権課題についても計画的に取り組むよう指導しております。 なお、被差別部落の情報拡散に関わる案件については、その動向を注視し、必要に応じて、市町村教育委員会へ通知の発出を働きかけてまいります。
○議長(佐藤純君) 楡井辰雄君の質問は終わりました。 次に、小島晋君の発言を許します。小島晋君。 〔小島晋君登壇〕(拍手)
◆小島晋君 未来にいがたの小島晋です。通告に従い、順次質問いたします。 まず、教職員の勤務環境改善についてお伺いをいたします。 教職員の時間外労働に残業代が支払われていないのは違法だとして、埼玉県内の市立小学校の男性教員が、埼玉県に約242万円の未払い賃金の支払いを求めた訴訟において、さいたま地裁は本年10月1日、原告側の請求を棄却したものの、裁判長は判決で、多くの教員が一定の時間外勤務に従事せざるを得ない状況にあり、給特法は、もはや教育現場の実情に適合していないのではないかとの思いを抱かざるを得ず、原告が訴訟を通じて、この問題を社会に提議したことは意義があるものと考えると述べ、また、我が国の将来を担う児童生徒の教育をいま一層充実したものとするためにも、現場の教員の意見に真摯に耳を傾け、働き方改革による教員の業務の削減を行い、勤務実態に即した適正給与の支給のために、勤務時間の管理システムの整備や給特法を含めた給与体系の見直しなどを早急に進め、教育現場の勤務環境の改善が図られることを切に望むと付言をいたしました。 私もこの裁判長の付言については正しい見識を示したものであり、本県としても給与体系の見直し等を国に求めていく必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 このような、さいたま地裁裁判長の付言に対し、萩生田前文部科学大臣は教職員の労働環境や給与体系の見直しについて、退任会見において、司法からも改善を求められていることは重く受け止めるとの見識を示しました。 この萩生田前文部科学大臣の見識に対する知事の所見を伺うとともに、国に対し、県としても教職員の長時間労働の是正や安心とゆとりを持って働き続けられる職場環境の改善を求めるべきと考えますが、所見を伺います。 9月定例会で、文部科学省の指針で示されている時間外労働が年720時間を超える教員の削減のタイムスケジュールについて質問をいたしました。 これに対し、教育長からは、年720時間を超える長時間勤務の解消につきましては、勤務実態調査の結果から、一部の教員に業務が偏る傾向があることから、業務見直しによる学校全体の業務量の縮減と併せ、特定の教員に過度に負担がかからない業務配分の工夫について、市町村教育委員会や学校に働きかけてまいりますとの答弁がありました。 しかし、私が求めていた具体的なタイムスケジュールについての答弁はありませんでした。教職員の時間外労働削減に向けた課題は既に示されており、解消に向けた目標を設定しなければ、PDCAサイクルは回していけません。 県は、財政危機に関し、新潟県行財政改革行動計画を作成、県民へ説明と計画を示し、定期的に行動計画の進捗を公表しております。まさしく課題解決に向けたPDCAサイクルであり、なぜ県教育委員会が長時間労働の解消に向けた目標設定をしていないのか不思議でなりません。 時間外労働の削減を進めていくためには、単に市町村教育委員会へ働きかけるだけではなく、県として具体的なタイムスケジュールについて目標を立てることこそ、そしてそこに向かって行動を起こすことが重要であり、単に市町村教育委員会への働きかけだけでは進まないと考えますが、所見をお伺いします。 また、仮に具体的な目標設定が困難であるならば、なぜ困難であるのか、その理由について伺います。 2019年4月施行の改正労働基準法により、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、使用者である企業は年5日間は時季を指定し、有給休暇を取得させる必要があります。 平成30年8月10日付の公務員人事管理に関する報告や、地方公務員法第14条第1項で、地方公共団体は、この法律に基いて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならないと定められていることからも、民間企業と同様に取り組むべきと考えます。 県内の教職員の年次有給休暇取得状況を伺うとともに、取得促進に向けた取組について伺います。 次に、GIGAスクール構想について伺います。 ICT技術の社会への浸透に伴って、教育現場でも先端技術の効果的な活用が求められる時代となりました。 文部科学省が推進するGIGAスクール構想は、こうした社会の変化を受け、小中高等学校などの教育現場で児童生徒各自が、パソコンやタブレットといったICT端末を活用できるようにする取組であり、デジタル教科書や児童生徒が個別に苦手分野を集中学習できるAIドリルといったソフトと、地域指導者養成やICT支援員などの外部人材を活用した指導体制の強化も含めた3本柱で改革を推進するものとしております。 GIGAスクール構想では当初、2019年度から5年間かけて順次ハード環境を整備する予定となっておりましたが、
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、オンラインを活用した授業や学習への必要性が高まったことから、補正予算を活用して端末導入のスケジュールを大幅に前倒しし、この結果、2021年3月末には、ほとんどの小中学校で端末の導入が完了する見込みとのことでありましたが、現時点における県内小中学校及び特別支援学校の導入状況について伺います。 市町村によっては非正規教員、養護教諭、栄養教諭に端末が配付されない学校もあると聞いております。これらの教職員においても端末を活用した授業は行うことから、当然端末の配付も必要と考えます。 県内市町村における非正規教員、養護教諭、栄養教諭への端末の配付状況について伺うとともに、これらの教職員に端末を配付していない場合、学習用端末を活用した授業をどのように実施しているのか伺います。 学習用端末を活用した授業の実施について、市町村によって端末機材やドリルなど導入ソフトが異なったり、また授業時間数や市町村教育委員会による教員への研修内容も市町村によって格差があると聞いております。 この状況下において、児童生徒の市町村を越えての転校や教職員の異動などがあった場合、児童生徒の学習及び教職員の指導に支障を来すおそれもあると考えますが、所見を伺います。 学習用端末を活用した授業に際し、端末へのドリルや導入ソフトのインストール、更新作業など教職員への新たな負担が増えていると考えます。 端末を活用した授業の実施に伴い増加する教職員の負担の軽減に向け、県教育委員会はどのような対応を取られているのか、お伺いいたします。 学習用端末を活用した授業に関わる指導体制の強化策として、小中学校でのICT支援員の活用がありますが、支援員の多くは複数校を掛け持ちしているため、学校によっては週1日程度しか配置されず活用が限定的となっているものと聞いております。 現状の体制では、教員1人で児童生徒の端末状況の確認やトラブルに対応せざるを得ない場合が多く、授業の進捗や、つまずきへの支援や指導にも影響が出るおそれがあるものと考えます。 県内のICT支援員の配置状況を伺うとともに、県教育委員会として現状の体制について認識を伺います。 現在は無料であるドリルなどソフトの無償期間終了後の有償化や、市町村による学校現場でのWi-Fi環境整備、ICT支援員の配置などGIGAスクール構想の実現に伴うランニングコストの増加は、保護者や市町村の新たな負担につながることとなります。 保護者の収入状況や市町村の財政状況により、市町村間で教育格差が発生することはあってはならないと考えますが、知事の所見を伺うとともに、教育格差を発生させないため、県はどのように取り組んでいくのか伺います。 学習用端末の活用により、視覚情報や聴覚情報を得やすい授業の実施が可能となることから、特別な支援を必要とする児童生徒に対して極めて有効なツールと考えます。 県内の特別支援学校における現状の端末を活用した授業への取組状況について伺います。 次に、カーボンニュートラルに向けた本県の取組について伺います。 本県は、県地球温暖化対策地域推進計画において、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指し、再生可能エネルギー導入促進、省エネ強化、吸収源対策、国等と連携したイノベーション等に取り組むとし、国は地球温暖化対策計画の目標の中で、家庭由来のCO2排出を約66%削減し、家庭の省エネを進めるとしております。 家庭由来のCO2排出削減に向け、日常生活に関連して発生するCO2の削減にも目を向けるべきであり、その一つとして宅配の再配達問題があるものと考えます。 近年、ネット通販が大きく伸びておりますが、特に物販系分野のBツーC-ECは、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で市場規模が大幅に拡大し、本県においても、私が試算したところ、宅配個数は2020年推計で約9,500万個、そのうち再配達率は国土交通省宅配便再配達実態調査によれば10%であることから、県内の再配達個数は950万個となり、それに伴うCO2排出量は年間4,535トンと推計されます。 また、再配達に伴う労働時間について、年間約210万時間で1日8時間、年間250日稼働とすると約1,050人に相当する労働力が再配達に費やされていることを意味し、再配達が宅配ドライバーの長時間労働や人手不足につながっていると考えます。 また、今後も物販を中心としたネット通販は伸びていくことと予想されることから、今後も増え続ける再配達による社会的損失の発生を抑えるためには、宅配ドライバーの人材確保、長時間労働解消対策やCO2の削減に向けた早急な取組が必要と考えます。 本県においても、トラックドライバーは宅配便再配達の増加を背景として、依然長時間労働が深刻な状況であり、運輸業界の人手不足は大きな課題であります。 この解消は、長時間労働等の労働条件の改善につながることから、早急に県としても取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺うとともに、今後の具体的な取組について伺います。 宅配便の再配達を防止する手段の一つとして、不在でも納品できる宅配ボックスの設置があります。戸建て用の宅配ボックス設置の実証実験が、2016年12月から2017年3月、共働きの多い福井県あわら市で行われました。 その結果、設置前は再配達率が49%であったものが、設置後には8%にまで減少し、対象とした約100世帯において、4か月で約1,000件の再配達が減少し、これだけでもCO2145キロ、労働時間220時間分が削減されたものと推計されます。 また、利用者の多くは、設置前には宅配便の受け取りについて、ストレスをかなり感じる32%、やや感じる66%と、多くの人がストレスを感じており、設置後は、かなり改善された68%、やや改善された26%となりました。 高齢者にとっては、配達の人が訪問しても、すぐに玄関には出ていけないために、大きな負担となっているという意見もあり、利便性以外にも利用者にとってのメリットが報告されております。 私の試算では、新潟県において、仮に県内の再配達が1%減少すれば、CO2453トン、労働時間21万時間分近くが削減される見込みです。 国も配達の効率化に向けて、公営住宅、UR賃貸住宅等への宅配ボックスの設置促進を行っていますが、県としても管理している公営住宅への宅配ボックスの整備を進めることにより、再配達を削減し、再配達の増加による社会的損失の発生を防止し、CO2削減に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。 次に、国は民間住宅に対しても宅配ボックスの設置工事に関する支援を行っております。 また、福岡市では宅配便の再配達を抑えてCO2の排出を削減することを目的に、民間住宅における宅配ボックス購入に対する補助制度を設けています。 福岡市のように本県としても、CO2排出削減のために、民間住宅への宅配ボックスの設置支援等を行い、宅配便の再配達を抑えていくべきと考えますが、所見を伺います。 国は地球温暖化対策計画の中で、2030年度の目安として、家庭由来のCO2排出の約66%削減が必要であるとしており、家庭部門の省エネを進めるとしています。そのための取組として、住宅の省エネルギー化等の取組が記載されております。 しかし、宅配便の再配達の増加による悪影響も深刻な状況にあることから、このような日常生活由来のCO2排出削減に向けた取組も一層強化するよう国に求めていくべきと考えますが、所見を伺います。 国土交通省・環境省・経済産業省は今年8月、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた住宅・建築物の対策を、脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方として取りまとめ、2030年に目指すべき住宅・建築物の姿として、新築される住宅・建築物における省エネ・再エネの確保や、新築戸建て住宅の6割において太陽光発電設備の導入が示されました。 まず、この2050年カーボンニュートラルの実現に向けた住宅・建築物の対策の取りまとめについて、県としての受け止めと今後の取組について伺います。 脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方にも目指すべき姿として、新築戸建て住宅における太陽光発電設備導入に言及されております。 本県においても、引き続き太陽光発電設備導入促進に取り組んでいくべきと考えますが、本県の県営施設及び民間戸建て住宅における太陽光発電設備の導入状況について伺います。 太陽光発電は天候に大きく影響されることから、住宅におけるカーボンニュートラルの実現のためには安定的な電源確保は欠かせません。 FITの価格も当初より下がり、売電より自宅消費したほうがメリットが大きいとも言われております。 そこで、太陽光発電と蓄電池をセットで設置することにより、災害時にも電源確保ができるメリットに加え、天候不良時や夜間でも安定的な電源供給ができるものと期待されます。 よって、防災の観点のみならず、住宅におけるカーボンニュートラルの実現の観点からも太陽光発電と蓄電池セットの助成制度をつくるべきと考えますが、所見を伺います。 再生可能エネルギーの一つとして地熱発電があります。二酸化炭素をほとんど排出せず、また地中深くにあるマグマによる生じた熱をエネルギー源とするため、エネルギーが枯渇する心配がなく、太陽光発電や風力発電とは異なり、安定して発電できる発電方式として注目をされております。 1996年には国内の地熱発電設備が50万キロワットに到達し、世界有数の地熱発電技術を持った国となりました。 さらに、東日本大震災をきっかけとして再生可能エネルギーに注目が集まり、安定的な発電を強みとする地熱発電に期待が寄せられていますが、環境エネルギー政策研究所が作成した資料によると、2019年度における日本全体の電源構成の0.2%しかありません。 地熱発電は2030年に電源構成の1%から1.1%を担う予定となっているため、今後、国内でも建設が進むものと考えます。 本県における地熱発電の可能性について所見を伺うとともに、地熱発電所誘致に向けた課題について伺います。 COP26では、2040年までにガソリン車の新車販売を停止し、全てをゼロエミッション車とする宣言にイギリスなど24か国の政府等が署名しました。 日本やアメリカ、中国などの主要国は参加しなかったものの、経済産業省が策定した2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略においては、遅くとも2030年代半ばまでに、乗用車新車販売で電動車100%を実現するとしております。 このことから、今後、電気自動車が増えることは間違いなく、それに伴い早急に増設が必要となるのが充電ステーションであります。 電気自動車が1回当たりの充電で走行できる距離は約400キロで、通勤や買物など、ふだん使いには適しているものの、長距離運転の場合は、充電できる場所をその都度確認しながら運転する必要があるのが現状であります。 充電ステーションは、道の駅やショッピングセンター、自動車販売店、行政庁舎にも設置されるなど箇所数は増えているものの、充電ステーションにより使用時間帯の制限や使用する際の許可の必要性、充電時間は急速充電でも80%充電で約30分、普通充電では8時間と待ち時間が非常に長くなることなど、利用者からは利用したいときに利用できないといった話を聞きます。 県は新潟県次世代自動車充電インフラ整備ビジョンを作成し、充電ステーション増設に向けた取組を行っているところですが、電気自動車の普及には充電ステーションのさらなる増設が必要と考えます。 県内の充電ステーションの設置状況と増設に向けた今後の取組と課題についてお伺いいたします。 最後に、選挙事務及び投票率向上に向けた取組について伺います。 このたびの衆議院議員選挙の期日前投票においては、投票用紙の誤交付や交付漏れなどのミスが過去最多の計8件発生したとして、県選挙管理委員会は10月29日、市町村選挙管理委員会書記長会議をオンラインで緊急開催し、今後の投票事務に万全を尽くし、誤りを生じないよう全投票所に徹底することを改めて要請いたしました。 これら8件の事務誤りは、選挙事務従事者の確認誤りや思い込みといった単純な原因によるものが多く、各担当者が個々の事務について十分注意を払い、一つ一つの事務を確実に行うことにより防ぐことができた事案だとされていますが、その後も、比例代表の最終有権者数の集計ミスや衆議院議員選挙と同時に行われた最高裁裁判官国民審査における誤りがあったと報告されました。 このたびのミスを担当者の確認誤りや思い込みといった単純な原因として終わらせず、各市町村選挙管理委員会におけるケアレスミスのチェック体制の強化といった対応などが必要と考えますが、県選挙管理委員会としての今後の再発防止対策についてお伺いをいたします。 このたび、衆議院議員選挙において、県選挙管理委員会が事前運動のおそれがあると指摘したチラシが、その後、新聞折り込みや多量にポスティングで配布される事案がありました。 なぜ、県選挙管理委員会が事前運動のおそれがあると指摘したにもかかわらず、これらのチラシが新聞折り込みや多量にポスティングされる事態となってしまったのでしょうか。やった者勝ちの状況は好ましいものではありません。 このたび、県選挙管理委員会が事前運動のおそれがあると指摘したチラシが、新聞折り込みやポスティング等で配布される事案となったことに対する県選挙管理委員会の所見を伺うとともに、今後の再発防止に向けた対応についてお伺いをいたします。 総務省は、このたびの衆議院議員選挙で、商業施設など利便性の高い場所で投票できる共通投票所が、前回の2017年の約10倍となる過去最多の18自治体、68か所、当日の投票所は1,275か所減少したと発表いたしました。 本県は、平成の大合併を起因とする市町村数の大幅な減少に伴い、従来の投票所数よりも減少し、かつ投票所が遠くなったとの声も聞きます。 総務省の投票環境の向上方策等に関する研究会報告では、国政選挙・地方選挙を通じて投票率が低下傾向にある中、有権者が投票しやすい環境を一層整備し、投票率の向上を図っていくことは、引き続き重要な課題である。投票環境における制約から有権者に有効な投票機会を提供できていない側面があるのであれば、公正確保に留意しつつ、少なくともそのような制約についてはできるだけ解消、改善し、有権者一人一人に着目したさらなる投票機会の創出や利便性の向上に努めていくべきであると示されました。 また、これに先立つ中間報告では、期日前投票所を駅構内や商業施設など頻繁に人の往来がある施設に設置し、投票率向上等の効果を上げている事例が見られるとされ、若年層の投票率向上に関し、親が投票に行く姿を子供に見せることで、投票を習慣化させる動機づけを与えることが重要との指摘もされております。 とりわけ商業施設等であれば、親子連れで訪れていることも十分想定され、子供が選挙、投票に接する機会が生まれるものと考えます。 また、そのような場所に設置された期日前投票所が多くの有権者、特に若年層の目に触れること自体、一定の啓発効果があると考えます。 費用についても共通投票所は、同じ自治体の有権者であれば投票が可能で、二重投票を防ぐためのシステム導入で経費はかかるものの、既存の投票所を共通投票所に集約することで人件費の削減ができると聞いております。 本県における商業施設など利便性の高い場所で投票できる共通投票所の設置状況について伺うとともに、若年層の投票率の向上を図るためにも、積極的に駅構内や商業施設等に期日前投票所を設置するなど、期日前投票の利便性向上に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。 このたびの衆議院議員選挙では、期間中に、高校生の投票率アップへバス移動投票所とのタイトルで、多くのメディアが全国の市町村選挙管理委員会で行っている取組を報道しました。 学校内に駐車したバスの車内に投票所を設置した秋田県大仙市や岩手県八幡平市などの取組であります。 また、高校の空き教室などを利用した移動期日前投票所の設置は、本県柏崎市や茨城県稲敷市などで実施され、実際に投票した生徒からは、選挙で投票したことで、市民の一員なのだということや、国の政策に関われたということをすごく感じた。学校で簡単に投票ができ、こういうことが増えていけば、若い世代の投票率が上がっていくのではないかとの好意的な反応があったとのことです。 投票所の設置を受け入れた学校長は、生徒にとっては、まず1回投票することがとても大事だ。試みが投票率のアップにつながればとコメントしております。 本県においても全県で取り入れるべきと考えますが、所見を伺うとともに、導入に向けた課題についてお伺いし、質問を終わります。(拍手) 〔知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 小島晋議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、教職員の給与体系についてでありますが、教職員には、時間外勤務手当に代えて、勤務時間の内外を包括的に評価するものとして教職調整額を支給することとなっておりますが、中央教育審議会が指摘したように、教職員の勤務実態と乖離している面があることから、教育委員会では全国都道府県教育長協議会等を通じて、給与制度の見直しについて国へ要望していると聞いております。 国においては、令和4年に勤務実態調査を実施した上で、見直しを検討するとしていることから、今後の検討状況を注視してまいりたいと考えております。 次に、教職員の労働環境等の見直しについてでありますが、前文部科学大臣の見解は、学校における働き方改革を推進して教職員の負担を軽減することが、文部科学行政における重要課題の一つであることを、この判決を受けて改めて表明したものと受け止めております。 教育委員会からは、全国都道府県教育長協議会を通じて、業務改善のための体制整備を内容とした学校における働き方改革の取組を、文部科学省に要望していると聞いています。 今後、文部科学省では、勤務実態調査を行い、教職員の労働環境について、業務の整理や効率化等の観点から検討する予定であり、教育委員会にはこの結果を踏まえ、有効な対応を行ってもらいたいと考えています。 次に、GIGAスクール構想についてお答えします。 教育格差を生まない取組についてでありますが、本県では、一人一人を伸ばす教育を基本理念として、質の高い豊かな教育の推進に取り組んでおり、ICTはこの理念を実現するための重要な手段の一つであると考えています。 新潟県版GIGAスクール構想でお示ししたとおり、本県では、ICTを効果的に活用した教育が県全体へ普及することを目指しており、教育格差を生まない取組が必要であると受け止めています。 なお、具体的な取組につきましては、教育長からお答えいたします。 次に、カーボンニュートラルに向けた本県の取組についてお答えをいたします。 まず、運輸業界の人手不足解消についてでありますが、議員御指摘のとおり、トラックドライバーの長時間労働の解消は重要であることから、県といたしましては、国が行う長時間労働の改善などの事業者支援に対して、さらなる充実を要望するとともに、運輸関係団体等とも連携をした人材確保にも取り組んでいるところです。 なお、具体的な取組については
交通政策局長からお答えをいたします。 次に、県営住宅における宅配ボックスの設置についてでありますが、議員御指摘のとおり、宅配ボックスの設置については、再配達を防止する手段として、入居者の利便性向上はもとより、CO2削減にも効果があるものと認識しています。 県といたしましては、県営住宅の大規模改修工事等に併せて、入居者ニーズなどを把握しつつ、設置について検討してまいります。 次に、民間住宅における宅配便の再配達を抑える取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、民間住宅への宅配便の再配達に対しましても、宅配ボックスの設置等の取組により、配達に由来するCO2の削減を期待できるものと認識しています。 県といたしましては、これまでも宅配便の再配達を抑えるため、県民の皆様に配達の日時指定やコンビニエンスストアでの受け取りなど、普及啓発を行ってきたところでありますが、今後、宅配ボックスの設置について関連団体等とも連携をしながら検討してまいります。 次に、日常生活に由来するCO2の排出削減の取組強化についてでありますが、県では、脱炭素社会の実現に向けて、県民の理解とライフスタイルの転換が必要不可欠であることから、これまでも国に対し、地球温暖化対策の必要性等について、分かりやすい形で発信するように要望してまいりました。 議員御指摘のとおり、国に対して今後とも、宅配便の再配達の抑制も含めた日常生活由来のCO2排出削減に向けた取組をより一層強化するよう求めていくとともに、県といたしましても、県民の理解と行動変容につながる取組を実施してまいります。 次に、国における脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方の取りまとめについてでありますが、議員御指摘のとおり、この取りまとめにおいては、2030年には新築戸建て住宅の6割に太陽光発電設備の導入を目指すことなどが示されており、国の掲げた温室効果ガス排出削減目標達成に向け、不可欠のものと考えております。 県といたしましては、カーボンゼロ実現戦略プロジェクトチームにおいて、こうした国の太陽光発電設備導入の考え方等も踏まえ、本県の気候に適した建築物や住宅のゼロエネルギー化に向けた具体的な戦略の検討を行っているところであり、今後、これらの促進に取り組んでまいります。 次に、太陽光発電と蓄電池セットの助成制度創設についてでありますが、議員御指摘のとおり、太陽光発電設備と蓄電池を併せて設置することにより、災害時や夜間にも電源供給が可能となることに加え、電力の自家消費促進など家庭における脱炭素化に効果があるものと認識しております。 県といたしましても、カーボンゼロ実現戦略プロジェクトチームにおいて、こうした設備の設置促進に関する施策について検討を行っているところです。 〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕
◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 本県の県営施設及び民間戸建て住宅における太陽光発電設備導入の現状についてでありますが、現在、県営施設では、574施設のうち県庁本庁舎をはじめ8施設に太陽光発電設備が導入されています。 また、民間戸建て住宅につきましては、平成30年度の国の統計によれば、全国では約7%、県内では約2.3%の導入率となっています。 〔
産業労働部長佐野哲郎君登壇〕
◎
産業労働部長(佐野哲郎君) 2点についてお答えいたします。 地熱発電の可能性と誘致に向けた課題についてでありますが、地熱発電の立地に必要である資源の賦存量について、国と県で調査を実施した結果、県内に一定のポテンシャルが確認されました。 このうち、松之山温泉地区では令和2年12月に発電所が開所され、また、妙高山東部地区では、開発に向けて、事業者と妙高市が連携して地元理解を進めつつ、地表調査等を実施しております。 地熱発電所の開発は、他の電源開発と同様に丁寧な地元理解が必要であることに加えまして、資源の存在を確認するための調査に時間とコストが必要になります。 県といたしましては、こうした課題を踏まえながら、引き続き地熱発電の導入に向けた支援を行ってまいります。 次に、電気自動車用充電ステーションの設置状況と増設についてでありますが、県内の充電器設置状況は、令和3年10月現在で、急速充電器174基、普通充電器316基の合計490基となっておりますが、今後の増設に向けた課題として、現時点で充電器運営に採算性が見込めない地点が多いこと、利用者が少ない施設において老朽化更新が困難であることなどが挙げられます。 このため、県といたしましては、さらなる充電器増設に向け、離島地域を対象とした充電器等の設置に対する補助に関する予算を9月補正で計上し、実施しているところでございます。 また、課題の解決につながる利用者増加に向けて、EVやPHVの普及促進のための啓発活動などに引き続き取り組むとともに、国のEV充電設備導入支援等の活用を促してまいります。 〔
交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕
◎
交通政策局長(佐瀬浩市君) お答えします。 運輸業界の人材確保に向けた具体的な取組についてでありますが、運輸事業者と求職者のマッチングをより一層促すため、バス、タクシー、トラックの各協会から成る協議会が行うセミナーや、SNSなどを活用した情報発信に対して支援を行ってきたところです。 また、各協会に加え、県、運輸局、労働局なども参画する運輸分野人材確保対策推進連絡協議会も組織しており、引き続き、関係機関と緊密な連携の下、効果的な人材確保に努めてまいります。 〔
選挙管理委員会委員長天井貞君登壇〕
◎
選挙管理委員会委員長(天井貞君) お答え申し上げます。 選挙事務のミス事案の再発防止対策についてでありますが、このたびの衆議院議員総選挙において、市町村選挙管理委員会が設置する期日前投票所や投票所において、投票用紙の交付誤りなどのミス事案が多数発生したことは、誠に遺憾であります。 当委員会といたしましては、ミス発生に至った原因等の検証や、全国のミス事案の研究を行った上、市町村職員を対象とする研修会を開催することで、議員御指摘のチェック体制の強化を含め、再発防止を徹底させてまいりたいと考えております。 次に、選挙の公正確保に向けた取組についてでありますが、選挙は、民主主義の根幹をなすものであり、公正に行われることが何よりも重要であります。事前運動についても公職選挙法で一切禁止されているものであり、あってはならないものと考えております。 一方で、違法であるか否かの認定は司法当局に委ねられており、実行前に公職選挙法上の見解を求められた場合、選挙管理委員会は違法のおそれがあると指摘することはできますが、当該行為自体をやめさせる権限までは有しておりません。 当委員会といたしましては、公正な選挙の確保に向け、引き続き、立候補予定者や政党等関係団体に対して、違反のないきれいな選挙の要請や、事前運動を含む選挙運動全般の規制事項の周知に努めるとともに、警察とも緊密に連絡を図りながら適切に対応してまいります。 次に、投票の利便性向上への取組についてでありますが、共通投票所につきましては、投票日当日に、あらかじめ決められた投票所とは別に、当該市町村の選挙人名簿に登録されている者であれば、誰でも投票できる投票所であり、平成28年の参議院議員通常選挙から導入されました。 導入に当たっては、二重投票を防止するセキュリティーの高いオンラインシステムの整備などの課題があることから、導入に慎重な市町村が多く、このたびの衆議院議員総選挙において、全国で11道県、68か所の設置にとどまっており、県内では共通投票所を設置した市町村はありません。 また、商業施設等への期日前投票所の設置につきましては、前回平成29年衆議院議員総選挙での長岡市1か所から、今回は長岡市、新発田市及び上越市の3市で合わせて4か所と設置が拡大いたしました。 当委員会といたしましては、市町村選挙管理委員会との意見交換などを通じて、先進的な取組などを紹介しているところであり、引き続き、投票環境の向上に向け設置を働きかけてまいりたいと考えております。 次に、学校での移動期日前投票所についてでありますが、県内では、柏崎市が令和元年の参議院議員通常選挙から移動期日前投票所を設置しており、このたびの衆議院議員総選挙では、設置箇所を増やし、県内で初めて高等学校1校にも設置しました。 柏崎市の取組は、若年層の政治意識の醸成や投票率向上の観点から、意義があるものと考えており、こうした先進的な取組を市町村選挙管理委員会に情報提供するなどして、設置を促進してまいりたいと考えております。 一方、導入に当たっては、学校関係者の理解のほか、人員や機材の確保などの課題があるところであります。 以上であります。 〔教育長稲荷善之君登壇〕
◎教育長(稲荷善之君) 9点についてお答えいたします。 教職員の時間外労働削減に関するタイムスケジュールについてでありますが、現在、服務監督権者である市町村教育委員会が教職員の勤務時間の上限方針を定め、業務削減を進めているところであります。また、小学校における教科担任制の導入や、部活動の地域移行など、教職員の勤務環境に影響を与える取組が進められていることや、文部科学省による勤務実態調査に基づいた労働環境改善のための検討が予定されており、国の動向を注視する必要があることから、現段階で県教育委員会がタイムスケジュールを一律に示すことは難しいと考えております。 しかしながら、長時間勤務の解消は喫緊の課題であることから、県教育委員会としましては、市町村教育委員会による取組の進捗状況を確認し、必要に応じて市町村教育委員会に働きかけるとともに、学校訪問の際に学校長に対する助言・指導を行ってまいります。 次に、教職員の年次有給休暇取得促進についてでありますが、令和2年における年次有給休暇の取得状況は、県立学校では平均11.1日、市町村立学校ではサンプル調査ではありますが、平均8.4日となっております。 県教育委員会といたしましては、今後も年次有給休暇を取得しやすい職場の雰囲気づくりや、長期休業期間における学校閉庁日の設定、会議や研修の精選など、ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた取組を県立学校の管理職に徹底するとともに、市町村教育委員会に対しては、小中学校においても、このような取組が行われるよう働きかけてまいります。 次に、学習用端末の導入状況についてでありますが、現時点で、県内全ての小中学校及び特別支援学校の小中学部において、児童生徒に1人1台の学習用端末が整備されております。 次に、非正規教員等への端末の配付状況と授業での活用についてでありますが、11月末現在で、半数程度の市町村が、非正規教員等へ端末を配付しております。 配付していない市町村では、養護教諭や非正規教員等が授業を行う場合、各学校で整備されている予備の指導用端末や空き時間となる正規教員の端末を使用していると聞いております。 次に、転校や異動等に伴う学習や指導への支障についてでありますが、児童生徒の転入等があった学校では、その児童生徒の学習進度や使用していた端末を確認し、必要に応じて個別に指導を行っていると承知しております。 また、教職員の異動については、機種によって操作性の違いがあるものの、授業で使用する基本ソフトには互換性があるものが多く、各学校や市町村教育委員会が必要に応じて研修を行ってサポートをしていくものと考えております。 県教育委員会では、県内で使用している機種ごとの操作マニュアルや、授業での効果的な活用を紹介する動画を教育支援システムで提供し、支援しております。 次に、導入ソフトのインストール等に係る教職員の負担軽減についてでありますが、小中学校においては、市町村で整備した端末に管理システムを導入し、ソフトの一括インストールや、OSなどの自動更新を行えるようにしており、各学校が個別の事情で、必要とするソフトをインストールする場合は、ICT支援員等が訪問時に行っていると承知しております。また、県教育委員会では、教職員の負担軽減に向け、教育支援システムを通じてデジタル教材等を提供するなど、主にICTを活用した授業づくりの支援に努めております。 県立学校においても、整備した端末に管理システムを導入し、端末管理に関わる教職員の負担を軽減しております。また、ICT支援員を全ての学校に週1回程度派遣し、端末管理の補助等を行うとともに、電話によるサポートデスクを設置し、ICT機器の設定に加え、学習におけるICT活用の相談等にも広く対応しております。 次に、ICT支援員の配置状況と現状の認識についてでありますが、11月現在、新潟市を除く28市町村で、ICT支援員やGIGAスクールサポーターが130人配置されております。 現状の体制につきましては、文部科学省が示す4校に1人の配置基準を満たしていない市町村もあることから、活用状況を分析し、必要に応じて体制の整備を働きかけてまいります。 次に、教育格差を生まない取組についてでありますが、ICTを活用した教育の重要性から、市町村においても必要な予算措置が行われることが望ましいと考えております。 一方で、それぞれの市町村の財政状況は異なることから、県教育委員会といたしましては、端末の保守管理等に係る経費や更新時の費用及びICT支援員等の拡充などに対する国による財政支援の拡充を、引き続き要望してまいります。 加えて、全ての児童生徒が家庭学習で端末を活用できるよう、国による低所得世帯への通信費の支援を拡充するよう都道府県教育長協議会等を通じて、働きかけてまいります。 次に、特別支援学校における学習用端末を活用した授業への取組状況についてでありますが、障害による学習上の困難さを補うため、学習用端末を活用し、障害に応じて、教科書の文字を音声に変換したり、教師の指示などの音声情報を視覚化することにより、学習への理解がより深まっております。 さらに、障害の重い児童生徒が、学習用端末に加え、入出力支援装置を活用することで、視線や指の僅かな動きで意思表示が容易となり、教師が個々の理解度を確実に把握しながら、指導を進められるようになってきております。
○議長(佐藤純君) 小島晋君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。 午前11時59分 休憩 ――
――――――☆―――――――― 午後1時 開議
○副議長(小島隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、秋山三枝子君の発言を許します。秋山三枝子君。 〔秋山三枝子君登壇〕(拍手)
◆秋山三枝子君 私は、
リベラル新潟の秋山三枝子でございます。 これまで何度となく男女共同参画について、この場で質問を繰り返してまいりました。 先日の代表質問で片野議員が、人口減少対策について、女性の地位向上問題等を含めて質問いたしました。新潟県の女性の生きづらさについて、家父長制度、アンコンシャス・バイアス、性別による無意識の思い込みなどで語り、同世代の男性から発せられた言葉として、新鮮な思いで伺いました。 今日の私の最初の質問項目も男女共同参画です。片野議員と少し違う切り口から質問させていただきます。 政治分野における男女共同参画の推進に関する法律、いわゆる候補者男女均等法が平成30年5月に施行されて初めての衆議院議員選挙が去る10月31日に実施されました。全候補者に占める女性の割合は、4年前と同水準の17.7%でした。 国では、全会派が一致して男女均等を目指すとされ、当時は202030という掛け声の下、2020年に30%を目指すとされました。今はトーンダウンして、2020年代に30%を目指すとされていますけれども、当選した女性は前回の10.1%を下回る割合の9.7%でした。 この分野における政権与党の姿勢は特に情けないと言わざるを得ません。 もう聞き飽きた数字ですが、世界経済フォーラムがまとめたジェンダーギャップ指数ランキングで日本は、政治分野で156か国中147位とほぼ最下位に近いくらいの水準です。 この選挙結果について、知事の所見を伺います。 一方、県内の地方議会、県議会議員と市町村議会議員ですけれども、県内地方議会においては候補者男女均等法施行後、女性議員の割合は確実に増えております。候補者男女均等法施行後の平成30年8月は55人でしたけれども、3年後の今年7月には82人、現在は83人になり、選挙の都度、女性議員が増えております。 しかし、いまだ女性議員ゼロの関川村、そして10%以下の議会、女性議員1人の長岡市、南魚沼市、三条市、五泉市、加茂市、阿賀野市、胎内市などが13議会あります。 候補者男女均等法では、地方公共団体の責務もうたわれております。もはや自然増に期待しているだけでは女性議員割合を3割とする目標達成は困難と考えます。各地方公共団体や議会に女性議員フォーラムや女性模擬議会など、きっかけとなる学びの場などの開催を働きかける必要があると考えます。 候補者の男女均等に向けて、県としてどのような施策が必要と考えるか、所見を伺います。 今年、候補者男女均等法はハラスメント防止策を盛り込んで改正されました。女性議員が増えない要因とされるセクシュアルハラスメント、マタニティ・ハラスメントの防止策を政党や国及び地方公共団体等に求める内容です。 ハラスメントを受けても相手が有権者や支持者の場合はなかなか訴えにくく、多くは我慢することで問題が見えにくいのが現実です。県内の女性地方議員が増える一方で気になっている点です。 改正法では、問題発生を防ぐ研修の実施、相談体制の整備、また議会を欠席する要件として妊娠・出産及び育児、介護も例として挙げ、議会活動との両立を支援する体制整備も求めていますが、法改正を受けて県として強化すべき施策は何か、所見を伺います。 来年度に向けた組織改正案の中で、県民生活・環境部の廃止に伴い、男女平等施策の推進等に関する業務が知事政策局に移管される検討がなされています。 先日、新潟県女性議員の会で行政改革課長、男女平等社会推進課長から参加いただき、情報交換会を行いました。男女平等施策の推進等に関する業務は、総合的な企画立案機能が必要で、部局横断的な取組を推進するため体制を強化するとされており、当日も同様な考えをお示しいただき、また大渕議員の代表質問でも統括する政策監の増員を図り強化する方向性が示されました。 しかし、男女平等社会推進という文言が県の組織からなくなることは、施策の後退につながるものであると危惧する声もあります。 上越市においては何度も名称とともに立ち位置が変わり、施策の後退も否めませんが、現在は自治・市民環境部・共生まちづくり課・男女共同参画推進センターの中に係として名称をとどめ、何とか踏ん張っております。 施策推進のため、現在の課の名称である男女平等社会推進の文言の存続を願う声が大きいですが、所見を伺います。 男女平等推進施策において、県の体制変更に併せて実務機能を担う公益財団法人新潟県女性財団の役割が大きくなります。女性活躍施策や団体支援に加えて、困窮する女性への支援施策や相談機能など、ネットワークや専門性が求められる幅広い内容の取組が女性財団に求められるのではないかと考えます。 コロナ禍で浮き彫りになった女性を取り巻く多くの課題、例えば独り親世帯で困窮割合が高いとされる女性、シングルマザーは一番切られやすいサービス分野での就業が多く、子ども食堂やフードバンクなど民間団体の動きに支えられているものの、駆け込み寺的な支援窓口は必要で、つくっていかなければならないとの意見も出されています。 これらの課題等に向き合うには、これまで以上に人材、資金、情報等の充実が欠かせません。今後の施策推進に向けた財団の機能強化について、見解を伺います。 男女共同参画社会基本法第17条に苦情の処理等として、政府の施策についての苦情の処理及び人権が侵害された場合の被害者の救済がうたわれています。制度の意義があまり周知されておらず、漫然とした不満は抱えつつもそれが男女共同参画に関する課題であると気づきにくい現状があります。 最近受けた相談ですけれども、事案について話し合う場で、女性1人に対して、向き合う担当者が全て男性で配慮がないとのことでした。 このような事例は、施策への苦情とは趣旨が違うようでございますが、本県の施策に関する苦情の申出の現状を伺うとともに、制度の周知及び意識啓発を図るための今後の具体的取組を伺います。 男女共同参画の推進は、人口減少の中で、若い女性が就業や子育てにおいて、本県を選んでもらうために欠くことのできない施策と考えます。 先日、地元紙の記事に目が留まりました。花角知事が北海道と東北6県知事と共に、女性活躍推進に向けた北海道・東北地方・新潟県知事共同宣言~輝く女性 ほくとう宣言~の発出とあります。コロナ禍でも性別にかかわらず、住みやすく働きやすい環境づくりを進めていくために発出したと書かれていました。 組織改正の中で男女平等社会推進課を知事政策局に移管し分野横断的に施策を推進する、なおかつ女性財団の機能強化も図るという知事の強い意気込みが感じられ、とてもうれしく感謝申し上げます。 他県より子育てがしやすく女性の社会参画がバックアップされている、と若い世代の共感が得られるような積極的な目標が必要と考えますが、所見をお伺いします。 次に、子供・女性の心と体について伺います。 子供への性暴力の報道が増え、これまで声を上げられなかった人たちによるカミングアウトも増えております。 これまで何度か質問いたしました。例えば子供への暴力防止プログラムの導入促進や教職員への啓発活動などです。しかし、残念ながら、子供が性被害に遭う危険性はSNSの普及に併せて高まっています。子供自身が自分の身を守らざるを得ません。 子供への性暴力を防ぐためには子供の成長に合わせた性教育が欠かせません。ユネスコなどは生殖から人権、ジェンダーなどの包括的な性教育を5歳から段階的に教えるよう求めていますが、日本では文部科学省の
学習指導要領で妊娠の経過については扱わないと定め、性教育が遅れていると考えます。 家庭の役割、学校の役割、いろいろ考えられますが、県として多様な機関と連携し、幼児期から思春期まで系統立てた性教育の確立に向けた検討をすべきと考えますが、所見を伺います。 コロナ禍により学校で過ごす時間が減り、いじめは減少傾向に転じたものの、県内の不登校が2020年度調査で過去最高の3,112人、前年より332人増加したと聞きます。 児童生徒数は減少しているのに、なぜ不登校数は増えているのか、様々な対策を講じ、現場でもあの手この手で対応に取り組まれているのに、なぜ学校に行けない・行かない子が増えているのか、学齢期の子を持つ親からの声です。 コロナ禍により変化した教育環境、家庭環境の中で、不安定な状況にある子供が増えたのではないかと懸念しますが、2020年度の不登校の状況をどのように捉え、今年度の対応に生かしているのか伺うとともに、次年度に向けた取組を伺います。 新潟県いじめ等の対策に関する条例が施行されて1年になります。昨年、総務文教委員会で集中審議が行われ、発議、可決されました。条例では、いじめ及びいじめ類似行為を定義、子供たち同士の関係で、心身の苦痛を感じている及び行為を知ったときに心身の苦痛を感じる蓋然性の高いものとし、インターネットを通じて行われる行為を含むとしました。 条例施行により、インターネットを通じて行われるいじめ等の未然防止の推進が期待されていますが、文部科学省の2020年度調査で、児童生徒間のインターネットを使ったいじめ件数が過去最多になったとあります。 インターネットによる県内のいじめの現状を伺うとともに、条例が施行されたことで、県、学校、保護者、児童生徒にどのような変化があったのか伺います。 三重県ではネットいじめが低年齢化していることから、これまで以上にネットリテラシーに関する教育の必要性があるとして、小学生向けの教材を作成中と聞きます。子供たちが被害を受けたり、意図せず加害者になったりすることを防ぐために必要な取組と考えます。 今や児童生徒は全て情報端末を持ち、子供同士がインターネットでやり取りする機会も増えています。一方で悪口や嫌がらせをする行為も増え、インターネット絡みで命を落とした可能性のある事例も生まれています。 県のいじめ等の対策に関する条例でもインターネットを通じて行われるいじめ等の未然防止等の条項で、児童等に対するインターネットの適切な利用に関する教育及び保護者への啓発活動を行うものとするとされています。 本県のネットリテラシーの現状と課題を伺うとともに、中長期的にどのような展望を描いているか、お伺いします。 長岡市の放課後児童クラブ運営見直しの記事が地元紙に掲載されました。県内20市で唯一利用料が無料で注目されてきましたが、利用者の増加によりサービスの拡充も含めて料金も検討されるとありました。 最近では発達障害や食物アレルギーへの対応、長時間過ごす場での活動の充実など、運営に高いスキルが求められています。働きながら子育てをする若い世代にとって、放課後児童クラブの充実は欠かせません。 これまでも県内の放課後児童クラブの現状に関して利用料金の自治体間の多寡や、配慮が必要な児童の利用増加への支援等を質問してまいりましたが、制度として放課後児童クラブの設置運営は各自治体の裁量に任されており、県はこれまで研修等への支援を行ってきました。 しかし、女性の就業率が全国でも高い本県において、働くことと子育ての両立に頑張る若い世代へのエールとして、より積極的な支援の拡充が必要と考えますが、所見をお伺いします。 県内各地で子ども食堂が展開されています。コロナ禍で一時的に休止しつつも工夫を凝らし活動を再開、食事だけでなく様々な課題を抱えた子供たちの相談や支援の場所として、子ども食堂の役割は年々増しております。 子ども食堂の全国団体である、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえでは、子ども食堂の定義を、子供が一人でも安心して行ける無料または低額の食堂とし、子供を中心にした多世代交流の地域拠点と役割を説明しています。 県は開始時の設備導入支援を行ってきましたが、多くの団体は寄附や助成金を頼りに、ぎりぎりの運営を行っていると聞きます。 フードバンクとの連携やJAからの支援などの広がりに合わせて、県内の子ども食堂をサポートするための官民連携プロジェクトも始まりました。 県の積極的な関わりを期待しますが、所見をお伺いします。 児童相談所の一時保護機能について、第三者の目を入れる取組が広がりつつあります。 先駆的な事例として、兵庫県明石市の取組があります。児童相談所による子供の一時保護が妥当かを確認する第三者委員会を、市の条例に基づいて設置し、委員が子供と面会し妥当性を評価、意見を児童相談所に伝えるというものです。 国の有識者会議では、一時保護する際に新たな司法審査を導入すべきとの報告書を今年4月にまとめ、11月には厚生労働省が児童相談所の一時保護に司法審査を導入する案を示しました。 一方で、第三者として専門的に判断できる人材が不足していることが課題とされています。 私も子供が一時保護された保護者から相談を受け、児童相談所と情報共有したケースがありますが、児童相談所と保護者の見解の相違については軽々しく判断できないと痛感いたしました。 子供の人権を守りつつ的確な対応につなげるために、本県での今後の取組の方向性について、所見をお伺いします。 子宮頸がんの原因となるウイルスへの感染を防ぐHPVワクチンについて、接種の機会を逃した女性が無料で接種できるよう、国では対象年齢の課題も含め準備が進められております。来年度からの接種の積極的勧奨の再開が決定いたしました。 先日の小林議員の代表質問に対し、医師会等医療関係機関と対応について意見交換をしたとの答弁がありましたが、今後、各市町村は個別通知や予診票の発送などを担い、併せて保護者や本人からの問合せも増えることが予想されます。 対象者の不安を和らげるために、自治体担当者や養護教諭、対象者とその保護者への適切な情報提供を行う必要性があります。 県としてどのような対応が検討されているか、見解を伺います。 2021年版自殺対策白書により女性の自殺増加が明らかになりました。コロナ禍により非正規雇用の割合が高い女性が職を失うなど苦境に陥り、自らの命を絶つ深刻な状況が浮かび上がったと言われております。 具体的には、増加が顕著だった女性の自殺の中で、被雇用者・勤め人が大幅に増え、原因・動機では勤務問題が最も大きく増加したとあります。 県内では男性が11人減少したのに対し、女性が14人増加し153人とありました。 これまで様々な取組が行われ減少傾向にあった中で、女性の増加は特に対策が急がれると考えます。緊急的な対応、今後の取組を伺うとともに、県の受け止めをお伺いいたします。 次に、県政の諸課題についてお伺いします。 本庁組織改正の検討の中で、県民生活課社会活動推進係が総務管理部へ移管される予定とあります。社会活動推進係は社会活動促進指針にのっとり、県民の社会活動参加と多様な主体の協働による共助社会の実現を推し進める役割を担い、これまで県内各地のNPO・市民団体等の中間支援組織と連携を図ってまいりました。 平成10年にNPO法が施行された当時、担当課は、法人設立相談・認証の実務を一手に引き受けておりました。現在は法人認証実務がほとんど市町村に権限移譲され、近年は多様なセクターとの協働促進や各地の支援センターの人材育成に力を注いでいたと認識しております。 今回の総務管理部への移管により事務中心となり、施策推進が後退するのではないかと懸念する声もあります。SDGsの目標達成に向けても、官民連携による協働は欠かせないと考えますが、所見をお伺いします。 国のGIGAスクール構想により教育現場のデジタル化が急速に進められています。小中学校では1人1台の整備が進み、県内の高校においても現状は3人に1台であるものの、1人1台が検討されていると聞き、機材配置や環境整備は計画的に進められていると考えます。 一方、今年度予算で、ICT機器を活用するに当たりICT支援員が配置され、訪問での機器の管理やICT活用授業の支援を行っています。 しかし、現場では準備期間が短く、支援活動が機能していないところもあると聞きます。現状及び課題認識、今後の対応をお伺いします。 新潟県過疎地域持続的発展方針に基づく、県過疎地域持続的発展計画の策定が年度内を目指して進められています。県内の過疎地域等の市町村では、年内を目途に市町村の過疎計画を策定する予定としていますが、県の役割として、特に今回、新たに県の過疎方針に加えられた移住・定住・地域間交流の促進及び人材育成、情報化の推進への支援が期待されております。 過疎地域では人口減少・高齢化により、発展より維持が精いっぱいという声も聞かれますが、若い世代の移住や外からの刺激により、少しずつではありますが、新たな動きも芽生えております。 県の過疎計画においては、どのようなことを重点的に取り組んでいくのか、所見をお伺いします。 地方への移住・定住に向けた取組が盛んであり、上越市においても上越妙高駅前にローカル5Gの拠点が整備され、高田地区商店街では町家を改修したコワーキングスペース等の整備が複数進んでおります。 多様な雇用の創出、ネットワーク、情報の発信基地など新たな取組に期待が大きいですが、人通りの少ない駅前や商店街の現状に、せっかく整備した拠点の利用者確保や活用の広がり等について懸念する声もあります。 今後の移住・定住の促進に向けた県の支援について、所見をお伺いします。 質問は以上で終わりますが、最後に上越地域にIターン・Uターンした若い世代の話を少しさせていただきます。 先日、市民セクター全国会議が上越、東京、仙台、大牟田をオンラインで結んで開催されました。テーマは、変容する社会と市民活動の広がりで、地方での変化や今の動きについて登壇者が語りました。上越会場で登壇した4人は全員若い子育て世代です。 一人は、100年を超す映画館、世界館の支配人の上野さん。自分の好きなこと、やりたいことで地域の人を巻き込み、雁木町家、100年映画館で全国からのファンを呼んでおります。 もう一組は、糸魚川市の屋村靖子さん、祥太さん御夫婦。能生地区の長者温泉ゆとり館という長年、集落運営されていた温泉つきの拠点を集落から引き継ぎ運営しております。東京で楽しく勤めていた2人。東日本大震災で何もできない自分の無力に気づいた靖子さんが、生きるすべを身につけたいと、雪国で最も不便なところとして選んだのが糸魚川市でした。夫は田舎暮らしに興味なく東京に残り、2拠点生活を2年続け、その後合流。今は1歳の娘さんと共に、自分たちのペースや家族の時間を大切にしながら、コロナ禍で生まれた娘を地域で育ててもらった。自分たちもそんな地域をつないでいきたいと話します。 もう一人は、関西出身で妙高市に移住した諸岡さん。妙高市の専門学校で学び、地域おこし協力隊を経て、14世帯の小局集落で古民家宿を立ち上げました。パートナーも津南町で古民家を所有、夫婦で1軒ずつ築140年以上の古民家を所有し、こちらも津南町と妙高市の2拠点居住です。 4人とも自然体な生き方で地域になじんでいる点、活性化はしません、地域おこしではなく地域を残すことをやっています。今あることを引き継ぐ作業ですという言葉が印象的でした。 コロナ禍により東京から地方への移住が増えていると言われますが、単純に都会から地方へではなく、もっと根源的な生き方、誰とどんなふうに生きていきたいのかなのだと深く考えさせられました。 若い世代はもう既に動き始めているのだと気づかされ、勇気をもらいました。 選ばれる新潟県でありたいと切望し、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 〔知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 秋山議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、今回の衆議院議員選挙における女性の当選結果についてでありますが、今回の選挙結果そのものについては、民意の表れと受け止めております。 一方で、一般論でありますけれども、女性議員が増え、政策の立案及び決定過程に女性が参画する機会が増えることは、多様な意見が政策に反映されていくという観点から、重要であると考えています。 先般、北海道・東北6県・新潟県の知事が共同で発出しました、女性活躍推進に向けた宣言においても、政策・方針決定過程への女性の参画拡大を1番目の項目として掲げたところであります。 次に、男女平等推進施策を所管する組織の名称についてでありますが、平成14年に制定しました新潟県男女平等社会の形成の推進に関する条例においては、男女共同参画社会基本法に定められた男女共同参画社会の形成を通じて男女平等の達成を目指す、という趣旨をより明確にするため、条例の名称に男女平等社会を使用したものと承知しております。 組織名称については、時代の変化に合わせて変更すべきという声もある一方で、この条例制定の経緯を踏まえ、女性団体等からは組織名称に男女平等社会を残すよう要望があることも承知しております。 来年度の組織改正は、より全庁的な取組を展開するために部局横断的な推進体制を整備することを目的としておりますが、男女平等社会の形成を目指すという本県の条例の理念を踏まえつつ、名称も含め、分かりやすいものとなるよう検討してまいりたいと考えております。 次に、公益財団法人新潟県女性財団の機能強化についてでありますが、このたびの組織改正による県の男女平等施策の推進体制の強化に伴い、議員御指摘のとおり、実務機能を担う女性財団の役割が大きくなることから、女性財団は男女平等施策の実施主体として困窮する女性への支援や相談機能などの強化を図ることが重要と認識しており、県といたしましては、必要な人的支援や財政的支援を行うことを検討してまいります。 次に、男女共同参画の推進に当たっての目標の設定についてでありますが、今年度中に策定する、県の次期男女共同参画計画において、新潟が若者、特に女性から選ばれる地となるよう、新たな重点目標として女性の県内定着、U・Iターンのための環境整備を掲げ、魅力ある良質な働く場の確保や女性の働きやすさの向上、U・Iターンの受入れ体制の充実などを促進してまいりたいと考えております。 また、子育て環境の充実を引き続き重点目標とし、地域における子育て支援や保育環境の充実などに取り組んでまいりたいと考えております。 今後、計画の重点目標ごとに目標指標を設定することとしておりますが、議員御指摘の点も踏まえまして、適切な目標指標を検討してまいりたいと考えております。 次に、子供・女性の心と体についてお答えいたします。 まず、放課後児童クラブへの積極的な支援の拡充についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県では女性の就業率が全国と比べて高く、利用児童数も年々増加しており、仕事と子育ての両立支援の観点からも、放課後児童クラブの充実は重要であると認識しております。 このため、県では、障害のある子供や食物アレルギーにも対応した研修を行っているほか、実施主体である市町村に対し、国の制度に基づき、利用児童数の増加等に対応するための受皿の整備や、運営に係る費用を支援しております。 また、長時間過ごす場での活動を充実するための取組事例などを集約し、会議や研修等の機会を通じて紹介するなど、放課後における児童の適切な環境づくりに向けて、市町村の創意工夫による取組が充実するよう支援してまいりたいと思います。 次に、子ども食堂への支援についてでありますが、女性の社会進出の増加や核家族化、地域コミュニティーの衰退等の社会情勢の変化による子育てニーズの多様化、また、
新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、支援を必要とする方に適切な支援を届けるためには、行政だけではなく、新たな支援の担い手である子ども食堂の役割は重要であると考えています。 このため、議員御指摘のとおり、これまで開設や食品配布の取組を支援してきたところであり、さらに、今年度からは民間企業等と連携をし、子ども食堂が継続的に県民や企業からの支援を受けられる仕組みを構築する取組を開始したところです。 今後も、地域におけるボランティア活動としての自主性、自立性を尊重しながら、関係機関との連携を深めることにより充実した活動がなされるよう、県として積極的に支援をし、地域の子供を地域で育てる環境の整備に取り組んでまいりたいと思います。 次に、児童相談所一時保護所における第三者評価等の取組についてでありますが、児童虐待相談対応が増加する中、個別対応を要する保護児童への支援などを行う一時保護所において、子供の最善の利益を守るためには、自己評価や、外部からの専門的な評価を取り入れる第三者評価等の取組は重要であると認識しております。 このため、令和2年4月施行の改正児童福祉法において、都道府県は児童相談所の業務の質の評価を行うことにより、その業務の質の向上に努めることと規定されたことを受けまして、本県においては、まずは、各児童相談所一時保護所において自己評価に取り組んでいるところであり、第三者評価の導入については、先行している他県の事例を参考に、来年度から実施できるよう検討しているところであります。 次に、女性の自殺対策についてでありますが、女性の自殺の背景には、経済生活問題や勤務問題、介護疲れなど、様々な問題が潜んでおりますが、
新型コロナウイルス感染症流行下において、そうした問題が深刻化し、女性の自殺者数の増加に影響を与えている可能性があると言われており、女性に着実に届く対策が必要と考えております。 県といたしましては、今年度新たに、
新型コロナウイルス感染症の流行で不安やストレスを抱える方などに向けた専用相談窓口を設置するとともに、女性等をターゲットにしたユーチューブ広告や、フリーペーパー等の新たな広報媒体も活用した、こころの相談ダイヤルの周知に努めているところです。また、市町村等関係機関と連携をし、介護者等が必要な支援につながるような地域づくりにも取り組んでおります。 今後さらに、生活困窮者対象の専門家による相談会の開催や、包括協定企業との連携による相談窓口の周知を行うなど、自殺対策の強化を図ってまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えをします。 官民連携による協働の推進についてでありますが、NPOや市民団体、行政、民間企業など、多様な主体が連携し、互いの強みを生かしながら社会的課題の解決に取り組むことは、重要であると認識しております。 県では、セミナーの開催や情報発信により、協働の意識啓発やつながりの機会の創出に取り組んでいるところであり、組織改正後においても、引き続き中間支援組織と連携し、協働を推進してまいりたいと考えております。 〔
知事政策局長小岩徹郎君登壇〕
◎
知事政策局長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 県過疎地域持続的発展計画の取組についてでありますが、県では、本年4月に施行された新たな過疎法を踏まえ、8月に県過疎地域持続的発展方針を策定し、この中で、議員御指摘の移住・定住・地域間交流の促進や情報化の推進について新たに明記したところです。 現在、この方針に基づき、県計画の策定を進めておりますが、これら2項目につきましても施策の柱と位置づけて事業を実施していくこととしており、具体的には、地域おこし協力隊の確保や定住率向上に向けた支援、登山道など携帯電話不感地域の通信環境整備支援などを検討しているところです。 引き続き、年度内の計画策定に向けて取り組んでまいります。 〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕
◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) 3点についてお答えいたします。 県内地方議員に女性議員を増やすための、県としての施策についてでありますが、議員御指摘のとおり政治分野における男女共同参画の推進に関する法律では、国及び地方公共団体は、実態の調査及び情報の収集、啓発活動、環境整備、性的な言動等に起因する問題への対応、人材の育成等を行うこととされております。 県といたしましては、県民アンケート調査結果や国からの情報なども活用しながら、政治分野における男女共同参画の推進に向けて、県政出前講座などによる各種情報の提供や、女性ロールモデルの紹介など、引き続き様々な施策を推進してまいります。 次に、セクハラ・マタハラ防止の施策についてでありますが、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律のこのたびの改正では、国及び地方公共団体に対して、公選による公職等にある者及び公職の候補者について、性的な言動、妊娠または出産に関する言動等に起因する問題の発生の防止を図ることなどが求められているところです。 執行部といたしましては、改正法に基づき問題の発生防止や適切な解決を図るため、研修の実施や相談体制の整備などの施策が講じられるよう、関係部局と連携して取り組んでまいります。 次に、新潟県男女平等社会の形成の推進に関する条例に基づく苦情の申出制度についてでありますが、条例において、県民及び事業者は、県の施策に関する苦情を県に申し出ることができること、県は、苦情の申出の処理に当たり必要がある場合は、男女平等社会推進審議会の意見を聴くことを規定しており、これまでに5件の申出があったところです。 また、当該制度については、県ホームページに制度概要などを掲載しておりますが、これに加え、県庁の行政情報センターや地域振興局の県民サービスセンターなどにリーフレットを配置し、さらなる周知・啓発を図ってまいりたいと考えております。 〔
福祉保健部長松本晴樹君登壇〕
◎
福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 HPVワクチンの積極的勧奨の再開決定についてでありますが、子宮頸がんが若い女性の健康を奪っているという事実や、副反応が起こる頻度、各国のワクチン接種状況などを正しく普及啓発することは県の担う役割として重要であると認識しております。 県といたしましては、昨年11月に大学や県・市の医師会、小児科医会、産婦人科医会等とHPVワクチン接種に関する情報提供の在り方や接種後の体調不良を訴える患者を診療する医療体制について意見交換を行ったところです。その後も、国の方針を踏まえ、最新情報を関係機関で共有するなど、問題意識を持って取り組んでまいりました。 HPVワクチンについては、先月、国が積極的勧奨について決定したばかりであり、今後の普及啓発等の詳細についてはまだ国から示されておりませんが、県といたしましては、積極的勧奨の再開に向けて、接種機会を逃した人へのキャッチアップ接種などを含めて国の動向を注視しながら、県民への普及啓発に努めるとともに、市町村や医師会等と連携し、相談・医療体制の充実にしっかりと取り組んでまいります。 〔
産業労働部長佐野哲郎君登壇〕
◎
産業労働部長(佐野哲郎君) お答えします。 移住者受入れに向けた支援についてでありますが、県では、これまで、移住者受入れ施設の整備や、地域の団体が行う移住者のネットワークやコミュニティーづくりなど、ハード・ソフト両面から、市町村が行う移住・定住促進のための取組を支援してきたところでございます。 議員御指摘の事例をはじめとしまして、県内において、コワーキングスペース等を核とした移住者の呼び込み、人や地域のネットワークづくりを積極的に行っている取組も見られることから、先進事例の共有など市町村との連携も図りながら、県全体でU・Iターン者の受入れ体制が一層充実されるよう取り組んでまいります。 〔教育長稲荷善之君登壇〕
◎教育長(稲荷善之君) 5点についてお答えいたします。 幼児期から思春期までの系統立てた性教育の確立についてでありますが、性教育は、児童生徒が性に対して正しく理解し、適切な行動を取れるようにするため、発達段階に応じた教育を行うことが重要であると考えております。 現在、
学習指導要領に基づき、中学校では、生殖に関わる機能の成熟が始まるという観点から受精・妊娠について、高等学校では、さらに避妊等の家族計画や人工妊娠中絶による心身への影響等について、系統的な教育が行われていると認識しております。 なお、国では、性暴力を防ぐための教育を普及させるため、現在、教育機関における実証を通じた指導モデルを作成しており、県教育委員会といたしましては、今後、この指導モデル等を活用して性教育の充実に努めてまいります。 次に、不登校の状況と対応などについてでありますが、昨年度の不登校児童生徒数は、小中学校で過去最高となりました。平成29年の教育機会確保法施行以降、増加傾向にあり、加えて昨年は、
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う変則的な新学期の始まりにより、新しい環境での仲間づくり等が十分にできなかったことが要因の一つであると考えております。 こうした状況を踏まえ、家庭訪問やスクールカウンセラー等による相談の早期実施、相談窓口の周知徹底に加え、新たな不登校の未然防止のため、各学校に児童生徒が安心して過ごせる学級づくり・絆づくりの実施を改めて促したところです。 今後は、未然防止と初期対応の啓発を目的とした不登校対応リーフレットの配布のほか、ICTを活用した学習支援等、教育機会の確保に向けてさらなる支援を進めてまいります。 次に、ネットによるいじめの現状と条例施行後の変化についてでありますが、11月末までに県立学校から報告のあったいじめ事案のうち、インターネットに関連するものは102件あり、昨年同期に比べ24件増加しています。 これまで、条例の施行を受け、学校、保護者、児童生徒に対し、条例の特徴の一つであるいじめ類似行為が規定されたことなどをリーフレットにより周知するとともに、今年7月に新潟県いじめ防止基本方針の改定を行い、学校が行うべき対応の徹底を図ってまいりました。 この結果、SNSによるものも含め、児童生徒から学校にいじめ類似行為などの相談や報告が行われるケースもあり、条例の趣旨が徐々に浸透してきているものと認識しております。 次に、ネットリテラシーの現状と課題などについてでありますが、義務教育段階においては、主に道徳、学級活動によりインターネットを適正に活用できる考え方や態度を身につけるとともに、自分や相手を思いやり、個人情報を拡散しないなどの情報モラル教育を行っております。 情報化社会がさらに進展する中、児童生徒には、情報モラル教育を含めたネットリテラシーを身につけることが、これまで以上に求められていると認識しております。 現在、小学校高学年以上を対象とするSNS教育プログラムを作成しており、年度末に各学校に配付することとしています。その後もネットリテラシー教育の充実の観点から、各学校での授業実践を踏まえた検証によりプログラムの充実と改良を重ねてまいります。 次に、ICT支援員による支援の現状等についてでありますが、小中学校におきましては、11月現在、新潟市を除く28市町村で、ICT支援員等が130人配置されておりますが、文部科学省が示す4校に1人の配置基準を満たしていない市町村もあることから、学校におけるICT機器の活用状況を分析し、必要に応じて、体制の整備を働きかけてまいります。 県立学校におきましては、ICT支援員を原則週に1日派遣し、ICT機器の管理補助や活用助言、校内研修会での指導等の支援を行っております。 支援の状況につきましては、派遣が始まった7月は機器の設定等が中心でしたが、夏季休業後は授業での操作補助や学習に係るソフトの活用支援も増加しており、各学校でICT支援員が有効に活用されているものと考えております。 今後は、学校におけるICT活用の進捗やICT支援員の活用状況を踏まえ、事業期間の延長も含め、ICTの活用が進むよう支援の方策を検討してまいります。
○副議長(小島隆君) 秋山三枝子君の質問は終わりました。 次に、青柳正司君の発言を許します。青柳正司君。 〔青柳正司君登壇〕(拍手)
◆青柳正司君 自由民主党の青柳正司であります。通告に従い、順次質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 まず、脱炭素社会実現に向けた取組についてであります。 花角知事が、脱炭素社会への転換について、県政の重要課題として取組を強化、推進されていることに敬意と賛意を表したいと思います。 知事は、県環境対策推進本部の本部長となられるとともに、この推進本部の下にカーボンゼロ実現戦略プロジェクトチームを設置し、部局横断による脱炭素社会の実現に向けた戦略の検討を進められております。 本県が我が国の重要なエネルギー拠点であり続け、また、本県の成長につなげていくという姿勢を頼もしく思っております。 私も、循環型社会の構築に資する取組の強化、推進に少しでもお役に立てることができるよう、以下何点かの要望を含む質問をさせていただきます。 脱炭素社会実現には、国をはじめ、県・市町村の取組は重要でありますが、やはり家庭や企業との連携も重要であります。民間が排出するごみや廃油等を、エネルギーを生み出す資源として活用する取組についてお尋ねいたします。 民間と自治体の連携により、水素を製造し、その水素と家庭から出た廃油を混焼し発電する、水素の活用による高い燃焼効率とCO2の排出抑制に加え、廃油という資源の有効活用などにつながる効果的な取組が他県で行われています。 本県においても、民間と自治体が連携し、脱炭素社会実現に貢献する水素を用いた新たな取組を促進すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、県内企業の水素に関わる取組促進に向けた、先進事例等を紹介するシンポジウムを開催してはどうか、併せてお伺いいたします。 二酸化炭素から燃料を作る研究が熱を帯びてきました。大気中や火力発電所、ごみ焼却施設などの排ガスから二酸化炭素を回収し、再利用する技術をカーボンリサイクルというそうです。まさに二酸化炭素活用の循環型社会構築として、課題は多くありそうですが、夢の取組と思い、お尋ねいたします。 排ガス中などのCO2を回収し、地中に埋めたり再利用するCCUSへの注目が高まっていますが、本格普及には技術革新によるコスト低減などが不可欠であり、本県として技術開発支援など、積極的に推進すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 水素の利活用は、脱炭素社会実現に向けては重要なポジションであります。一方、水素爆発があるように、長所を生かしつつ短所にどう対処していくのか検討される事柄は多様でありますことからお尋ねいたします。 水素の貯蔵に当たっては、爆発や引火の危険性や、体積密度が低く、貯蔵効率が悪いなどの特性があり、貯蔵方法も多種で一長一短となっています。水素の利活用に力を入れる本県として、水素を安全で事業者が扱いやすい貯蔵方法の普及など環境整備に向けて、どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。 県内では水素を燃料として使うための環境が整っていない現状がありますが、県がイニシアチブを発揮し、本県の関連する事業者の意欲を高めることは重要と考えますことからお尋ねいたします。 水素の一般利用は、脱炭素社会実現に向けて重要と考えますが、県内の状況を見ると、FCVの導入数は少なく、水素ステーションも1か所しか設置されていません。今後さらなる促進を図るために、公用車へのFCVの導入や水素ステーションの設置の加速化が求められますが、どのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。 水力発電は、発電量が水面の高低差や水量などにより変動が生じることから、平野地域や水路幅の小さいところでは導入が難しいとされてきました。しかしながら、水資源を今まで以上に有効活用していくための施策推進は重要との視点からお尋ねいたします。 水資源が豊富な本県では水力発電の開発ポテンシャルは高く、また、近年は少ない水量でも効率的に発電できる技術開発が進み、導入のハードルも下がってきていると認識しています。脱炭素社会実現に向け、さらなる取組の強化を図っていくべきと考えますが、県内の小水力発電施設の設置の可能性と推進に向けた知事の所見をお伺いいたします。 私は一般質問で、下水処理場に関する質問を様々な角度からお尋ねしておりますが、今回は下水処理汚泥の利用についてお尋ねいたします。 全国的に見て、下水処理で発生する汚泥は増加傾向にある中、その汚泥の主な活用方法となっているセメントについては需要が減少傾向となっており、下水処理汚泥の新たな活用方法を検討する必要があります。脱炭素社会実現にも貢献する固形燃料化など下水汚泥の活用を検討、推進すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 農林水産業は、自然を相手にする産業であることから、二酸化炭素の吸収源となるだけでなく、炭素を貯留する役目も担っているようです。まず、農業分野における炭素貯留の取組についてお尋ねいたします。 土壌中の炭素貯留量を年間0.4%増加させることで、人類が毎年大気中に排出するCO2と同じ量を封じ込めることができる4パーミルイニシアチブの取組について、山梨県では果樹園での剪定枝を炭化し、土壌に施用するなど炭素貯留の取組を認証する制度を今年度からスタートさせました。 本県は広大な水田を有しており、水田での炭素貯留の取組を進めることで、脱炭素社会実現に貢献できると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 全国の人工林の過半が50林齢を超え、森林の高齢化が進んでいます。高齢化が進むと、CO2吸収量が低下してしまいます。森林の荒廃に歯止めをかけなければ、地域の安全確保や脱炭素社会実現の壁となるおそれがあることを懸念し、お尋ねいたします。 脱炭素社会実現に向け、CO2吸収源となる森林は非常に重要な役割を果たしますが、手入れされた森林でなければ吸収源として国際的に認められません。国内の人工林約1,000万ヘクタールのうち、既に2割程度は吸収源に算入できないとの見方もあり、機械化による生産性の向上や複雑な所有権の整理など取り組むべき課題が多い中で、防災など幅広い観点から官民が力を合わせて適切な施業を進める必要があると考えますが、今後どのように森林管理を進めていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 林業は、農業、水産業と同様の、後継者や担い手不足の問題に加え、境界線未確定問題や、輸入材価格との競争のあおりを受けて、活性化に向けては難題が山積しています。この状況を打破するために、国や県市町村の取組が期待されるわけであります。 条件不利人工林等の適切な管理につながる森林経営管理制度を市町村が積極的に活用していくことは、県が推進する脱炭素社会実現に向け重要な取組と認識していますが、県内市町村の活用状況についてお伺いいたします。 また、制度のさらなる活用を図っていくために、どのような課題があり、それを解決するために県としてどのような支援が必要と考えているか、所見をお伺いいたします。 二酸化炭素の排出削減対策の取組は重要でありますが、一方、二酸化炭素吸収の取組も重要との観点からお尋ねいたします。 政府が6月に閣議決定した森林・林業白書において、CO2吸収量のうち約9割を森林が占め、森林や木材利用により、2050年に温室効果ガス排出実質ゼロを掲げる政府目標の実現に寄与すると明記されています。 本県においても、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指すに当たり、森林整備を促進し炭素を貯蔵する木材利用が重要な位置づけとなりますが、どのような取組をもって県産木材活用の拡大を図っていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 新型コロナウイルスの流行に伴う世界的な木材価格の高騰、ウッドショックを機に、本県林業の課題についてお尋ねいたします。 川上と呼ばれる森林伐採業者から担い手不足などを理由として、木の供給が滞っています。また、川中の木材を加工する製材工場も小規模なものが多く、増産に対応できていない課題もあり、大規模な乾燥機械整備促進も重要と考えます。 伐採業者の担い手不足や、製材工場が小規模で増産に対応できない等の理由から、ウッドショックによる急激な木材需要に対して、県産木材の供給が十分にできていないとのことでありますが、ウッドショックを好機と捉えて、今後どのようにして各事業者が連携できる環境を整え、県産材の生産・供給能力向上を図っていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 太陽光発電パネルの利用後の処理について課題が浮き上がってきました。再生可能エネルギー施策の先頭的に推進され、全国に急拡大してきたことから、今後、大量の発生が見込まれる廃棄パネルの処理方法についてお尋ねいたします。 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入に伴い、急速に設置された太陽光パネルについて、2030年代に廃棄が急増することが見込まれています。しかし、現状では、埋立処理が中心でリサイクルの仕組みが確立されていないとのことでしたが、再資源化する仕組みを構築し、循環型社会の推進につなげることが重要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 今冬は、原油価格の高騰により、住宅等の暖房費をはじめ、園芸作物栽培ハウスの適温調整にかかる重油代にも大きな影響が見られます。燃料費の安定には、地下資源の地下水熱の利活用が効果があるとの思いからお尋ねいたします。 地中熱は住宅やオフィス、さらには農業用ハウスの冷暖房への利活用に効果的でありますが、現状を見ると普及が進んでいないものと受け止めています。灯油、重油価格の高騰は、経営や家計に大きく影響を与えることから、再生可能エネルギーの地中熱の利活用促進に向けた取組支援は重要と考えますが、所見をお伺いいたします。 本県には、水素を利活用する技術的優位性があります。石油、天然ガス等の産出高は、我が国の中では有数な県でありましたが、現在においてもその資源活用技術は最先端であり、加えて、採掘された後の枯渇ガス田を再活用することに大きな期待があります。その一例としての実証実験についてお尋ねいたします。 水素利活用拠点として、本県は一段と力を入れ取組を強化していく中で、INPEXでは長岡鉱場から回収したCO2と水素を反応させ、メタンを合成するメタネーションの新たな実証実験を2024年度後半から行うとの報道がありました。この取組は世界最大規模となる見込みで、先進的な取組が県内で行われることになります。この取組に対する知事の所見をお伺いいたします。 国土交通省は本県の新潟港など全国125の主要な港湾で、自治体や事業者と連携して、脱炭素化計画を策定するとのことでありますが、これに連動した本県の取組についてお尋ねいたします。 県と北陸地方整備局が本年3月にまとめた新潟港におけるカーボンニュートラルポート形成に向けた方向性では、具体的な取組の検討例として、荷役機械等のFC化や水素ステーションの整備、火力発電への水素混焼などが挙げられているところですが、これまで検討を進めてきたオン・ドック・レールをはじめとしたカーボンニュートラルポート形成に向けた具体的な取組状況についてお伺いいたします。 次に、農業施策についてであります。 米を主軸とした本県農業が大きく揺らいでいるとの新聞報道がありました。稲作農家の収入は米価によって大きく左右され、米の需給バランスが重要な鍵を握っていることから、
新型コロナウイルス感染症による影響はまれではあるかもしれませんが、本県農業政策にとりましても、重要かつ深刻な課題と受け止めながら、お尋ねいたします。 コロナ禍による需要減少のあおりを受け、過去最大の非主食用米等への転換を図った今年産の新潟米は作柄がやや不良であったことから、価格は持ち直しつつあるものの、農家収入は減少が見込まれています。大規模な経営体ほど収入減少のダメージは大きく、農地の集積を推進してきた本県農業施策の取組が揺らぎかねません。高齢化等により農業従事者が減少する中、担い手の規模拡大は重要な施策の一つと受け止めていますが、今後どのようにして大規模経営体の育成を図っていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 日本人の主食である米は、古来より貴重な穀物としてあがめられてきたわけでありますが、かつて食の多様化などから、米が何か悪者扱いされたようなことがありました。しかし、今では米に含まれる栄養素が見直され、さらに食以外での活用価値も見いだされ、例えばワクチン製造への利用など、幅広く研究がなされていると認識しております。米生産に新たな意義が見いだされるのではないかとの思いからお尋ねいたします。 令和3年産米については、全国で過去2番目、本県では過去最大の作付転換が行われ、単年度で見ると需給環境が改善する見込みとなっていますが、全国的に令和2年産米を中心とした過剰在庫が多く、今後も厳しい需給環境が継続することが予想されています。令和4年の本県産米においては、さらなる作付転換が求められるところですが、新たな米の利用方法を積極的に検討、研究し、需要を新規に掘り起こすことも重要と考えますが、現在の取組状況をお伺いいたします。 農林水産業の持続性と生産向上の両立を目指し、化学農薬の使用量半減や有機農業の面積拡大、デジタル技術を活用した効率的な生産体制構築などを目標とした、農林水産省が進める脱炭素などの取組についてお尋ねいたします。 国は、2050年の農林水産分野のCO2排出量ゼロなどを目指す、みどりの食料システム戦略の実行に向け、新法を制定する方針を固めました。全国でのモデル地区創設や技術開発への財政支援が柱で、中長期的な取組を後押しするとのことですが、国の新法制定に向けた動きに対する県の受け止めについてお伺いいたします。 私の近所で知人が、障害のある方々を、にいがた地鶏の飼育作業に従事してもらおうと尽力しておられます。当局の御指導には感謝しておりましたが、今後、事業を進める上で、様々な御苦労があるのかなと思います。農福連携の取組については、委員会視察等を通じて、様々な課題があると受け止めており、お尋ねいたします。 障害のある方が農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す農福連携を促進していくためには、障害の特性を理解し、作業を細分化・単純化することの重要性や取組事例などを紹介するなど、専門人材の育成や農業・福祉の相互理解を図ることが重要と考えますが、県の取組状況をお伺いいたします。 次に、交通事故及び犯罪の防止についてであります。 交通事故や事故死傷者が多い、信号機がない場所での横断については、危険性が高くなります。私は車の運転中、横断歩道の手前では特に注意を払って通行しておりますが、歩行者が横断しようとしているか否かの判断がつきにくい場合があります。歩行者の意思表示の重要性も踏まえ、お尋ねいたします。 全国的に交通事故死者に占める歩行者の割合が高いものと認識していますが、本県の近年における歩行者事故の発生状況をお伺いしますとともに、本年4月に、交通の方法に関する教則が改正され、手を上げるなど歩行者側も横断の意思を示すこととされましたが、県警察では、歩行者事故を減らすためにどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 交通事故の中で、横断歩道での事故の割合は少なくありません。特に視覚障害者の方にとって、音響式信号機は横断時の安全性が高まりますが、設置はごく一部に限られます。 また、一部の音響式信号機は夜間になると、近隣の病院や高齢者施設などに配慮して、音声を停止する信号機がありますが、夜間は運転手の視界も狭くなり、交通事故のリスクが高まることから、信号機の色や交差点の名称等の情報をスマートフォンに送信する機器を整備し、視覚障害者がスマートフォンから流れる音声等で安全に横断歩道を渡れるシステムを運用している都道府県があります。本県においても整備すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 私の住む新潟市北区は青パトの活動が非常に活発で、全国でもトップクラスであると認識しております。今後とも青パトの活動が全県的に強化されていくことを祈り、お尋ねいたします。 地域の防犯ボランティア団体が実施している青パトによる自主防犯パトロールは、通学路等における子供見守り活動などで大きな活躍をしています。青色防犯パトロールを行う団体による活動が効果的に行われるためには、地域の犯罪情勢を知る警察との連携が重要と考えますが、県警察として、今後どのように青パトとの連携を図っていくのか、所見をお伺いいたします。 県民の皆様が安全・安心に暮らせるようにと、毎年、県内各地で、知事を筆頭に保護司の方々をはじめ関係団体等による社会を明るくする運動が展開されております。罪を憎んで人を憎まずと言われておりますが、いざ罪を犯した人と接しますと、複雑な思いを抱くのは自然かもしれません。同じ地域社会の一員として、偏見を持たず、一般の人と同様に接する環境づくりは重要であります。厳しい社会環境の中ではありますが、再犯を繰り返さないために、県の取組についてお尋ねいたします。 県は、再犯防止に向けた支援体制をまとめた、新潟県再犯防止推進計画を令和2年3月に策定し、犯罪を犯した者等の就労や住居の確保対策の強化や関係機関による推進会議を設置し、連携体制を強化することとしていますが、罪を犯した人が立ち直り、地域社会の一員として、共に生き、支え合う社会づくりの促進に向け、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。 最後に、県政諸課題についてであります。 近年のゲリラ豪雨や豪雪時では、車の通行はもとより、歩行者の移動も困難を来す状況であります。道路の状態を把握できないことは、危険であり生命を脅かす事態になりかねません。安心・安全な通行手段の確保についてお尋ねいたします。 農村部の集落では、歩道のない県管理道路と並行して水路が走る箇所があり、悪天候時には車両が転落する危険性があります。またそのような道路が通学路である場合には、児童が車両と水路に挟まれるように歩かざるを得ず、安全を確保する必要があると考えます。 水路を暗渠化することで歩行者空間として有効利用できることから、通学路の安全確保対策の一つとして水路の暗渠化を積極的に推進すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 今夏は、メダルラッシュに沸いた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会でした。中でも新競技種目のスケートボード競技は、若年の男女アスリートが大活躍でした。メダリストたちが大会直前に選んだ合宿先、村上市スケートパークは、トップ選手として活躍を夢見る子供たちには、聖地のような施設としてますます利用されるものと思います。一方、競技の特性から課題もあることからお尋ねいたします。 東京五輪の新種目のスケートボードで日本人が大活躍したことから、今後ますます実施者の増加が予想されますが、その練習場所の一つとなる公園では他の利用者とのすみ分けが課題と認識しているところであります。県立都市公園のスケートボード利用について、今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。 人が自己実現を目指す中で、様々な影響や転機があると思いますが、重要な節目の一つとして、仕事を選択し、経済的な面も含め、人格形成に関わりの深い、就職があると思います。とりわけ、人生経験が少ない高校生などの若年者の就職活動は、重要な機会として捉えられているにもかかわらず、学業との両立の観点を踏まえた就職活動が行われている実情があるようです。自身への分析不足や、企業等の情報不足などの理解不足による、就職後の早期離職や転職の問題についてお尋ねいたします。 高校新卒者の早期離職の傾向が続いており、離職・転職を繰り返すと技能の蓄積が進みにくくなり、賃金が抑えられたり、雇用が不安定になったりするリスクが高まります。その背景として、1人1社制の影響や自ら情報を収集して就職する企業への納得感や好奇心を高めるプロセスが不十分なことが指摘されており、高校のキャリア教育の充実が求められていると認識していますが、今後の対応についてお伺いいたします。 県では、今後の医療提供体制の大枠の方向性を取りまとめ、今年4月に、地域医療構想の実現に向けた今後の方向性を策定しております。この中では、将来的に維持すべき体制の一つとして、二次救急医療等が過不足なく提供される体制が掲げられており、入院医療として、各圏域内で二次救急医療と需要の多い手術が過不足なく提供され、さらに、より高度な救急医療や手術が必要な場合には、それらに対応できる医療機関への円滑なアクセスが確保されている体制が必要とされております。 また、留意すべき論点・検討課題として、医師の働き方改革や救急担当医の高齢化により、これまで提供できていた救急の輪番体制が維持できなくなる可能性もある。現在の救急医療体制をどこまで維持できるかを見極め、二次救急医療機能の集約化も視野に入れる必要があるなどの課題等が掲げられております。 様々な課題の解決に向けて、医療関係者等と議論いただくこともあると思いますが、救急医療は、県民の安全・安心に直結する機能であり、離島や中山間地を含め広い県土のどこに住んでいても、等しく、持続的に医療提供が行われるべきものであると考えます。そこで、お聞きします。 本年4月に県が策定した地域医療構想の実現に向けた今後の方向性では、将来的に維持すべき体制として二次救急医療等が過不足なく提供される体制が掲げられておりますが、救急医療については住民の安全・安心に直結する機能であることから、県内全域で確実に持続できる体制を構築するべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 青柳議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、脱炭素社会に向けた水素の利活用についてでありますが、本県は、石油天然ガスなどのエネルギー関連産業が集積することから、その技術やインフラを活用し、脱炭素社会につながる水素利活用に向けた取組を進めることは、本県のさらなるエネルギー拠点化につながり、地域の雇用拡大など、本県経済への波及効果も期待できるものと考えています。 このため、県といたしましては、国・民間企業・関連自治体等と本年1月に設立した協議会において、企業間連携を促進するとともに、カーボンニュートラルにつながるサプライチェーンの構築など、具体的な実証事業の実現に向けた支援を行っているところです。 引き続き、企業ニーズを踏まえ、関係する自治体と適切に連携しながら、新たな取組の促進に向けて積極的に支援してまいります。 また、県内企業の取組促進に向けたシンポジウムの開催についてでありますが、水素や燃料電池に関する先端の技術や、参入に向けた市場の動向をテーマとしたセミナーを開催してきており、今後とも積極的に情報提供を行ってまいります。 次に、CCUSへの対応についてでありますが、二酸化炭素の有効活用や貯留を行うCCUSは、脱炭素社会実現に貢献する技術であり、本県においても、二酸化炭素を活用し石油やガスの産出量を向上させる技術等の検討を民間企業が進めていると聞いております。 一方で、商用化に向けては、議員御指摘のコスト低減に加え、地下貯留に対する住民理解や、事業実施における法令上の取扱い等、課題が多いものと認識しております。 県といたしましては、企業には丁寧に住民理解を得るよう要請しつつ、国に対して技術開発支援や法制度をはじめとした環境整備を要望するなど、CCUS導入に向け支援してまいります。 次に、小水力発電施設設置の可能性と推進についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県は全国第4位の水力発電開発のポテンシャルを有し、導入が進んでおりますが、さらなる開発の可能性があるものと考えております。 近年では、従来の大規模水力発電に加え、小水力発電の開発に向けた動きも見られ、新発田市や湯沢町でも民間事業者による開発が計画されていると聞いております。 県においても、現在、発電施設のない県管理ダムを利用した小水力発電の導入を検討しているほか、民間企業を主体とした協議会と連携をしながら、有識者による講演や成功事例の紹介等の普及啓発活動を行っているところであり、さらなる導入拡大に向けて、引き続き取り組んでまいります。 次に、下水汚泥の活用の検討と推進についてでありますが、県内で発生する下水汚泥のほぼ全量が有効活用されており、そのうち、約8割がセメントの原料等に活用されているところです。 議員御指摘のとおり、下水汚泥の固形燃料化は、脱炭素社会実現につながる有用な取組であり、県では、平成21年度から既に中越流泥処理センターにおいて、固形燃料化を行っており、毎年約3,000トンを売却しております。 今後も、セメント需要の動向等を踏まえ、下水汚泥の有効活用に努めてまいります。 次に、水田での炭素貯留の取組についてでありますが、本県は、全国の消費者に新潟米を安定供給する広大な水田を有しており、議員御指摘のとおり、脱炭素社会の実現に向け、水田での炭素貯留の取組を進めていくことは重要であると考えております。 先般本県で開催しました、中央日本四県サミットにおいても、4パーミルイニシアチブについて、山梨県知事から提案があり、連携して取り組んでいくこととしたところです。 県といたしましては、温室効果ガスの削減効果が高い炭素貯留技術の研究を進めるとともに、堆肥の施用や有機農業の面的拡大など、土壌中の炭素貯留に効果的な取組を推進してまいりたいと考えています。 次に、今後の森林管理の進め方についてでありますが、議員御指摘のとおり、森林は、CO2吸収源として脱炭素社会の実現に重要な役割を果たしております。 一方で、県内の森林では、高齢化により成長が衰え、CO2吸収能力が低下した人工林が増加しており、森林の吸収能力の向上には、主伐・再造林による循環型林業を進め、森林の若返りを図ることが必要であると考えています。 県といたしましては、再造林や保育など計画的な森林施業の取組を引き続き支援するとともに、それらに要する経費の低コスト化を図る取組を進めてまいります。あわせて、森林資源の循環利用を進めるため、川上から川下までの関係者の連携体制の構築を支援してまいります。 こうした取組を通じて、広く関係者が協力しながら、循環型林業による森林管理を推進し、将来にわたり森林の多面的機能の発揮につなげてまいりたいと考えております。 次に、県産木材活用の拡大に向けた県の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを実現するためには、炭素を長期間貯蔵する効果がある建築物等での木材利用の拡大が重要であると考えております。 このため、公共建築物はもとより、民間建築物での県産材利用のさらなる推進に向け、関係部局が連携して、建設や設計に関わる関係団体や、木材利用が期待される企業・団体への働きかけを強化するとともに、県民の皆様に、県産材利用が脱炭素に貢献することを分かりやすくお伝えするなど、県産材のさらなる利用を推進してまいります。 あわせて、現在、森林・林業基本戦略の策定に向け取り組んでいるところであり、その中で、県産材の利用拡大に向けた効果的な施策について、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、県産材の生産・供給能力の向上についてでありますが、県内では、ウッドショックによる県産材への代替需要の高まりから、現在、昨年を上回るペースで建築用材の生産が行われておりますが、製材工場の需要には十分に応え切れていない状況にあります。 今後、さらに建築用材の供給拡大を図っていくためには、小規模・分散的で不安定な商流から、安定的な供給体制に転換していく必要があります。 このため、県といたしましては、川上から川下までの事業体等が参加した地域協議会を県内全域に設置し、県産材ニーズなどについて相互理解を深めるとともに、県産材の供給拡大に向けた課題を共有するなど、事業体間の関係づくりを進めているところです。 こうした関係を基に、川上から川下までの事業体等が一体となって、県産材の生産・利用拡大を図っていくプロジェクトを全県的に展開することで、安定的な供給体制を構築し、県産材の生産・供給能力の向上を図ってまいりたいと考えております。 次に、使用済太陽光パネルの再資源化についてでありますが、使用済太陽光パネルの再資源化には、パネルの大部分を占めるガラスの再生利用先の確保や処理コストなどの課題があり、将来の大量廃棄の問題もあることから、議員御指摘のとおり、安定的に処理できる体制を整備することが必要であると考えています。 このため、これまでも全国知事会を通じて、法整備を含めたリサイクルシステムの早急な構築を要請してきたところであり、脱炭素社会の実現に向けた太陽光発電のさらなる普及や循環型社会の推進のため、引き続き、機会を捉えて国に働きかけてまいります。 次に、メタネーション実証実験についてでありますが、長岡市において、議員御指摘のメタネーション実証実験が世界最大規模で行われることは、本県の脱炭素社会に向けた機運を盛り上げるとともに、本県が我が国のエネルギー拠点であり続ける上で重要な取組と捉えております。 県といたしましても、メタネーションを出発点とした脱炭素エネルギーのサプライチェーン構築を支援してまいりたいと考えております。 次に、農業施策についてお答えします。 まず、大規模経営体の育成についてでありますが、議員御指摘のとおり、
新型コロナウイルス感染症の影響による主食用米の価格低下に加え、本県の作柄がやや不良となったことで、農地集積に取り組んできた大規模な経営体ほど経営面での影響が大きいものと考えております。 地域農業の維持・発展に重要な役割を担う大規模経営体においては、農地が分散し作業効率が上がらないなどの課題もあることから、経営への影響を緩和するためにも、生産の一層の効率化を進めていくことが重要です。 このため、県といたしましては、人・農地プランの話合いによる農地の集約化や、法人間の組織的な連携による省力化などの取組を一層進めることで、経営体の経営改善を図り、さらなる農地集積につなげてまいりたいと考えております。 また、販売額の向上に向けて、園芸導入による複合化や多角化など、経営の幅を広げる取組も支援することで、持続的な経営発展が可能な大規模経営体を育成してまいります。 次に、みどりの食料システム戦略の実行に向けた新法制定についてでありますが、農林漁業・食品産業の持続的発展や、食料の安定供給の確保などを目指すとした本戦略は、その目標水準が高く、現状との乖離が大きいことや相当数の技術開発が前提となっているなど、多くの課題があるものの、新法を制定し、長期的な視点に立って、その実現を目指すことは評価できるものと考えております。 県といたしましては、新法の制定により、戦略実現の実効性が高まるよう、国会において十分議論していただきたいと考えており、その動向を注視してまいります。 次に、交通事故及び犯罪の防止についてお答えします。 再犯防止に向けた今後の取組についてでありますが、罪を犯した人が立ち直り、地域社会の一員として、共に生き、支え合う社会づくりを促進するためには、罪を犯した人が地域社会において孤立することなく、県民の理解と協力を得て、安定した住まいや就労が確保できるよう関係機関・団体が連携して支援していくことが重要と考えています。 このため、県といたしましては、再犯防止推進会議を活用しながら、関係機関のネットワーク構築・課題等の共有を図り、施策を推進していくとともに、全ての市町村で支援体制が構築されるよう、他市町村の先行事例の共有や策定方法の助言などにより、市町村の再犯防止推進計画の策定を支援してまいります。 次に、県政諸課題についてお答えします。 救急医療における持続可能な体制の構築についてでありますが、議員御指摘のとおり、救急医療は、住民の安全・安心に直結する機能であり、医療ニーズの変化や医師の働き方改革など、医療を取り巻く環境が大きく変化する中にあっても、確実に持続させなければならないものであります。 また、新型コロナウイルスへの対応に当たる中で、医療資源が充実し、対応力の大きい地域の中核病院の重要性を再認識したところであり、救急機能を含め、地域の中核病院の機能を強化するとともに、周辺病院との適切な役割分担により、新たな感染症にもしっかり対応できる、持続可能で質の高い医療提供体制を構築していく必要があると考えております。 県といたしましては、今後、地域医療構想調整会議などの場を活用しながら、スピード感を持って、体制構築に向けた検討を進めてまいります。 〔
産業労働部長佐野哲郎君登壇〕
◎
産業労働部長(佐野哲郎君) 3点についてお答えいたします。 水素の利活用に向けた環境整備についてでありますが、水素の利活用拡大には、議員御指摘のとおり、用途に応じた輸送・貯蔵方法の確立など、様々な環境整備を行う必要がありますが、その技術は開発途上と認識をしております。 現在、国や事業者が技術開発を進めており、県といたしましても、これらの開発動向を注視するとともに、そうした技術の実装に向けて、企業間連携を促進するなど、事業者のニーズに応じた支援を実施してまいります。 次に、燃料電池自動車、FCV導入の促進についてでありますが、議員御指摘のとおり、脱炭素社会実現に向けて、FCVの導入は重要であると考えており、県といたしましても、普及促進に取り組んでいるところでございます。 具体的には、水素ステーションの設置を支援するとともに、公用車へのFCVの導入、それから県民向け展示、FCVタクシーの導入支援、FCVフォークリフトの県内企業への貸出しを行うなど、様々な普及啓発活動を行っております。 これらの取組もありまして、県内でもFCVの増加傾向が見られることから、引き続き普及啓発に取り組み、自治体等も含め、導入の機運を醸成してまいります。 次に、地中熱の利活用促進に向けた取組支援についてでありますが、これも議員御指摘のとおり、地中熱は、空調・給湯・融雪・ハウスの温度管理等、温冷熱源として多岐にわたって利用が可能であり、その活用は脱炭素社会の実現に資するものと認識をしております。 本県におきましても、住宅を中心に、道路融雪・病院・農業施設等、様々な施設への導入実績があり、令和2年度の調査結果では、全国5位の272件となっております。 地中熱のさらなる利活用促進に向け、引き続き導入可能性調査や設備導入に対する支援を行うとともに、普及啓発に取り組んでまいります。 〔
農林水産部長小幡浩之君登壇〕
◎
農林水産部長(小幡浩之君) 3点についてお答えします。 森林経営管理制度の活用状況と活用に向けた県の支援についてでありますが、制度の運用開始から3年目となる今年度は、20市町村が、森林所有者の意向調査や森林整備計画の作成などを実施し、うち4市が間伐に取り組んでおりますが、現時点では、大部分の市町村が、森林整備の実施までには至っていない状況です。 本制度を積極的に活用し、脱炭素にもつながる森林整備を着実に進めるためには、市町村において、森林・林業部門の専門職員が不足していることなど、実施体制の強化が課題となっていることから、市町村職員の森林整備に関する技術的な知見を深めていくことが必要であると認識しております。 このため、県といたしましては、森林・林業の基礎的知識を習得するための職員研修や、アドバイザー派遣による専門的な業務のサポートなどを引き続き実施するとともに、航空レーザー計測による効率的な森林資源情報の取得を促進し、市町村の森林整備に向けた体制強化をしっかりと支援してまいりたいと考えております。 次に、米の新たな利用に向けた研究についてでありますが、本県は、国内トップの米生産県であるとともに、米を主原料とする食品産業が集積しており、議員御指摘のとおり、需要の拡大に向け、新たな米の利用方法に関する研究開発を進めていくことは重要であると考えております。 現在、健康志向の高まり等の社会的ニーズを踏まえ、産学官連携の場である新潟県新たな米産業創出技術研究会において、米の機能性に関する共同研究を進めるなど、県内企業と連携した商品開発に取り組んでいるところです。 県といたしましては、本県の強みである米について、その特徴や機能性を最大限生かし、新たな付加価値が期待できる米の活用技術の開発を産学官一体となって進め、米の新規需要を掘り起こしてまいりたいと考えております。 次に、農福連携に関する取組についてでありますが、農福連携の取組を一層促進するためには、人材の育成や農業と福祉の相互理解など、障害のある方も働きやすい環境整備を進めていくことが必要であると考えております。 このため、障害の特性に応じた作業の細分化や作業手順の伝え方などの現地研修を県内14か所で実施することで、必要な知識を持った人材の育成や相互理解に努めるとともに、休憩所の設置や安全な作業機械の導入など、ハード面の支援も行い、障害のある方を含め、誰もが働きやすい環境づくりを進めているところです。 また、県内3か所の福祉事業所に配置している農福連携コーディネーターとも連携し、これらの取組を一層進めることにより、農福連携の拡大につなげてまいりたいと考えております。 〔土木部長金子法泰君登壇〕
◎土木部長(金子法泰君) 2点お答えします。 県管理道路と並行する水路の暗渠化についてでありますが、水路の暗渠化は、安全な歩行空間を確保できる有効な整備手法の一つとなっております。 県では、児童等の安全確保のため、重点的に通学路の歩行空間の整備を進めており、これまでも、通学路の安全確保対策として、水路の暗渠化に取り組んできたところです。 引き続き、通学路の合同点検を踏まえ、必要に応じて水路管理者と協議の上、水路の暗渠化に取り組んでまいります。 次に、県立都市公園におけるスケートボードの利用についてでありますが、現在、県立都市公園におきましては、スケートボード専用施設が設置されていないことから、一般の公園利用者及びスケートボード利用者の安全性が確保できる場合、駐車場の空きスペースなどを専用エリアとして、スケートボードを御利用いただいております。 県立都市公園は、幅広い年齢層の皆様が多様な目的で利用する施設であるため、今後も、利用者の安全性に十分に留意しつつ、スケートボードなど新たな利用ニーズにも配慮し、対応してまいりたいと考えております。 〔
交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕
◎
交通政策局長(佐瀬浩市君) カーボンニュートラルポート形成に向けた具体的な取組状況についてでありますが、県では、令和2年度に引き続き、北陸地方整備局と連携して新潟港カーボンニュートラルポート検討会を開催するとともに、本年6月には、国に対し、オン・ドック・レールの整備を含む支援を要望したところです。 また、今月中には、国においてカーボンニュートラルポート形成計画策定マニュアルを公表する予定と伺っていることから、県といたしましては、港湾立地企業や国等の関係者と連携しながら、国のマニュアルに基づき計画を策定し、具体的な取組を進めてまいりたいと考えております。 〔教育長稲荷善之君登壇〕
◎教育長(稲荷善之君) お答えいたします。 早期離職の防止に向けたキャリア教育の充実についてでありますが、県内の高校新卒者の就職後3年以内離職率は、平成13年度卒業者では48.1%でしたが、平成28年度卒業者は34.9%に改善しており、全国平均より4.6ポイント低くなっております。 各学校では早期離職防止に向け、入学時からの進路ガイダンスやインターンシップ、応募前職場見学などを活用した計画的な進路指導により、生徒に自己の職業適性や将来設計を考えさせるとともに、主体的な職業選択の能力を育んでおり、今後も、こうしたキャリア教育の一層の充実に努めてまいります。 なお、1人1社制については、短期間でのマッチングが可能であり、生徒と企業双方にとってメリットがあることから、県内においても定着しております。現在、9月16日から10月末日までを1人1社応募とし、その後、複数応募が可能となっておりますが、複数応募への移行時期や応募企業数の上限などについては、教育行政機関や経済団体、職業安定行政機関、学校側代表などで構成される新潟県高等学校就職問題検討会議で議論されるものと考えております。 〔警察本部長村田達哉君登壇〕
◎警察本部長(村田達哉君) 3点についてお答えいたします。 本県の近年における歩行者事故の発生状況及び県警察における歩行者事故を減らすための取組についてでありますが、本県の歩行者事故の発生件数につきましては、近年、減少傾向を示しておりますが、全死者に占める歩行者の割合は約4割と、議員御指摘のとおり、高いまま横ばいで推移しております。 歩行者事故防止の取組といたしましては、各年齢層に応じた交通安全教育の推進や、各季の交通安全運動を通じた意識啓発のほか、運転者対策として、横断歩行者妨害違反等の取締り、歩行者対策として、通称オレンジカードによる交通ルールの直接指導などに努めております。 また、交通の方法に関する教則の改正を受け、本県警察では、歩行者が運転者に横断の意思を伝える動作を、渡るよサインと名づけて、広報用チラシを作成・配布したほか、著名人を広報大使に任命し、講習会や交通安全教室へ派遣するなど、広く県民に周知を図っております。 次に、信号機交差点におけるスマートフォンを利用した視覚障害者を支援するシステムの整備等についてでありますが、このシステムは、歩行者用信号の状態をスマートフォンにより音声等で知らせ、視覚障害者や高齢者等の交差点の横断における安全を確保するもので、令和元年10月に警察庁から音響式信号機を鳴らすことが困難な時間帯がある場所等において、整備する方針が示されたところです。 全国では、令和2年度末までに宮城県、静岡県、千葉県、埼玉県、福岡県の5県で整備されていることを承知しております。 県警察といたしましては、他県での運用効果や県内の視覚障害者団体の意見等を踏まえ、導入の必要性について検討してまいりたいと考えております。 次に、警察と青パトとの連携についてでありますが、議員御指摘のとおり、青色回転灯装備車を使用した自主防犯パトロールは、子供の見守りなど各地域の防犯に大きく寄与しているものと認識しており、県警察では、こうした活動を行う団体に対し、防犯活動のノウハウや地域の犯罪発生状況等の情報提供を行うほか、合同でパトロールを実施するなどの連携を行っているところです。 今後、こうした団体の活動が、一層、効果的に行われるよう、これまで以上に積極的かつタイムリーな情報提供を行っていくなど、連携を強化してまいりたいと考えております。
○副議長(小島隆君) 青柳正司君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。 午後2時54分 休憩 ――
――――――☆―――――――― 午後3時13分 開議
○議長(佐藤純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、樋口秀敏君の発言を許します。樋口秀敏君。 〔樋口秀敏君登壇〕(拍手)
◆樋口秀敏君 未来にいがたの樋口秀敏です。通告に従い、順次質問いたします。 初めに、県職員の働き方改革について伺います。 NTTは今年9月に、社員の働き方を大幅に見直し、転勤や単身赴任については廃止する方向で検討すると発表しました。原則、従来のオフィス勤務から在宅やサテライトオフィスでのリモートワークに切り替え、社員が働く場所を選べるようにするとしています。 コロナ禍を経験する中で、企業も自治体も働き方を見直す必要性に迫られています。県庁においても、在宅勤務の積極的な活用に取り組んでいると承知していますが、窓口業務や現場業務など、在宅勤務になじまない業務も多くあります。 これまで人員増を求めてきましたが、なかなか実現しない中、ワーク・ライフ・バランスの推進を図り、財政面からも支出の抑制に寄与するものとして、業務のやり方ではなく、人事政策による働き方改革を3点提案し、その実現に向けた考えを伺いたいと思います。 今年度、知事部局において、各地区の職員必要人数に対し、当該地区に生活の本拠を置く職員数が超過している地区は4地区で、その超過人数は、新潟が223人、長岡が135人、三条が103人、上越が17人で、ほかの8地区は居住者のほうが少なくなっています。 私の住む南魚沼地区では、必要とされる職員数190人に対して、生活の本拠を置く職員は107人で、83人も不足しています。人事異動を機に新潟地区に居を構える職員も多く、人事政策が新潟地区への一極集中を助長してきた面もあると考えます。 東京一極集中の是正を求める本県の知事として、現状に対する認識を伺うとともに、偏在是正に向けて地域で頑張る職員に光が当たる地域分散の人事政策に改めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 来年度の職員採用試験で、高卒程度の一般事務職は5人程度の採用予定人員に121人が受験しており、地元で働きたい高校生が多数いることが分かります。受験倍率は大卒程度の7.68倍に対して24.2倍と高く、優秀な人材の採用も可能と考えられます。 新潟県に限らず、公務員、とりわけ地方自治体の職員を希望する人が減り、人事担当者も頭を悩ませていると聞きます。人口減少対策の面からも高校生の県外流出を防ぎ、積極的に採用して育てるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 県職員は知事部局だけで毎年300人以上が単身赴任し、通勤距離が60キロメートル以上など、一定の要件に該当して新幹線などを利用している職員が250人ほどいます。 私が南魚沼地域振興局に勤務していたときも、新潟から新幹線を利用して通勤している人が何人もおりました。在来線の乗り継ぎが悪く始業に間に合わないため、JRやバス会社にダイヤ改正を申し入れたこともありました。浦佐駅に地域振興局と行き来するためだけの車を置いておく人もいました。 単身赴任者はお酒の量も進んでいたようです。単身赴任は生活面から不健康になりがちですし、遠距離通勤はワーク・ライフ・バランスの両立が難しく、家族の負担も大きいので、可能な限り減らすべきであります。 そのことは、結果して県の財政再建にも寄与するものと考えます。令和3年度の単身赴任手当の支給額は当初予算額で3億9,700万円、知事部局だけで1億5,500万円に上ります。また、知事部局の令和3年度当初予算における通勤手当総額8億9,000万円のうち、新幹線利用に支払われる手当額は2億3,300万円が見込まれています。 財政再建を進める上でも単身赴任者と遠距離通勤者の減少は有効と考えますが、知事の現状認識と、見直すことに対する所見を伺います。 次に、財政再建に関連してお伺いをいたします。 今年度も行財政改革県民説明会が行われました。私も南魚沼会場に参加させていただきました。当日の配付資料には、今後の取組の最後に地域振興局体制の見直しが掲載されていました。これを見たとき、地域振興局体制の見直しは経費削減が目的だったのではないか、そのことをアピールするために資料に入れたのではないかと思ってしまいました。 地域振興局体制の見直しについて、私は2月定例会の一般質問で、見直しの目的が経費の削減でないことを確認したいとただしてきました。
総務管理部長は、経費削減ありきで議論しているものではないと答弁していますが、財政再建と地域振興局体制の見直しとの関係について、改めて知事の所見を伺います。 財政の健全化は県民も求めるところですが、県民サービスの低下は望むものではありません。来年度から行われる地域振興局体制の見直しについて、知事も地域における県民サービスをより効率的に提供していくためと提案理由でも述べています。そのことが実現できるか検証し、よりよい地域振興局体制を目指すべきと考えますが、見直し後に住民アンケートや市町村アンケートの実施、職員からの意見聴取などを行う考えはあるか、所見を伺います。 今年9月に示された中期財政収支見通し、仮試算の今後の財政収支見通しによれば、職員給与の臨時削減が終了する令和6年度を除き、人件費は対前年度比で毎年度31億円から51億円の減とされています。 コロナ禍で保健所などでは長時間労働が続き、昨年度は月100時間超や年間720時間超の職員が大幅に増えるなど、職場からは人員増を求める声が多く聞かれます。 さらなる人員削減は職員の健康破壊と住民サービスの低下につながるものと考えますが、人件費見通しの根拠について伺います。 次に、医療政策について伺います。 佐渡医療圏では、佐和田病院の今年度末での閉院や厚生連佐渡総合病院の一般病床60床減が見込まれるなど、病床機能の再編が急務となっています。 県は佐渡地域医療構想調整会議の合意を受け、国の重点支援区域に申請し、去る3日に選定されましたが、今後の再編スケジュールはどのような見通しとなっているのか伺います。 また、院長が今年度末で退任する意向を示している佐渡市立相川病院は相川地区で唯一の病院で、相川地区にある2つの特別養護老人ホームの協力病院の役割も担っています。院長退任後の医師確保が急務であり、医療再編の中でどのように位置づけていく考えか伺います。 医師の働き方改革として、2024年4月から医師に対する時間外労働の上限規制が適用されます。都道府県においては、2023年度末までの特例水準医療機関の指定に向け、医師の時間外労働が960時間を超えることがやむを得ないことの確認など、医療機関の状況把握や意向確認を行うこととされていますが、今後の進め方について伺います。 医師の労働時間短縮を進めるに当たり、看護師や診療放射線技師、臨床検査技師などへのタスクシフト・シェアも推進することとされています。タスクシフト・シェアを進めるに当たり、県立病院においては看護師の特定行為研修をはじめとする研修をどのように進める考えか伺います。 厚生労働省は、
新型コロナウイルス感染症患者等入院医療機関緊急支援事業として、
新型コロナウイルス感染症患者等の対応を行う医療従事者の人件費を補助することとしています。本年2月24日付事務連絡では、本補助金は医療従事者の処遇改善・確保に充て、従前から勤務する職員の基本給も処遇改善を行う場合は対象とするとしています。また、感染症対応手当の額、支給する職員の範囲については医療機関が決定することとしています。 県内医療機関に対してこのことが周知されていると聞いていますが、県立病院においては職員の処遇改善に生かされているのか、お伺いをいたします。 加茂、吉田病院について、指定管理者による管理とする条例案が今定例会に提出されました。この間、加茂、吉田病院については県立県営を求めてきたものであり、残念ではありますが、仮に条例案が可決された場合、指定管理者の選定や指定管理への移行時期、吉田病院にあっては建物の建て替え時期など、どのようなスケジュールで進める考えか、病院ごとの対応を伺います。 現在、再編される加茂病院には会計年度任用職員を含めて150人余り、吉田病院には同じく220人余りの職員が働いています。これらの職員はコロナ禍の対応を含め、長年にわたり県民の命と健康を支えてきた、新潟県にとっての貴重な人材です。 私は、魚沼地域の医療再編時には職員団体の役員として雇用確保対応に当たらせていただきました。再編病院に勤務する職員、とりわけ臨時・パート職員からは、単に雇用が維持されればよいのではない。賃金などの労働条件が維持されて初めて雇用が維持されたと言えると厳しく求められ、病院局、福祉保健部と協議を重ねたことを思い出します。 結果して、他県立病院への異動や採用、新設された魚沼基幹病院での採用が行われ、ほぼ全ての職員の雇用を守ることができました。 しかし、正規職員としての雇用を希望していたにもかかわらず、かなわなかった人がおりました。その人からは泣きながら、かなわなかったということで、叱られましたが、私には謝る以外にできることはなく、つらく、苦しい思いをいたしました。数年後、この人は、希望していた職場に正規職員として勤めることができ、私もほっと胸をなで下ろしましたが、それまでの間、大変な思いをされたことと思います。このような思いを誰一人として、してほしくないのです。 加茂、吉田病院の指定管理者への移行に伴っても、全ての職員が離職することなく、その職種ごとの能力を生かして働き続けられるよう取り組むべきと考えますが、所見を伺います。 またあわせて、今後の対応をお伺いいたします。 人口10万人当たりの薬剤師数は、2018年時点で新潟県は199.3人と、全国平均の246.2人より50人近くも少ない中、特に病院では薬剤師の採用が困難な状況にあります。病院勤務は業務が煩雑な上、初任給が低いのに対し、調剤薬局やドラッグストアは賃金が高い上、当直などの負担が少ないことが理由と言われています。 病院勤務の薬剤師確保に向け、一定期間の病院勤務を条件とした返還不要の修学資金貸与や、6年制に移行したことを踏まえた処遇改善などを検討すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 県立病院では看護職員の欠員が常態化し、医療サービスに影響を来しかねない状況となっています。県立13病院では今年度4月時点で32人の欠員でスタートし、10月には46.5人にまで増えています。来年度の採用も助産師を含めて35人の追加募集を行っていますが、1回目で5人しか合格者がおらず、現在も追加募集が行われているところです。 今後どのように看護職員を確保していく考えか伺います。 また、養成機関が新規で開校するなど、その定数は増えていますが、民間の3年制学校を中心に定員割れも起きています。養成機関だけでなく、高等学校などの教育機関とも連携したさらなる支援策の充実が必要と考えますが、所見を伺います。 今年6月に国家公務員法と地方公務員法が改正され、雇用と年金の接続に関連して定年年齢が引き上げられることとなりました。 一方、医療現場では看護師を中心として定年前に退職する職員も多く、貴重な人材が失われています。それは、60歳まで夜勤を行いながら働き続けることが困難だからです。それをさらに65歳まで働きなさいということは肉体的負担が大きく、無理があります。 来年度に予定される条例改正に向けては、県立病院においても65歳定年まで働き続けられる環境づくりが必要であり、職員の生活環境や体力に合わせた夜勤体制の見直しなど労働環境の整備を行うべきと考えますが、所見を伺います。 各圏域における地域医療構想の取りまとめについて、2月定例会の一般質問で、市町村を含む関係者と具体的な議論を行っていきたいと答弁がありました。 また、県が4月に取りまとめた、持続可能で質の高い医療を提供するための新潟県地域医療構想の実現に向けた今後の方向性では、各医療機関が担う急性期機能やそのために必要な病床数等について再検証をお願いするとあります。 こうした中、私の地元、南魚沼市では本年5月に医療のまちづくりに関する基本的方針が策定され、病院の移転新築等の議論が進められています。基本的方針には、南魚沼市民病院は分野を特化した急性期医療と回復期医療を担うこと、ゆきぐに大和病院は介護病床に転換可能な施設を新築することなどがうたわれています。 魚沼医療圏における各病院機能の調整は終わっているのでしょうか。現状の調整状況と今後の進め方について伺います。 この項の最後になりますが、国道17号バイパスの魚沼市大浦地区から虫野地区間1.0キロメートルが年内に開通する見込みとなりました。このバイパスは魚沼基幹病院への救急搬送に利用される命の道であると同時に、そこに勤務する職員の通勤道路としても利用されています。また、昨年のような豪雪時には円滑な交通の確保が期待され、早期の全線開通が待ち望まれています。 仮称ではありますが、新浦佐大橋を含む未開通区間の早期開通に向け、国への働きかけを強めるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、原子力防災について伺います。 花角知事は9月定例会の代表質問で、米山前知事の検証に関する考え方は継承すると述べるとともに、米山前知事が年に一、二回程度検証総括委員会を開催して意思疎通と情報共有を図りたいと述べていたことに対して、各検証委員会開催の都度、状況を知らせていると答弁しています。 委員会を開催し、ウェブであっても委員が一堂に会して意見を交わすことで理解が深まり、意思の疎通が図られるものだと私は理解しています。 状況を知らせるだけでは開催したとは言えないと考えますが、知事の認識を伺うとともに、改めて福島原発事故に関する米山前知事の考えを継承しているのか、お伺いいたします。 花角知事が当選された3年前の県知事選挙では、柏崎刈羽原発の再稼働が大きな争点となりました。県民にとって柏崎刈羽原発の再稼働は大きな関心事であり、来年6月の県知事選挙においても争点となることが予想されます。 花角知事は県知事選挙への態度を明らかにしておりませんが、誰が候補者となるにせよ、候補となる人が柏崎刈羽原発の再稼働に対する姿勢を示すためにも、県は検証総括委員会における議論や検討の中身について、可能な限り公開していくべきだと考えます。 花角知事は、現在進められている検証総括委員会の報告を県知事選挙前に取りまとめる考えがあるか、お伺いをいたします。 県は11月27、28日、原発事故に関する3つの検証の県民説明会を開催しました。参加者からは、各委員会の委員が出席しないのは残念など、委員と直接意見交換したいとする要望が複数あったと報じられています。原子力安全対策課長は、今のところ考えていないとした上で、どのような運営形式がいいのか、参加者の声を踏まえて検討したいと述べた旨報じられています。 検証総括委員会の複数の委員からも、県民から意見聴取する機会を持ちたいという意見が出されています。 県は、委員はそれぞれの知見を基に、県に対して提言することが役割だとしていますが、県民から委員との意見交換を求める声があれば、それを実現することが県の責務と考えます。 説明会は今後、上・中・下越でも開催する方針と聞いていますが、今後の説明会は委員会が開催する場合であっても、県が開催する場合であっても、県と委員の双方が出席した中で開催すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、教育課題について伺います。 政府は昨年9月1日付事務連絡で、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革についてを都道府県教育委員会等に送付しました。休日に教師が部活動の指導に携わる必要がない環境の構築と、休日における地域のスポーツ・文化活動を実施できる環境の整備を着実に進めることとしています。 県教育委員会では、新潟県部活動改革検討委員会を開催するなど、部活動の地域移行について検討を進めてきたと承知しています。事務連絡には、働き方改革の視点も踏まえ、教師の負担軽減を実現できる内容とすることが必要とあり、その実現に向けて検討されていると考えますが、教育長の所見を伺います。 また、令和5年度からの段階的な地域移行が示されていますが、現在の検討状況と今後の予定を伺います。 部活動の地域移行を円滑に進めるためには、地域の関係者や保護者の理解が欠かせません。県教育委員会として、これまでにどのような周知活動を行ってきたのか、その結果、どの程度理解が進んだと考えているのか、教育長の所見を伺います。 9月18日に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行されました。医療的ケア児への対応は、教育庁、福祉保健部に関わり、現在は専門の担当部署がないと伺います。ワンストップで対応できる窓口を設置し、支援の充実を図るべきと考えますが、知事の所見を伺います。 同法は医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資することを目的とし、学校などの設置者に、保護者の付添いがなくても医療的ケアを受けられるよう看護師等の配置を行うよう定めています。看護師等が不在となれば対象児童が休まざるを得ない、もしくは保護者が付き添わなければならない実態があります。 一方、現場からは現状に対し、ドクターがいない中、責任を一人で負担することになり、責任が重い。1,500円足らずでは時給が低過ぎる。会計年度任用職員のため賃金も上がらないなど、職責に対して賃金が低いなど労働条件が悪く、人材確保が課題となっていることが指摘されています。 大阪府豊中市では、市立病院と教育委員会が連携し、学校に看護師を派遣しています。 代表質問で、市町村立学校で1校1人が未配置との答弁がありました。他自治体の事例も参考に、看護師等が確実に採用できるよう、勤務条件の改善や自治体立病院との連携などを進めるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、観光振興策について伺います。 湯沢町では、町内全11スキー場を対象とした共通リフト券の商品化が今シーズンから実現することとなり、湯沢イレブンチケットとして販売されています。今後は隣接する南魚沼市のスキー場の参入も視野に、ICリフト券や自動改札システムの導入に向けた検討を行う予定と聞いています。 ガーラ湯沢スキー場と湯沢高原スキー場に加え、今シーズンからは南魚沼市の石打丸山スキー場も自動改札を導入し、より利用しやすい三山共通リフト券を販売するなど共通リフト券導入が進んでいます。 一方、ICチップの入ったリフト券を用いた自動改札機の導入には高額の経費がかかる上、多くのスキー場が参入しなければ、そのメリットを生かすことができません。 コロナ後のインバウンド需要の取り込みやスノーリゾート新潟を売り込むためにも、導入に当たっては施設整備費用を補助するなど、県としても支援を検討すべきと考えますが、所見を伺います。 地域活性化リーディングプロジェクトとして、湯沢版MaaSの実証実験が本年7月から9月まで行われました。地元からは、新しい生活スタイルが広がったと評価する声が聞かれる一方、バスの空車も見られた、タクシーの利用は少なかったようだとの声も聞かれます。 県としてどのように総括し、今後の観光振興や地域振興に生かしていく考えか伺います。 最後に、県政の諸課題について1点伺います。 県は昨年9月に、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すことを表明し、本年3月には新潟県カーボンニュートラル産業ビジョン等を策定しました。 脱炭素化に向けた動きを加速すべきと考えますが、一方、石炭火力発電所の削減、廃止や電気自動車の普及など、産業構造の転換により職を失う労働者も出てくるものと予想されます。 脱炭素社会への移行は国策として進められているものであることから、県においても脱炭素化で縮小する産業の労働者の雇用確保を国に要望すべきと考えます。 このことに対する見解を伺い、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 〔知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 樋口議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、職員の生活本拠地の新潟地区への集中についてでありますが、新潟地区は、地域機関だけでなく本庁での勤務も含めた人事ローテーションを行っていることなどにより、他の地区に比べて必要な職員数が非常に多いことが一因になっているものと考えております。 職員の生活本拠地については、基本的には、職員自身や家族の将来、生活環境等を考慮し、職員自らが選択しているものであり、一定程度が新潟地区に集中することもやむを得ないものと考えております。 県としましては、本庁や地域機関といった勤務地にかかわらず、成果を上げた職員が報われる適正な人事評価と、これを基礎とした適材適所の任用を行ってまいりたいと考えております。 次に、高校卒業程度の職員の採用についてでありますが、職員の採用数については、退職者数の見込みや再任用職員の動向のほか、県の役割や行政ニーズなども踏まえた上で、必要な人員を決定しております。 その中で、近年の多様化、高度化していく県の行政ニーズに対応するため、政策立案を行うことや特定の分野における専門的な知識が期待できる大学卒業程度の職員を多く採用しているところです。 高校卒業程度の職員については、議員御指摘のとおり、地元で働く意欲を持った高校生が多くいるものと考えられることから、引き続き採用してまいりますが、採用数については、県の役割や行政ニーズの変化も踏まえ、毎年度検討した上で、決定してまいります。 次に、職員の単身赴任と遠距離通勤についてでありますが、本県の地理的条件や、職員の生活本拠地が新潟地区等に集中していることのほか、職員が多様な業務経験を積む観点から、単身赴任や遠距離通勤となる職員が一定程度生じることはやむを得ないものと認識しております。 一方、単身赴任や遠距離通勤については、職員のワーク・ライフ・バランスの観点からも、できるだけ少ないことが望ましいと考えており、職員の家庭事情等も十分配慮しながら、職員配置を行ってまいりたいと思います。 次に、財政再建についてお答えします。 まず、地域振興局体制見直しの背景についてでありますが、このたびの地域振興局体制見直しにつきましては、全県で地域振興局体制に移行してから10年以上が経過し、この間、市町村合併の進展による市町村の規模や能力の拡大など、地域振興局を取り巻く環境が大きく変化している状況を踏まえ、現状や課題を検証し、経費削減ありきではなく、各業務の性質等に応じた最適な執行体制を整備したものであります。 なお、前定例会において、地域振興局設置条例改正案を可決いただいたことから、県民の皆様への周知の機会として、行財政改革県民説明会の場を活用して、地域振興局長から令和4年度からの新たな体制について説明させていただいたものであります。 次に、地域振興局体制のさらなる見直しについてでありますが、県民ニーズや行政課題が複雑・多様化している中で、これらに迅速に対応し、効率的で質の高い行政サービスを提供していくためには、地域振興局を含めた県庁組織全体について、不断の見直しを行っていく必要があると考えております。 このため、今後も、地域の実情や住民の皆様の御意見等について、市町村長との定期的な意見交換や県民へのアンケート調査等の機会を通じて把握をし、その中で対応すべき課題や情勢変化などがあった場合には、必要な見直しを迅速に行ってまいりたいと考えております。 次に、医療政策についてお答えします。 まず、病院薬剤師の確保についてでありますが、人口当たり薬剤師数は、医薬品関連企業の立地等の様々な要因が影響するため、本県と他県を一概に比較することは困難と言えます。一方、昨年国が実施した調査では、病院の常勤薬剤師の定員充足率は9割弱とされており、本県を含め全国的に病院薬剤師の確保が課題となっております。 その理由としては、議員御指摘のとおり、薬局等に比べて病院は、日当直を含めた業務負担が多いにもかかわらず、給与が低いことなどが指摘されています。 また、議員御指摘の返済不要の修学資金貸与等も薬剤師確保の手法の一つではありますが、まずは、学生にチーム医療の一員である病院薬剤師としての仕事の意義や魅力を認識してもらうことが重要であると考えています。 現在、国において、薬剤師の確保について、業種間の偏在だけでなく、臨床実践能力を重視した薬学教育への見直しや、様々な施設を経験する卒後研修の必要性など、幅広く議論されているところです。 県といたしましては、これらの議論を注視するとともに、病院や大学等の関係者の意見を伺いながら、学生に対する病院薬剤師の仕事の意義や魅力の効果的な発信について検討してまいりたいと考えております。 次に、看護師養成機関における学生確保に向けた支援についてでありますが、看護職員の確保には、県内養成機関において学生を確保・養成し、県内就業につなげていくことが重要であると考えております。 県では、これまでも、看護職員を高等学校等に派遣し、看護の仕事の魅力を伝える取組を行うとともに、経済的負担を軽減するため、修学資金の貸与などを行ってまいりました。 加えて、今年度は、高等学校と連携をし、生徒に対する修学資金制度や県内養成機関のさらなる周知を行うとともに、養成機関が参加する合同進学ガイダンスを年内に開催することとしております。 県といたしましては、引き続き、看護師養成機関及び高等学校などの教育機関と連携を図りながら、看護職員を目指す学生の確保に取り組んでまいります。 次に、原子力防災についてお答えします。 まず、検証総括委員会の開催と検証に関する考え方の継承についてでありますが、検証総括委員会の任務は、3つの検証委員会それぞれにおいて各分野の専門家に客観的、科学的に検証していただいた結果について、矛盾等がないかを各委員に確認していただき、3つの検証の取りまとめをしていただくことであり、委員会は個別の検証の取りまとめに合わせて開催したいと考えております。 また、検証総括委員会については、米山前知事は、全体の方向性を共有することが重要と述べており、情報の共有が重要であることから、各検証委員会の開催の都度、検証総括委員会委員にはその状況をお知らせしており、米山前知事の検証に関する考え方は継承しております。 次に、検証総括委員会の取りまとめについてでありますが、これまでもお答えしたとおり、3つの検証は期限を区切ることなく議論を尽くしていただきたいと考えており、県では取りまとめ期限は設けておりません。 次に、3つの検証に関する県民説明会についてでありますが、県民の皆様と検証に関する情報を共有することは重要であると考えており、これまでに取りまとめられた個別の検証報告書について、情報共有するために県が開催いたしました。 今回説明した検証報告書は、県がそれぞれの検証委員会に検証をお願いし報告を受けたものであることから、県が責任を持って説明することとしたものですが、委員の出席を求める御意見や委員に直接意見を伝えたいなどの御意見を踏まえ、今後の説明会について、運営形式を検討してまいります。 次に、教育課題についてお答えします。 医療的ケア児への対応についてでありますが、医療的ケア児への支援は、その専門性等から、個々の制度の相談窓口だけで対応することが難しく、医療的ケア児の家族にとって、どこに相談をすれば適切な支援につながるのかが分かりにくいという課題があるものと認識しております。 県ではこれまで、医療的ケア児及びその家族を支える支援者の養成や、関係機関への助言を行うアドバイザーを配置するなどの取組を行ってきたところですが、法の施行を踏まえ、医療的ケア児の家族等からの様々な相談をワンストップで受け止めるため、関係機関と連携をして総合的に対応する医療的ケア児支援センターの来年度の設置に向けた検討を進めることとしております。 今後とも、医療的ケア児等に対する支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、観光振興策についてお答えします。 湯沢版MaaSの実証についてでありますが、この取組は、ホテルの送迎バスを一般開放し、既存路線バスを含めて運賃を統一・定額化した実証運行であり、約2か月の期間中、延べ約2万2,000人に利用され、町内の移動が便利になったとの回答が9割を超えるなど、取組を評価する声が多かったことから、一定の成果があったものと考えております。 現在、町において湯沢版MaaSの本格実装に向けた課題を整理しておりますが、県といたしましては、湯沢町はもとより、他の地域に対しても、今回の結果が今後の観光振興や地域振興に生かせるようサポートしてまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 脱炭素社会における労働者の雇用確保についてでありますが、再生可能エネルギーの導入など脱炭素化に向けた取組の促進は、本県のエネルギー拠点化につながるものであり、地域の雇用の拡大や本県経済への波及効果が期待できます。 その一方で、議員御指摘の石炭火力発電所などCO2の排出が多い事業所や環境規制の強化に伴いEV化が進む自動車関連産業などでは、脱炭素社会に対応するために、事業活動の大きな転換を迫られることが考えられます。 県といたしましては、こうした産業構造が変化する状況下においても、安定した雇用を確保していくことが重要と認識しており、これまでも、全国知事会を通じて国に要望しているところです。 先般閣議決定された経済対策においても、自動車部品サプライヤー等の事業再構築支援が盛り込まれたところですが、引き続き、国と連携しながら良質な雇用の確保に取り組んでまいりたいと思います。 〔
総務管理部長森永正幸君登壇〕
◎
総務管理部長(森永正幸君) お答えいたします。 中期財政収支見通しにおける人件費の見込み方についてでありますが、令和4年度以降の人件費は、令和3年5月1日時点の職員数や給与を基に、公表時点で想定された定期昇給や退職手当の見込みと、令和5年度までの職員給与の臨時的削減等を反映して試算しております。 人件費が減少する見込みとなっていますのは、職員数について、職員の年齢構成が高齢化する中で原則として退職者と同数の職員を採用することとして試算しているため、退職者と採用者との間の給与差が生じることなどによるものです。 なお、教育委員会につきましては、児童生徒数の減少による学級数の減少を踏まえて職員数を試算しております。 〔
福祉保健部長松本晴樹君登壇〕
◎
福祉保健部長(松本晴樹君) 3点お答え申し上げます。 佐渡医療圏における医療再編の進め方についてでありますが、佐渡医療圏では、現在、持続可能な医療提供体制の在り方について検討を行っているところであり、国から手厚い支援が受けられる重点支援区域の仕組みを活用しながら、その方針を年度内に固めることができるよう、関係者間での調整を早急に進めてまいります。 また、佐渡医療圏における相川病院の位置づけですが、持続可能な医療提供体制の構築には圏域全体での病院間での適切な医療機能分担が重要であることから、中長期的な医療ニーズの変化や医師確保等の見通しも踏まえながら、佐渡地域医療構想調整会議で検討していく必要があると考えております。 次に、医師の働き方改革に係る特例水準医療機関の指定に向けた今後の進め方についてでありますが、県では、これまでも、県医師会と連携し、医療機関に対する意識醸成に向けた研修会やアンケート調査の実施、社会保険労務士による訪問支援等により、医師の働き方改革の推進に取り組んできました。 今後は、こうした取組をさらに加速させるため、先般国が実施したアンケート調査の結果を踏まえ、県内の全病院を対象として社会保険労務士による訪問相談等を行い、制度のさらなる周知や医師の勤務実態の把握を促進するとともに、特例水準医療機関の指定に関する意向確認を行ってまいります。 特例水準医療機関は、地域医療の確保や医師の技能向上の観点から、やむなく時間外労働が年960時間を超える医師が所属する医療機関が対象となるため、指定に向けては、医療機関の役割や機能等を十分に踏まえ、関係者と丁寧に合意形成を図りながら進めてまいります。 次に、魚沼医療圏における調整状況と今後の進め方についてでありますが、魚沼医療圏では、平成27年度の医療再編が地域医療構想の策定前に行われたものであることや、圏域内の入院需要推計に対して急性期病院が多い状況にあることから、各病院機能についてさらなる調整が必要な状況にあります。 県ではこれまで、持続可能な医療提供体制の構築に向け、関係者による検討を進めてきたところですが、4月に地域医療構想の実現に向けた今後の方向性を策定したところであり、魚沼医療圏においてもこの方向性に沿って、圏域全体の合意形成を図ってまいりたいと考えております。 〔観光局長妹尾浩志君登壇〕
◎観光局長(妹尾浩志君) お答えいたします。 スキー場におけるICリフト券等の導入支援についてでありますが、ICリフト券等の導入は、訪日外国人を含む利用者の利便性向上につながるものと認識しており、一部の県内スキー場において導入が進んでいるものと承知しております。 一方で、導入に当たっては、多額の設備投資や維持費が課題となることから、県といたしましては、個々の索道事業者のニーズや関係自治体等の意見を伺いながら、必要に応じて、支援策を検討してまいりたいと考えております。 〔土木部長金子法泰君登壇〕
◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 国道17号浦佐バイパスの早期開通に向けた国への働きかけについてでありますが、浦佐バイパスは、今月11日に魚沼市大浦地区から虫野地区までの1.0キロメートルが開通予定であり、残る未開通区間は、(仮称)新浦佐大橋を含む南魚沼市側の1.6キロメートル区間となっております。 浦佐バイパスの全線開通により、魚沼基幹病院や水の郷工業団地等へのアクセス向上が期待されることから、県といたしましても、引き続き、早期供用に向けて国に対して働きかけてまいります。 〔病院局長藤山育郎君登壇〕
◎病院局長(藤山育郎君) 6点についてお答えいたします。 まず、タスクシフト・シェアを推進するための研修の進め方についてでありますが、タスクシフト・シェアに関する国の通知では、医療安全を確保しつつ、タスクシフト・シェアを受ける側の医療関係職種の不安を解消するために、医療関係職種が新たに担当する業務に必要な知識・技能を習得するための教育・研修の実施に取り組む必要があるとされております。 このため、県立病院においても、令和2年度から、特定行為を加えた認定看護師の資格取得に対し支援を行うことにより、毎年5名程度の認定看護師の養成に取り組むこととしております。 引き続き、タスクシフト・シェアを進めるため、必要な研修の実施に努めてまいります。 次に、
新型コロナウイルス感染症患者等入院受入医療機関緊急支援事業の活用についてでありますが、県立病院では、当該補助金を新型コロナウイルス患者の対応に係る職員の時間外勤務手当や、院内感染防止対策に係る費用に充てたところです。 職員の処遇改善への活用については、当該補助金の対象期間が限定されていたことや、他の県立病院での活用事例が緊急事態宣言が発令された2県にとどまっていたことなどから、手当の新設・増額や一時金の支給といった活用は見送ることといたしました。 なお、別途国の交付金を活用して、
新型コロナウイルス感染症患者もしくはその疑いのある者に接して作業等をした職員については、日額3,000円または4,000円の防疫等作業手当を支給しているところです。 次に、加茂、吉田病院の指定管理者の選定等についてでありますが、民間ノウハウを効率的に生かすためには、県央地域の医療再編に伴う機能転換に合わせた民間運営への移行が基本となると考えており、運営移行に向けて十分な準備期間を確保する観点から、早期に指定管理者を選定できるよう進めてまいります。 また、吉田病院は耐震化が未了であり、先日開催された県央地域医療構想調整会議で吉田病院の役割や機能・規模が整理されたことから、指定管理者制度の導入手続を進めていくことと併せて、改築を含む耐震化の手法や時期などについても、できる限り早期に方針をお示しできるよう対応してまいります。 次に、加茂病院及び吉田病院の指定管理移行に伴う職員の処遇についてでありますが、指定管理への移行に当たっては、議員御指摘のとおり、全ての職員が働き続けられるよう、取り組む必要があるものと認識をしております。 今後につきましては、指定管理者が決定した段階で、職員の雇用について運営法人と協議を進めるとともに、職員個々の意向を十分に確認しながら、丁寧に対応してまいります。 次に、県立病院の看護職員確保についてでありますが、県内の民間他病院に比べて試験日程が遅いことや、広域的な人事異動が看護学生に敬遠されることなどから、必要数の採用に至っていない状況にあります。 このため、試験日程の前倒しや勤務地域を限定した採用枠の拡充について、検討を進めるとともに、働きやすい職場環境や資格取得・研修によるキャリアアップ支援などについて、積極的にPRすることで、受験者確保に最大限努めてまいります。 次に、定年まで働き続けられる労働環境の整備についてでありますが、県立病院においては、多くの看護職員が定年を待たずに退職している状況にあり、職員が定年まで働き続けられる環境づくりは重要なことと認識をしております。 退職理由は様々ですが、経験豊富な看護職員が体力的な問題で夜勤のない医療機関に転職する事例も見られます。 一方で、育児や子育てなどを理由に、夜勤を免除されている職員もおり、夜勤者の確保に苦慮している実態があります。 このため、今後スタートする定年延長も見据え、職員に働き続けてもらえるよう夜勤の負担軽減に向け、体制や処遇など抜本的な見直しについて検討を進めてまいります。 〔教育長稲荷善之君登壇〕
◎教育長(稲荷善之君) 3点についてお答えいたします。 学校の部活動改革についてでありますが、部活動改革を進める上で、教師の負担軽減の視点に加え、生徒のニーズに応じた活動機会を保障していくことも重要であり、教員、生徒双方にとって望ましい改革となるよう努める必要があると考えております。 また、現在の検討状況でありますが、本年度、国事業を活用したモデル事業を4市で実施しており、その成果と課題等について、新潟県部活動改革検討委員会等で協議を行っているところです。 今後は、その協議内容等を各市町村に情報提供し、各自治体における制度設計の取組を支援することで、令和5年度からの段階的な地域移行に向けた準備を進めてまいります。 次に、部活動の地域移行に係る周知活動についてでありますが、県教育委員会ではこれまで、移行後の活動の主体となる総合型地域スポーツクラブの指導者を対象にした研修会を開催し、地域移行の目的や制度設計を行う際の役割分担等についての説明を行うなど、理解の浸透に努めているところであります。 また、地域移行を行う利点等について保護者からの理解を得ることが重要であることから、県小中学校PTA連合会への説明や県教育委員会広報紙への情報掲載を行ってきたところです。 しかしながら、地域により関係者や保護者の理解に差があると認識していることから、引き続き各市町村教育委員会と連携し、それぞれの地域における移行に向けた進捗状況等の情報を発信することにより、理解を深めてまいります。 次に、看護師等の確保についてでありますが、県教育委員会では、医療的ケアガイドラインの改定を行い、これまで保護者に付添いを依頼して実施していた医療的ケアを、学校看護師が対応できるようにしたところです。 必要な看護師を確保するためには、ハローワークや看護協会等と連携強化を図るとともに、専門医との連携体制や研修を充実させるなどして、看護師が安心して働ける環境整備にも取り組んでまいります。 〔樋口秀敏君登壇〕
◆樋口秀敏君 2点確認をさせていただきたいと思います。 1点が
福祉保健部長のほうから答弁ございましたが、魚沼地域における医療再編の状況です。合意形成を図っていきたいということでお話があったところですけれども、先ほど県央の話がありましたが、地域医療構想調整会議の中で病床数とかが決まって、そのことを受けて病院局は、加茂、吉田病院をどうしていこうかという答弁があったところです。南魚沼の場合、そういった各病院の機能分担等が調整会議で決定がされたので、市が動いているということなのか、そこの関係性が分からなかったので、改めてお伺いをしたいと思います。 それから、もう一点が病院局長のほうから、県立病院の看護職員確保について、来年度以降の採用について、試験期間の前倒し等を行っていきたいということでお話があったので、ぜひまたそこは頑張っていただきたいと思うので、現状も多くの欠員があるかと思うのですが、4月以降ではなくて、現状の部分でどういうふうに対応されていくのか、改めて確認させていただきたいと思います。よろしくお願いします。 〔
福祉保健部長松本晴樹君登壇〕
◎
福祉保健部長(松本晴樹君) 樋口議員の再質問にお答えをいたします。 魚沼医療圏における調整状況と今後の進め方についての再質問でございまして、御質問の内容としましては、市の医療のまちづくり構想について、地域医療構想調整会議で病床数等の合意があってのものなのか否かというふうな御質問だったと思います。地域医療構想調整会議で目指すべき病床数等の合意形成はいまだ行われていない状況でございますので、今後、地域医療構想調整会議の中で合意形成が必要な状況でございます。 〔病院局長藤山育郎君登壇〕
◎病院局長(藤山育郎君) 樋口議員の再質問にお答えします。 まさに今、このとき何をするかという議論については、職員組合のほうと、懸命にいろいろな議論をしているところでございます。こういう場でそういう具体的な中身についてお話しするのは適当ではないと思いますので、ともかく今、職員組合と一緒に、どういう手があるか、様々な議論をしているということで、いっときも早く欠員が解消できるように、引き続き努力してまいりたいと思います。
○議長(佐藤純君) 樋口秀敏君の質問は終わりました。 次に、松原良道君の発言を許します。松原良道君。 〔松原良道君登壇〕(拍手)
◆松原良道君 自由民主党の松原です。通告に従いまして、順次質問させていただきます。 まず初めに、本県の人口減少について伺います。 本県の人口減少は全国より早く始まり、スピードも速いと言われています。総務省が発表した国勢調査の速報値では、2020年の県人口は220万2,358人でありました。 本県は、第1回調査の1920年、大正9年から昭和30年代までは全国7位から9位と人口大県を維持したが、徐々に順位を落とし、前回2015年調査から15位となりました。 日本の総人口は2015年に初めて減少したが、本県は2000年の調査で減少に転じ、以後5回連続で減少し、減り幅は拡大の一途をたどっています。 今回調査の人口減少数は、2015年調査比で約10万2,000人と過去最多を更新し、全国2番目の多さとなりました。減少率も4.4%と過去最大で、今回、国全体の減少率が2015年0.7%、2020年0.8%と横ばいであるのとは対照的な動きを見せたと言われていますが、この結果について、まず知事の見解を伺います。 総合計画は県の最上位計画であります。その中で人口減少対策の目標として、年間の減少幅を2016年の1万8,408人から、計画最終年の2024年には5,900人程度改善すると掲げています。 しかし、県執行部が示した2020年の減少幅は2万2,258人と、2016年比で3,850人も悪化、総合計画で目指す目標と実態との乖離が進んでいると考えますが、設定した目標の妥当性も含めて知事の見解を伺います。 次に、本県の人口減少が止まらない要因の一つに、県外への転出が転入者を上回る社会減があります。新型コロナウイルス感染拡大後、東京の一極集中は緩和傾向にあると言われている中で、県の対策と併せて、人口減の7割は死亡者数が出生数を上回る自然減によるという実態もあることから、自然減対策も同時に考えるべきと思います。 特に出生数の減少は、将来の新潟県経済の発展に欠くことのできない労働力の減少にもつながることから、現実に即した、県を挙げての取組により、結婚や子育てなどの少子化対策の強化が重要と考えますが、知事の見解を伺います。 人口減少社会が加速する中、
新型コロナウイルス感染症の流行を背景に、昨年7月から続いていた東京都の転出超過は、本年3月に9か月ぶりの転入超過となりました。転入超過数は前年同月より約3割減ったものの、進学や就職など転入する若者が大きく減らなかったことが要因と見られています。 本県では近年、県内高校卒業生の大学進学者数のうち、約6割が県外に進学しており、県内大学への進学者の増加に向け魅力ある高等教育環境を整え、県内大学の情報を発信していくことが求められています。 また、県内大学生等の県内就職率は低下傾向にあり、若者の県内定着に向け、県内企業に対する理解を深める学びの場づくりなど、大学生等の県内定着を図る取組が必要と考えます。 知事の見解と課題解決に向けた今後の取組について伺います。 また、子供たちが自らの地域の魅力や課題をよく知ることは、子供たちの学びや成長の機会につながるとともに、将来的な地元へのUターンなど、地域の将来を支える人材の確保につながる可能性があり、学校と地域が連携・協働し、地域に誇りを持つ人材の育成に取り組むことが極めて重要と考えますが、知事の見解と現在の取組状況について伺います。 また、人口減少や少子高齢化、産業の衰退や財政難といった従来から地方が抱える課題に、
新型コロナウイルス感染症への対応が加わり、地方公共団体が処理すべき課題は、より複合的なものとなっています。 また、
新型コロナウイルス感染症の影響により地域経済が大きな打撃を受ける中、企業活動やイベントの自粛、縮小などにより地域内外の人の交流機会が減少し、交流人口も落ち込んでいます。 一方、
新型コロナウイルス感染症の拡大により東京圏等への人口集中のリスクが改めて浮き彫りになり、若い世代を中心に地方への移住や就業に対する関心が高まるとともに、テレワークが新しい働き方として広く認知されるなど、地方分散の兆しも見られるようになったと言われていますが、この機を捉え、他県と差別化された特徴あるU・Iターン促進の取組が必要と考えますが、知事の見解を伺います。 2点目に、土木工事等における発注者側の対応について伺います。 近年、片側交互通行による交通規制は、警察署からの指導の下、仮信号機の設置はなかなか認められず、終日交通誘導員を配置しているのが現状であります。 当初計画において、各工種の歩掛かり日数の合計にて昼間の誘導員日数を計上しているため、受注者が施工計画の段階で警察担当者との交通規制の協議及び監督員と協議を行い、安全設備、交通誘導員の手配を行っています。 現場状況を考慮した適切な設計のためにも、警察との協議は設計時に事前に発注者側が対応すべきと考えます。 現状に対する県の見解を伺うとともに、今後見直す考えはあるのか伺います。 また、道路改良工事においては、特に電柱及び消火栓等の移設の遅れが施工の遅れにつながります。このため、事前に発注者側で移設物件の管理者との移設についての協議に取り組むことで、受注者の速やかな施工進捗につながります。また、降雪前の施工においてはこのことが極めて重要と考えますが、県の見解を伺います。 次に、3点目、保育現場の現状について伺います。 本県における幼稚園教諭、保育士養成校には、関東地区の保育所、幼稚園、認定こども園、小規模保育所等や、企業主導型保育施設運営法人からの求人が殺到しております。卒業生の10%から20%は関東圏に就職を決めているのが現状であります。 その理由は、公定価格と言われている国が定める運営費が、国家公務員の給与と同じように地方の市町村より16%から20%高く設定されているために初任給が高いことと、待機児童対策として家賃補助8万2,000円程度が支払われる制度となっているため、新潟県内で20万円の初任給が、首都圏では24万円の初任給プラス家賃補助8万2,000円が支払われる制度設計となっているためでありますが、こうした現状について知事の見解を伺います。 また、こうした現状により県内でも幼稚園教諭、保育士が不足し、人材確保に苦慮している施設が多くあります。 また、こうした状況を知り、多くの人材派遣会社が県内にも進出してきております。派遣会社の多くは、紹介料として年収の25%から35%を要求し、3か月たつと返金義務がなくなるため、3か月で退職というケースも見られます。1年間に1人の保育者を3園に紹介すると300万円程度の収入になります。 また、保育者自身には園が変わるごとに支度金やお祝金として3万円から10万円が支払われるそうです。したがって、本人には転職することで10万円から30万円が支給されます。 保育士は子供たちと愛着を形成し、子供たちにとって信頼される人間として保育を進める必要があります。 幼児教育の重要性が問われる社会にあって、このような状況は子供たちにとっても、よい環境と言えないと考えますが、知事の見解を伺います。 預かり保育についてでありますが、この制度の矛盾点は子供がいる時間しか補助金が出ないことです。保育の現場ではその準備や後片づけ、清掃などをしなくては、明日からの保育ができません。特にコロナ禍では消毒等もしなければならない。 共働き世代の増加及び認定こども園化が進む本県において、保育の長時間化が一つの問題となっており、その受皿として重要な役割を担う預かり保育の充実は、体制を維持する園にとってより重要なものとなっております。 しかし、預かり保育の実際の現場では、就労時間が様々な保護者の子供たちが利用しており、その日ごとや時間帯によって必要な体制も異なり、現場は大変のようであります。 教育時間外も含め、子供たちの保育環境の質向上が図られるよう、預かり保育の準備時間等に対する県独自の支援が必要と考えますが、知事の見解を伺います。 次に、菌床の製造地表示の義務化について伺います。 近年、輸入菌床から収穫されたシイタケが国内産として市場に大量に出回っており、値崩れ等不安な状況が続いております。 財務省貿易統計によれば平成29年から令和元年までの菌床輸入量は、毎年、前年比約130%の伸びを示しており、特に関東圏では大規模な栽培施設が幾つもできているようで、全てを把握できていないのが現状です。 このままいきますと数年後には、国産シイタケは輸入菌床による国産シイタケに逆転されてしまうのではと思えるほどの勢いであります。 日本のキノコ生産における需給にも影響が出るおそれがあると言われていますが、本県における影響について知事の見解を伺うとともに、本県の現状における課題認識についても伺います。 中国から輸入されている菌床は年々増加しており、財務省貿易統計によれば令和2年の1年間で3万6,600トンが輸入され、採取量は菌床重量の約3割として計算しますと、シイタケの生産はおよそ1万980トンにも上り、10年前と比較すると、およそ7.9倍の輸入量になります。 中国産菌床の輸入は今に始まったことではありませんが、当初は輸出時の温度管理の問題でトラブルが多発していたこと、生産者の多くが日本人であったことなどにより、急激な普及には至りませんでした。しかし、数年前から日本での中国人生産者が急増し、各地から中国資本が広い土地を探して、大規模な施設栽培が行われているとの情報も聞こえてくるようになりました。 確実に国産菌床で栽培している日本の生産者の脅威になるものと思いますが、知事の見解を伺います。 国産の菌床販売メーカーの菌床は、原材料が国産のミズナラ、コナラ、ブナ等で作られているのに対し、中国産の菌床には原材料に何が使われているのか全く分からない状況であります。 食品表示法では、原産地のみの表示だけで菌床製造地を表示しなくても販売することができます。しかし、消費者に、より多くの情報を提供し、食品選択の機会を提供する観点と併せて、国産のキノコを守り、日本の食の安心・安全を守るためにも、菌床の製造地表示に関する適切な法的措置の確立に向けて、生産者の声を国に上げていただきたいと考えますが、知事の見解を伺います。 次に、新規就農者への支援について伺います。 農林水産省は2020年度に、将来の農業の担い手となる、49歳以下の新規就農者を育成する支援策を刷新することとしました。 機械やトラックなど初期投資の負担を減らすため、最大1,000万円を一括支援するほか、就農者を指導する農業法人への助成期間を従来の最長2年から5年に延ばして、農業者が減少する中、就農者の経営の安定化や長期定着を後押しする支援策となっております。 現行制度では、市町村から就農計画の認定を受けると1年目から3年目に年150万円、4年目から5年目に年120万円の最大690万円の支援を受けられます。ただ、農林水産省の調べでは、5年間補助を受けた人の6年目の収入は、上位3割の平均が2,000万円を超えた一方、下位3割の平均が163万円にとどまっています。 現行の支援制度に関し、就農者から初期投資に十分対応できないとの指摘を受け、一括で1,000万円を受け取れる新事業を盛り込んだと考えられますが、知事の見解と併せて本県の就農者の現状について伺います。 また、就農希望者を雇用して指導する農業法人や農家向けの支援は、現行では年最大120万円を最長2年支給しています。これをより営農技術の向上を促すため最長5年に延ばして、補助額も最大396万円に底上げをします。 支援策は従来、国が全額負担してきましたが、新たな支援は地方自治体と折半とする方針です。就農者の育成が順調な地域は、資金面や技術指導で自治体が主体となるケースが多いためであると言われています。ただ、JAグループや全国知事会は、国の全額負担の継続を求めており、今後調整する可能性もあると思われます。 一方、支援額を積み増すだけでは就農者の育成が十分に進むかは見通せないと考えますが、知事の見解を伺います。 米政策について伺います。 コシヒカリと並ぶ本県のブランド米、新之助の2021年産の1等米比率が80%台後半になる見通しです。これまで90%を下回ることはなかっただけに、肩を落としている生産者もいると思われます。 高い品質でブランドを維持していくためには、原因の徹底検証は欠かせません。そこで得た教訓を今後に生かさなければならないと考えます。 1等米比率の低下は、県が調査機関に10月末時点の状況を聞き取った結果で判明しました。収穫を控えた9月下旬の気候が高温で乾燥していたことで、米の内部に亀裂が生じる胴割れが多く発生したことが原因と見られます。 下越地区では50%台まで下がったJAもあると伺っていますが、まずこの結果について知事の見解を伺います。 次に、新之助は、気候変動による高温対策として県が開発し、2017年に本格デビューをしました。過去に異常気象の影響で、コシヒカリの1等米比率が大きく落ち込んだことがあったのに対して、晩生で高温に強い新之助は90%以上を維持してきました。それだけに今回の事態を重く受け止めなければなりません。 県は同じ地域でも生産者によって状況が異なり、肥料、水管理などがどう影響したかを調査するとしています。個々の栽培状況や、県や関係機関からのきめ細かな情報提供は適切であったのでしょうか。 様々な観点から調査をし、原因を洗い出し、それを踏まえて適切な栽培となるよう、生産者に指導することが今後は重要と考えますが、調査の結果と今後の対策について見解を伺います。 気候変動による夏場の気温は今後さらに上昇すると言われ、近い将来にはコシヒカリの適地適作は、東北北部から北海道になるとも言われている中、高温対策として県が期待し取り組んできたのが新之助であり、現在、約1,500人の農家が基準に従って栽培をしています。その新之助の品質低下は、農家にとって極めて深刻な問題と考えます。 新之助として販売できるのは1等米だけで、2等米以下は加工用米などとして4割ほど安く売られます。一部の生産者や流通関係者からは、2等米も食味に変わりはないとして新之助を名のれるよう望む声が出ていますが、県は高い品質を維持する観点から現時点では基準を緩和する考えはないとのスタンスです。 気がかりなのは、2022年産以降の作付の動向です。県は販売強化を図り、作付面積も年々増え2021年産米は約3,400ヘクタールでした。今回の1等米比率の低下を受けて、2022年産米はリスクを避けて作付を減らす生産者も出てくるのではないかという見方もある中、県はどのように捉えているのか、知事の見解を伺います。 最後に、余剰米の活用について伺います。 近年、毎年のように米の収穫が終わると米余りのニュースが報じられ、稲作農家にとって不快感を持つのは私だけでしょうか。食料、特に主食用米は余るように保有するのが当たり前なのですが、適正在庫量以上になっている現状をどうするかというのが問題であります。 食が多様化する今、米を多く食べてと言っても現実的ではなく、政府による備蓄米や生活困窮者への支援米にしても一時しのぎにすぎず、根本的な解決には至らないと考えます。輸出米としたくても日本の米は高値のため一部の国に限定されています。 そこで、適正在庫を確保したら、それ以外は国連機関の飢餓撲滅運動に協力し、大規模に無償支援米として提供し、それを継続してはどうかと考えますが、知事の見解を伺います。 また、食糧難が解決できない貧困国への貢献もでき、国際的にも日本の評価も得られると考えます。無償米支援となれば政府の負担も相当増えますけれども、農家が自由に米を作付できれば間違いなく農村は活気づきます。また、極端な価格変動も抑えられ、稲作関連予算も最終的には減らせると私は考えています。 一時的な対策では米余りの解決はできません。米が厄介者扱いされるような現状の政策は、知事会等を通じて国に提言し、早々に改めるべきと私は考えますが、知事の見解を伺いまして、質問を終わります。(拍手) 〔知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 松原議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県の人口減少に対する県の受け止めについてでありますが、先月末に公表されました国勢調査の確定値において、昨年10月1日現在の本県の人口は、220万1,000人余りとなっており、前回調査が行われた平成27年以降、毎年2万人前後の減少が続いております。その要因として、本県においては、進学や就職を契機とした若年層の首都圏等への社会流出が、出生数の減少にもつながるという連鎖が続いているものと考えております。 人口減少は、本県が長きにわたり苦しんできた極めて深刻な課題であり、危機感を持って重く受け止めております。 次に、総合計画における人口減少対策の達成目標についてでありますが、議員御指摘のとおり、2016年度に比べ、2024年度に5,900人程度の増加を目指す目標に対し、主に自然減の拡大を理由に昨年10月時点で約3,800人の減少となっており、目標との差が拡大している状況にあります。 これは、進学による流出や学生を除くU・Iターンは若干改善したものの、大学生等のUターンを含めた県内就職が減少したため、全体としては社会減の改善につなげられなかった一方で、このことにより、若年層の減少が出生数の減少につながる連鎖を止められなかったことや、合計特殊出生率が上昇しない中で、死亡者数が増加していることなどにより、自然減が拡大したものです。 現在の達成目標につきましては、社会減相当程度の水準を目安に、ある程度高い目標値として設定されたものですが、こうした現在の状況について真摯に受け止め、現在、行っている総合計画の中間評価における委員の有識者の御意見も踏まえながら、これまでの取組について評価・分析を行い、目標の在り方や施策の見直しを検討してまいりたいと考えております。 次に、結婚や子育てなどの少子化対策の強化についてでありますが、議員御指摘のとおり、出生数の減少は、労働力人口の減少による経済成長率の低下や消費の減少による地域経済の縮小につながることなどが危惧されており、少子化対策は喫緊の課題と考えております。 このため、県といたしましては、婚活イベント支援や1対1のマッチングシステム、ハートマッチにいがたの運用などにより、結婚を希望する方々に多様な出会いの場を創出するとともに、企業における子育てしやすい職場環境整備や地域で子育て支援活動をしているNPO等への支援、保育環境の充実など、子育て環境の整備にも取り組んでまいりました。 また、本県においては、20代女性の転出超過が婚姻数及び出生数の減少に拍車をかけているなど、自然減と社会減への対策を一体となって行う必要があることから、若者、特に女性の県内定着、U・Iターンの促進などを行ってまいりました。 加えて、少子化対策は国家的な課題でもあることから、地方だけでは解決が難しい制度改革等への対応や少子化対策の予算規模の拡大等について国へ働きかけをしてきたところです。 県といたしましては、新潟が選ばれる地となることが重要であり、部局横断的に、より効果的な施策を推進することにより、少子化対策を強化してまいりたいと思います。 次に、県内進学及び県内定着に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県では進学や就職を機に県外へ転出する者が多いことから、魅力ある高等教育環境の整備や大学生等の県内定着に向けた取組は重要なものと考えております。 このため、県では県内進学の促進に向けて、各大学が行う特色あるプログラムの開発や、高校・中学校と連携した体験型授業の実施等を支援し、魅力ある大学づくりや県内大学の情報発信による認知度の向上を図っているところです。 また、県内就職の促進に向け、県内産業や企業に関する大学での講義や、県内企業へのインターンシップの推進などに継続して取り組み、学生の県内企業に対する理解の促進を図っております。 引き続き、これらの取組がより効果的な取組となるよう、新年度予算の中で検討してまいりたいと考えております。 次に、地域に誇りを持つ人材の育成についてでありますが、ふるさとの自然や歴史、文化等を学ぶことは、郷土を愛する心を育み、豊かな人間性を身につけるとともに、地域を支える人材を育てることにもつながるものと考えております。 県といたしましては、新潟県教育振興基本計画において、郷土への貢献意欲を高める教育の推進を掲げ、様々な取組を進めているところです。 なお、現在の取組状況については、教育長からお答えいたします。 次に、特徴あるU・Iターン促進の取組についてでありますが、新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、人口集中のリスク回避や生活意識の変化などが生じ、昨年4月以降、本県から東京圏への転出超過に改善傾向が見られます。こうした人や企業の地方分散の流れを的確に捉え、新潟が選ばれる地となるためには、議員御指摘のとおり他県と差別化を図るための取組が必要であると考えております。 今年度、本県の移住相談窓口への登録者を分析した結果、自然豊かな環境でのゆったりとした子育てを志向した移住が、本県の強みを生かせる一つの特徴として浮かび上がりました。 このため、本県へのU・Iターンの促進に向けて、特に東京圏に住む子育て世帯をターゲットの一つとして、本県の子育て環境や暮らしの魅力等を戦略的に発信してまいります。 また、学生のUターンの促進に向けては、県外に進学しても本県への関心やつながりを保ち続けていただくことが重要と考えており、県内高校生や県外学生等に働きかけるプロジェクトを、今後、公民連携で進めてまいりたいと考えております。 次に、保育現場の現状についてお答えします。 まず、保育士等の関東圏への就職の現状についてでありますが、県内の保育士等の養成施設の卒業者の一定程度が、関東圏の保育所等に就職している実態があり、その理由として、首都圏での生活への憧れや、給与水準の高さ、福利厚生の充実等が挙げられておりますが、本県において保育士等を確保するため、こうした方々にも本県で働くことを選んでいただくことが重要であると考えております。 このため、県では、東京圏から移住し保育施設等へ就職した場合に支援金を支給するほか、今年度から、新たに保育士の修学資金貸付制度を開始したところであります。 さらに、就職先を決めるに当たり、給与面以外にも目を向けていただけるよう、本県の保育等の現場の働きやすさや暮らしやすさなどの魅力をアピールしていくことにより、人材確保と県内定着に取り組んでまいります。 次に、保育士等の短期間での退職についてでありますが、本県でも新たに採用した保育士等が短期間で退職する事例があると、関係団体等から伺っております。 議員御指摘のとおり、こうした状況は、保育士等が園児や保護者と十分な信頼関係を築きながら、よりよい教育・保育環境を構築する上で、好ましいことではないと認識しております。 保育士等の定着に向け、各施設における働きやすい
職場環境づくりなどが重要であることから、市町村や関係団体とも連携しながら、保育士等の定着に係る取組事例の共有や業務負担の軽減につながる国の補助制度の周知などを進め、各施設の取組を支援してまいります。 あわせて、保育士等の確保に向け、園が行う幼稚園教諭を確保する取組に対する助成や、潜在保育士と保育所等のマッチングに加え、今年度創設しました保育士修学資金貸付制度等により、確保が進むよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、預かり保育事業についてでありますが、幼児教育・保育の無償化により幼稚園等においても保育ニーズが高まり、預かり保育の利用者が増加傾向にあると関係団体等から伺っております。 議員御指摘のとおり、預かり時間に付随する準備や片づけの時間は国庫補助対象外とされていますが、これらを補助対象とすることについては、預かり保育は通常の教育時間の前後に実施されることから、教育時間に係る準備や片づけと明確に区分して把握できるのかなどの課題もあると考えております。 このため、まずは幼稚園等における預かり保育の実態を把握した上で、必要な対応を検討してまいります。 次に、菌床の製造地表示の義務化についてお答えします。 まず、輸入菌床栽培のシイタケの増加に伴う本県のキノコ生産への影響についてでありますが、現時点では、県内市場の価格や県産キノコの取扱量からは、県内のキノコ生産に対する大きな影響は見られていないものと考えております。 しかしながら、食品表示法では、菌床の製造地表示は義務づけられていないことから、消費者は、キノコの購入に当たって、国産菌床栽培か輸入菌床栽培かを判断できない状態であり、今後、輸入菌床栽培の安価なキノコが県内市場に大量に流通した場合には、県内キノコ生産者の経営に大きな影響を及ぼすものと懸念しております。 なお、本県の現状における課題認識については
農林水産部長からお答えをいたします。 次に、輸入菌床による大規模な施設栽培の生産者への影響についてでありますが、議員御指摘のとおり、他県においては、輸入菌床を使用したキノコが大規模に生産され、菌床の製造地表示がない安価なキノコが大量に市場に流通している事例があるとお聞きしており、今後、我が国のキノコ生産者にとって、大きな脅威になるものと認識しております。 キノコ生産者が、将来にわたって、生産を行っていくためには、菌床の製造地表示などの取組も含め、消費者から選ばれる産地づくりを一層進めていく必要があると考えております。 次に、菌床の製造地表示に関する国への働きかけについてでありますが、国産・外国産を問わず菌床の製造地が商品に表示されることは、消費者にとって、より多くの情報で食品選択が可能になるとともに、生産者にとっても、産地に対する消費者の関心が高まり、商品価値の向上につなげられるものと認識しております。 また、先般、県内の菌床シイタケ生産者に菌床の製造地表示についてアンケート調査を実施したところ、多くの生産者が表示の義務化を望んでいることから、キノコ生産者団体や同じ課題認識を持つ都道府県とも連携を図りながら、様々な機会を捉えて、表示の義務化を国に働きかけてまいりたいと考えています。 次に、新規就農者への支援についてお答えします。 まず、新規就農者への国の支援策についてでありますが、概算要求では、これまでの支援策に比べ拡充されるものの、地方公共団体に大きな財政負担を求める内容が示されており、地方の財政力によって支援に差が生じることを懸念しております。 このため、先般、国に対して、必要な予算の確保と併せて、新たな対策の制度設計については、地方の実情を踏まえて見直しを行うよう要望したところです。 県といたしましては、今後示される概算決定等を注視するとともに、本県の新規就農者の確保に向け、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。 なお、本県の就農者の現状については
農林水産部長からお答えをいたします。 次に、雇用就農者の育成についてでありますが、国の概算要求で示された雇用就農への支援策は、給付期間の延長や助成額の増額など、拡充がなされており、就農者の技術習得や定着などの面で一定の効果は期待できるものの、併せて、就農者のスキルアップや、雇用の受皿となる経営体の育成も重要であると考えております。 このため、県といたしましては、国の支援策に加え、普及指導センターや農業大学校において研修機会を提供するとともに、農業法人等の経営基盤の強化や就業環境の整備など、総合的な支援を通じて、新規就農者の確保・定着を図ってまいりたいと考えております。 次に、米政策についてお答えします。 まず、新之助の品質低下についてでありますが、新之助はデビュー以来、県全体で90%以上の1等級比率を維持してきたところですが、本年産米については10月末時点で88%に低下しており、議員御指摘のとおり、一部には品質低下が大きい地域もあると承知しております。 新之助は、ブランド管理の観点から1等米でないと新之助として流通できないため、品質低下による生産者への影響は大きいものと受け止めており、県といたしましては、品質低下の要因をしっかり分析し、必要な技術対策を講じることで、次年度以降の生産意欲の維持と品質向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、新之助の食味・品質基準等についてでありますが、新之助は、米全体の需要量が大幅に減少している状況においても販売が好調に推移しており、これまでの生産者の食味・品質基準に沿った取組が、市場の評価につながっているものと考えております。 また、新之助を生産・集荷する新之助研究会からは、トップブランド米として消費者から選ばれるためには、食味・品質基準は変えるべきではない、との意見を伺っているところであり、県といたしましては、引き続き高いレベルでの食味・品質を確保することで、全国の消費者から選んでいただけるトップブランドとして、定着を目指してまいりたいと考えております。 なお、令和4年産の作付は、種子要望量調査では本年産に比べ約2割増加する見込みとなっており、着実に拡大するものと考えております。 次に、余剰米の活用についてお答えします。 まず、米の在庫対策としての海外支援についてでありますが、海外への食糧援助は、我が国の国際貢献につながる取組ですが、その実施に当たっては、政府間の枠組みを定めた食糧援助規約に基づき、被援助国の意向を踏まえるとともに、自立への妨げとならないよう十分配慮して行う必要があるものと認識しております。 我が国においても、既に被援助国の要請を最大限に反映して実施され、引き続き、日本産米による支援のニーズの掘り起こしに努めると聞いており、国際ルールや財政負担などにも留意しながら、適切に取り組まれていくものと考えております。 次に、余剰米対策の国への要望についてでありますが、我が国における海外への食糧援助については、今ほど申し上げたような配慮が必要となりますが、一方、米の民間在庫が積み上がっており、
新型コロナウイルス感染症の影響による増加分については、農業者等の責任ではない全国的な問題であることから、国において対策を検討する必要もあると考えております。 このため、これまでに全国知事会等を通じて、備蓄米の買入れ数量の拡充などについて国に要望するとともに、県としても、先般、農林水産省に対し、在庫解消に向けた効果的な対策の実施について要望したところであります。 〔
農林水産部長小幡浩之君登壇〕
◎
農林水産部長(小幡浩之君) 3点についてお答えします。 輸入菌床栽培のシイタケの増加に伴う本県の課題認識についてでありますが、近年、国内で輸入菌床栽培の安価なシイタケが増加している状況の中で、食品表示法では、菌床の製造地表示の義務づけがされていないことから、消費者がキノコの購入に当たって、国産菌床栽培か輸入菌床栽培かを区別できないことが課題と考えており、消費者が輸入菌床も含めて国内で作られたものと誤認してしまうおそれがあります。 このため、県といたしましては、県内のキノコ生産者団体と連携して、生産者に対し、菌床の製造地表示について働きかけを行っているところであり、表示の取組が徐々に広がっております。 今後も引き続き、関係団体と連携して、表示の取組を促進してまいりたいと考えております。 次に、本県の就農者の現状についてでありますが、本県の新規就農者は毎年280人程度確保されており、その約6割に相当する170人程度が法人等就業、また、親元就農が90人、新規参入が20人程度となっております。 親元就農や新規参入者のうち、経営主として農業経営を開始しようとする青年等については、認定新規就農者として市町村が認定することとしており、県では、これらの者の経営開始時の資本装備など初期投資の負担軽減を図り、円滑な経営発展を後押しするため、毎年20人程度の要望に対し、県単補助事業により支援を行っております。 次に、新之助の品質低下要因と今後の対策についてでありますが、現在、地域機関への聞き取りや新之助研究会へのアンケート調査等を実施しているところですが、これまでの分析では、9月下旬の成熟期前後の高温・過乾燥による胴割れ粒の発生が品質低下の主要因と考えております。 また、刈り遅れが胴割れ粒の発生を助長したものと考えておりますが、同じ地域でも生産者によって品質の状況が異なることから、今後、品質低下が大きかった地域において、施肥や水管理等の栽培履歴等を調査することとしております。 これらの調査結果を基に詳細な解析を行い、関係機関や学識経験者の意見を十分踏まえて、必要な技術対策を講じ、新之助研究会を通じて生産者に周知・指導することで、令和4年産米の品質向上を図ってまいります。 〔土木部長金子法泰君登壇〕
◎土木部長(金子法泰君) 2点お答えいたします。 土木工事等における交通規制の協議についてでありますが、一般的には、工事契約後、受注者のこれまでの経験や、保有する資機材等を踏まえて立案した詳細な施工計画に基づいて、受注者が具体的な交通規制方法を警察と協議しております。 このようなことから、工事契約前の発注者による警察との交通規制に関する協議は、概略的なものにならざるを得ないと考えておりますが、今後は、受注者の負担を軽減し、円滑に施工ができるよう、必要に応じて、受注者と共に発注者も警察との協議に関わってまいります。 次に、道路改良工事における支障物件の移設についてでありますが、議員御指摘のとおり、早期の電柱及び消火栓等の移設が円滑な施工に重要であると認識しております。 そのため、受注者の速やかな施工進捗につながるよう、物件管理者との事前協議を行っておりますが、一部では予期せぬ工程変更や移設先確保の難航などにより、物件移設に遅れが生じる事例も見受けられます。 県といたしましては、円滑な支障物件の移設が行われるよう、工事発注前に物件管理者との早期の事前調整に努めてまいります。 〔教育長稲荷善之君登壇〕
◎教育長(稲荷善之君) お答えいたします。 地域に誇りを持つ人材の育成に関する現在の取組状況についてでありますが、小中学校では、社会科や総合的な学習の時間等に、地域人材による自然や歴史等の学習や、地域特有の産品を製造する地元企業での職場体験活動等に取り組んでおります。 また、県立高校では、総合的な探究の時間等において、地域を題材とした探求活動を行っております。さらに、専門高校や普通科地域探究コース等においては、地元自治体や企業等と連携・協働し、地元産品を活用した商品開発や地域の課題解決に向けた提言など、実践的な取組を行っております。
○議長(佐藤純君) 松原良道君の質問は終わりました。 ――
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○議長(佐藤純君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。 ――
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○議長(佐藤純君) お諮りいたします。 次会は、明12月7日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――
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○議長(佐藤純君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。
△午後5時10分散会...